村人生活@ スペイン

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マジョルキン

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スペインのゴミシステムは 大きなコンテナがあって そこに いつでもゴミを持っていける。
黄色が容器類 緑がガラス 青が紙 それから その他のゴミと 食用油 古着。

今日 ゴミ捨てに行ったら ちょっと 年上のセニョーラが ゴミのなかに棒をつっこんで 悪戦苦闘している。 
私もいちど ゴミ袋と一緒に手に持っていた鍵を捨てて 息子に頼んで撮ってもらったことがあるので そういうことかなっと思って 訊いてみた。 すると ゴミのなかに8部目入った香水の瓶があるのでそれを取りたいとのこと。 
あらあら と思ったが そうだ 『もったいない』ではないか とお手伝いした。 
私は基本的に 親切なのだ。
 棒と 厚紙を組み合わせて とってあげたらとても喜んでもらった。 

先日 リナレスの図書館でも 荷物を持ってあげた。
リナレスの図書館の建物はもともとスペイン銀行で 入り口は 五段くらいのはばのある階段がある。
 エレベーターはその上にある。 
だから 少し荷物が多いと その階段がなかなかややこしい。 
図書館の上は 市民カルチャーセンターで そこで 手仕事のクラスを持っている女性が クラスで使うものをたくさん運んでいた。 彼女は小柄だったので 階段でヒーフー言っていた。 だから エレベーターまで荷物を持って行ってあげた。
それで 手仕事のクラスに招待してくれた。 染め 織物 刺繍 いろんなことをしている。
そして その日はたまたまその方の誕生日で おいしいお菓子を持ってきていた。
おいしいお菓子は スペインの東にある島 真珠で有名なマジョルカのお菓子 エンサイマダ。
マジョルカ出身のご主人が作ってくれたのだそうだ。 
もともと お菓子屋さんをしていたのだが今は定年退職をして 奥様のためだけにお菓子を作る。
マジョルカ出身の人をマジョルキンと言う。 
ちなみにマドリッド出身はマドリレーニョ。
『私の主人はマジョルキンなのよ。
マジョルキンはね とぉぉぉぉぉおぉぉぉおぉぉおおおっても スィートなの。』
『あら いいですね。』
『あなたのご主人もマジョルキン?』
『いいえ マドリレーニョです。』
『あらあら どうしてマジョルキンと結婚しなかったの?』
『(苦笑)マジョルキンと知り合ったことがなくて』
『あらあら なんて運のわるいこと!』
『マドリッドですが スィートなんで。。。ボソボソ』
『でもね マジョルキンにはかなわないわ。
そりゃ スィィィィィートなんだから。
でも そうね マジョルキンと付き合ったことがないからわかんないわね。お気の毒ね。』
『ありがとうございます』(我ながらまぬけな応答)『
私は マジョルキンと結婚して とぉぉぉってもしあわせなの』

私は年上の 幸せな人たちと話すのが とても好きです。
時として かなり自己中心的ですが 幸せな あったかさが伝わってきます。



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広場の住人

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昨日 母とシネマパラダイスを見た。 みんなが いい いいとか 泣いた・とか言ってた時は糞と思っていたけど 今は 素直にいい映画だと思う。ただの田舎の映画館の映写機の光が出て行く穴がライオンの立派な口で そういうところが やっぱりイタリアだな と思う。 そして 頭のちょっとおかしい浮浪者がいる広場。 これぞ ヨーロッパの というべきか 南欧のというべきか。 そういうちょっとおかしげな人のいるスペースがある。 そして 彼らをそっと支えている風景。

