カソルラは 広い山脈の麓。
カソルラ山脈は 自然公園に指定されている。
ヨーロッパで 二番目に広い 自然公園。
一番はもちろん アルプス。
ここには 散策をする家族連れの旅行者が多いが
狩猟を趣味とする人たちもかなりくる。
かつての独裁者 フランコも ここで狩猟をしていた。
彼の別荘が 今では 狩猟博物館になっている。
狩猟というと 日本では あまり高級な趣味として認知されてないみたいだけど
こちらでは かなり高い趣味だと思う。
バカンバカン打てばいいってもんでもなく
打つには 一頭につき 払わなければならないし
その前に 狩猟許可を申請して それが かなり高額。
狩猟家のためのエイジェンシーもちゃんとある。
一般的に 狩猟のシーズンは 9月の後半から10月。
一年で 一番気候のいいとき。
そして 子供達も 夏休みが終わって 山には家族づれがいなくなる。
1月2月は 山は閑散となる。 
寒い時期に狩猟をするスペイン人はあまりいない。
どうせ お金を払うのなら 自然を楽しみたい。
この時期 北ヨーロッパの人が来る。
彼らにとっては 寒い一月2月も なかなか いい季節。
山は 村より寒いけれど 10度近くある。
お日様が出れば 暖かく感じる。

先日 フィンランド人 5人組が来た。
ガイドと通訳 二人と 
招待したドイツ人が一人。
このドイツ人の会社が 接待している。
フィンランド。
ムーミンのいるフィンランド。
シベリウスを生んだフィンランド。
トナカイのいるフィンランド。

フィンランドは こんなに険しい山ではないので かなりフーフー言いながら 歩いていたそうだ。

そして 朝ごはん。

普通に オレンジジュース トースト シリアル類 コーヒー(カフェ コン レチェ :カフェオレです)
そして 何か もっと 欲しいですかと ウエイターが聞く。

コカコーラ

英語が聞き取れなかったのかも とウエイターはもう一度聴き直す。

コカコーラ。

ウエイターは 語る。

『そして 五人で コカコーラを グイって 一気に飲むんだよ。』

フィンランド人のすべてが こうなのか 私はちょっと疑う。

『でも 5人ともそうなんだから。 ごく自然に 世界の秩序のように 五人でコカコーラを一気飲み』
「でもそういう 似た者同士の仲良しの習慣なんじゃないの?』
「わからないよ。 だって 他にフィンランド人を知らないもの。
ドイツ人は 飲まなかった。 あいつはまともだった。』

そして また 狩猟に出かけたそうだ。
ビールを持って。

『ドイツ人は ビールを持っていかなかったよ。』
『ドイツ人ってさー ドイツビールしか飲まない ってひと 結構いるらしいよ』
『いや 夜 ホテルでは飲んでるんだよ。
鹿打つ時は 飲まないんだ。 まともだよ。』
『そして 昼ごはんの時にはさー ワインじゃなくて ジントニックだ。
ジントニック飲みながら 飯を食うんだ。
ドイツ人は ワイン飲んでた。 あいつ まともだったよ。』

寒い国の人たちの風習なのか。
彼らだけなのか。
次に フィンランドのひとが来るまでは 結果はお預けにしておきましょう。

でも 5人並んで (それも大きな男性が) 食事の後 コカコーラを飲んで
幸せな顔をしているところを想像すると ちょっと ニマッと 笑いが溢れる。








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# by cazorla | 2016-02-07 07:22 | カソルラ | Trackback | Comments(0)

達磨とお茶 

母はスペインに来る前に 百均で だるまを五つ買った。
目のない あのだるま。
一年 生きたら一つ目を入れるのよ。
10年生きる が 彼女の目安だった。
だるまは 家のあちらこちらに 散らばっていた。
目のあるのも 片目のも 両目のもいた。
年末 突然 片付けを始めて そして だるまさんは五つ
本棚に 並んだ。
両目を 描かれた五人の達磨。

そうか 10年目のお正月。

彼女の気持ちの中で 10年は一区切りされたのか。
それとも 一区切り しようと 頑張って掃除をしすぎて
ダウンしているのか。




夫の元教え子である Yさんから 年末にお茶が送られてくるようになった。
昨年暮で 三つ目のお茶が送られてきた。






とても美味しいお茶で 母は とても楽しみにしている。
お茶が来ると セグラ村で 有機栽培している小豆を買ってきて茹でる。
小さな あんぱんを作って いただく。
これが 毎年 暮の行事になった。