カソルラにももちろん ちょっと 変わった人たちがいる。

以前 いた ラタ (鼠)と呼ばれていたアル中。

本名は知らない。

鍛冶屋だったそうだ。

かなりアーティストな作品を作っていたので 酔っ払っていても いつも顧客がいた。

酔っ払って しばらく呂律が回らないときも みんな待っていた。

あいつの作るものがいいと。

ちょっとこまったさんなのは 私がひとりで歩いていると

ベジャ デ カソルラ  カソルラの美女

と叫ぶこと。

夫がおもしろがって プリンターにベジャデカソルラとヘッドに出るように設定してしまい 私は知らずに 学校に提出するレポートをプリントアウトしてしまった。

村人たちはケチで 畑でできたものを 私たちには 市場の倍の値段で売りつけようとするくせに ラタには優しくて いつもフルーツをあげていた。

でもとうとう 数年前の冬に凍死した。

寒くて 煽るように飲んでそのまま眠った。

それからしばらくすると 新しい広場の住民がやってきた。

どうやら 広場の定員は一人らしい。

不思議なことに。

そういえば ラタが来る前にも一人酔っ払いがいた。

でも 新しい住民は アル中ではない。

若い時に 母親に閉じ込められて 頭がおかしくなったのだと教えて貰った。

彼はいつもこぎれいにしている。

洗って アイロンをかけた ちゃんとした服を着ている。

村人が せっせと洗濯をして 持ってきてくれるのだそうだ。

ちょっと歩き方が変なのと よく独り言を言ってるだけで

そして 歩きながら すべての人に挨拶する。

それから 忘れてはいけない住人がいた。

ニョニョ。

ニョニョはアントニオの愛称。

トニョと呼ばれる方が普通だけど ちょっとこまったさんの時はニョニョ。

ニョニョは 私がここに住み始めた時は まだ働いていた。

鉄でできた廃物を回収する。

いつも リヤカーを引っ張って歩いていた。

3年前に退職した。

今は なにが入っているか知らないが 大きな袋を担いでいる。

そして 広場にいる。

かれは 寝る家はあるのだと思う。

だれとも それについて話したことがない。

でも いつも 広場にいて だれかをつかまえて 延々と話し続ける。

かなり なまりがひどいので よくわからない。

あれは なまりではなく かれの独特のアクセントだと村人が言う。

とってもふとっていて 顔もまんまるい。


そして みんな 名前がある。

フルネームは知らなくても 一人の個人として 彼らは存在する。


そして いなくなるときに 人々は涙する。

名前があるから そこには 物語がある。

物語のある世界に住む幸せ。

これが 村人の生活です。




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僕はママを生まれた時からずっと知ってるんだよ。

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アルゼンチンの人気漫画 マファルダ。

チビちゃんが パパに 『僕は 生まれた時からずっと ママのことしってるから 嫉妬してるんでしょ』
って言ってる。
子供時代 世界のすべてが 親の存在につながっていて これがすべてだった。
だから これがいちばんの関係。
いちばん大事な関係だと思っていた。
でも そうじゃないんだよね。
たいせつな人に出会う。

夫婦って 不思議。
他人なのに 人生の時間の大半を占めている。
でも こわれてしまうこともある。
子供との関係は 悪くなっても
なにがあっても 親子である
という事実は変わらない。

夫婦。

考えてみれば 20年になります。
先日 お会いした方に 何ヶ月続くか かけをしてみんな負けた
とおっしゃていました。

わからないものだ

とも。

こどもたちは 年を重ねるにつれて 理解不能になっていくけど
夫婦は わかりあえることが少しずつだけど 増えていくような気がします。

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子供部屋

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 チェーホフの桜の園で 主人公が ああ これが子供部屋 という場面がある。

だれしも 帰る場所があるのは しあわせなことだ。

子供部屋

私の子供部屋はもうない。

母がここに来る時 家を処分した。

売るときは 母を連れてくることに夢中で

自分の子供部屋がなくなることを考えなかった。

私の子供部屋。

時々 目を閉じてそこにいる。

壁紙の模様をなぞる。

わたしの机。

わたしの本棚のことを考える。

娘が帰省していた。

昨年 娘は子供部屋を破壊した。

彼女は爆発し

額縁を叩き落とし

部屋中に ブラッシングスプレーを撒き散らした。

彼女はここを離れ

壁は新しく塗り直され

末っ子の個室になった。

サッカーチームのポスターが貼っている。

彼女はそこで眠った。

眠っている時そこには 彼女のおきにいりたちがもう一度 舞い戻っていたのだろうか。


失ってしまったもの。


うしなってしまったものはなんだったんだろう。




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