写真の左の青い 夏を思わせる柄が 今回のもの。

母は これ コレクションにするの と言う。

そう 3個ではまだ コレクションとは言わないから 
これからも 生き続けて お茶を待ちましょう。


小さな 達磨を 五つ 作ってみようかと思っている。
これから また 新しい10年に向かって。


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# by cazorla | 2016-02-04 18:27 | スペイン年金生活 | Trackback | Comments(4)

一人の部屋

公平な意見を言えば 母は父にそんなに親切ではなかったと思う。

父は 母より4歳年上だった。

屈強な病気しらずの男であった父は その特徴を持ち続け つまり 病気になった時

それと付き合う方法を持たなかった。

かなり 怖がっていたと思う。

多分 60になって 胃がんが発見され 二度手術をした。

大食漢であったから 胃に癌ができるのは当然と言えば当然であった。

二回目の手術で 胃を完全に取り除いてしまった。

そのあとも 食欲が特に減退したとは 言えなかった。

やはり 恐怖が心の安定を崩してしまったのだろう。

ある時期から 幻視が始まった。

虫が這っている。

爪の間から 虫が出てくる。

足の爪から。

爪を一日中 切っていた。

クリームをなすりつけ 爪を切り

スリッパや床をべたべたにしていた。

ふと ミミズさんの記事を読んで思い出した。

幻視。

まるで アルコール中毒患者のように 虫が見える。

それは アルコールを わずかでも口にしていた人たちの

共通項なのだろうか。

母はそういうことに寛大ではなかった。

ちっとも寛大ではなかった。

父は 母の誕生日に亡くなった。

『今日は 私の誕生日よ』

と 言った時

頭がちょっと変になっていた父が その瞬間には

とても普通で とても優しく笑って

おめでとう と言って それから急に息ができなくなって 亡くなった。

これ以上 母に迷惑をかけないための 誕生日のプレゼントのように

静かに 突然 死は訪れた。

母は 父とは違って 幻聴がある。

母の家の上は ペントハウス(アティコ)で そこには 65歳をちょっと超えた女性が住んでいる。

女性は かなり厚化粧で 恋人が いや ボーイフレンドが 数人いる。

一人は 背の高い トルコ人で 駐車場の指定されてない場所に車を置くので有名だ。

それから 歳をとった スーパーマーケットに一緒に行くボーイフレンド。

それから。。。。

まあ いい。

そういう風に いつも 男たちが そこに来る。

時として 彼女がいないので タバコをふかして その吸殻が母の家の前に落ちる。

ペントハウスのベランダで 男と話す声がうるさいと母が言う。

母は もう 耳が遠いので そういう声は聞こえないと思うけど

そうそう 彼女はモテるから とか 適当にいう。

お向かいの夫婦の夫婦喧嘩がうるさいという。

道は 普通の車道で 歩道もあるから かなり距離がある。

おまけに今は 寒くて 夜は 窓を閉め切っているので 聞こえるはずもないけれど。

私は 話しかけても 聞こえないことが多いのに 母は 聞こえない声を聞いて 不愉快になったり

楽しくなったりしている。

できれば 楽しい幻聴だけを聞いて欲しいのだけれど。


母は 若い時 シャルルボワイエが好きだった。

日本映画はほとんど見ず 洋画ばかりを見ていた。

そんな母だからか

母は スペインに来る前に ちょっとだけ 期待したというのだ。

恋人ができるかもしれない。

大きなバラの花束を持って 現れる恋人が。

スペインに住み始めて 2年目に 話してくれた。

『バカね。 言葉もできないのに そんなに簡単に 恋人ができるわけないわよね。

若かったら また 別だろうけど 歳をとっての恋は やっぱり 

話して楽しい相手 と ってことになるわよね。』


だから 幻聴は 上に住む女性の恋人とのむつましい会話であったり

お向かいの夫婦の口論だったりするのかもしれない。


一人の時間が多すぎるのだ きっと。

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# by cazorla | 2016-02-03 03:25 | 思うこと | Trackback | Comments(8)