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人生は おとぎ話 に満ちている。

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ぺぺが マドリッドから カソルラに引っ越してきたのは 五十八の時。
国営テレビの脚本を書いていたのだから 仕事をやめて つまり 退職し 定年生活を
五十八で始めたのだ。 長年一緒にいた 妻と離婚し マドリッドの家を彼女にわたし 貯金を半分ずつ そして お城の見えるアパートを買って カソルラで一人暮らしを始めた。 長い間 どうして 妻とうまくいかないのだろう という疑問に終止符を打つ。 もうこれ以上考えないで 新しい生活を始めようと思う。 けっして 彼女のことがきらいだったわけではない。 ただ ある種の違和感があった。 娘は二人。 ひとりは大学を卒業し 働いている。 もう一人も あと一年で大学が終わる。もう これ以上働く必要はない。
カソルラでゆっくり一人暮らしを始めて やっと 自分自身にもどったような気がした。
そして ある日 出会う。 運命の人に。 心から 恋してしまう。 青い目が澄み切って 美しいその人に。 その人は 三十も年が下のバスケットボールのコーチ。 美しい顔と 美しい 筋肉。
美しい青年は その美しさのために 多くの女性に恋されてきた。 にも かかわらず 一度も 気持ちが動かされたことがない。 母と二人の暮らしをけっして変えなかった。 まもなく 三十になるというのに。 そして 彼も ぺぺにあった その日 恋に落ちてしまう。

二人とも自分が ホモセクシュアルだなんてかんがえたこともなかった。

こんな出会いもあるんだ。
人生は おとぎ話に満ちている。

ぺぺの妻から見れば これは なんて 趣味の悪い冗談のようなおとぎ話。
彼女は 彼女なりにきっと 努力したに違いない。夫のしあわせを。 
もっと あたたかい関係を望んでいたと思う。
この二十年の努力はいったいなんだったのだろう と思う。
二人の娘たちは それなりにショックかもしれないが 人生にたいする喪失感はないと思う。
父はやはり父に違いない。 大学生の娘は もう新しい父の恋人になれてしまった。 良い友達として接している。 年上の娘のほうは まだ 少し 違和感が 肉体的な拒絶感があって 新しい恋人に会えないでいる。

青年の母親はどうだろう。 自慢の息子だった。 たった一人の美しい息子。 自分よりも年のいった男のものになる それは 耐え難いことだろうか。
二年たった今では 一緒に食事をする。 息子のいない生活が耐えられなくなったから。


わたしは ただ ぺぺの前の奥さんが すてきな恋をしたらいいな と思う。
五十代だって まだまだ すてきな恋ができるよね。
Commented by mildpink at 2012-08-01 09:31
ずっと、ずっと前は、"オカマ"とか"ニューハーフ"と言うように、少し区別されていたようなのですが、最近は、普通に、そして、堂々と主張するようになってきたようです。みんなが、違和感を感じなくなってきたのかもしれませんが、カソルラさんのこの話には、ビックリ。 当人や周りが、もっとビックリしているのかもしれないですね。
男と、女と、、、、、やはり若い頃は、それなりの目で見ていたのかもしれないのですが、今は、その垣根も無くなってしまいました。 人間同士の繋がりになってきたように思います。 男性でも女性でも、違和感がなく『ご飯を食べに行こうよ』とか『飲みに行く?』と言えるようになりました。 
だからと言って、男性化した訳ではないと自分では思っています(笑)
だって、上手に歳を重ねた男性を素敵だと思うし、私も女性として、いつまでも可愛らしくきれいにしていたいと思ってますから (#^.^#)
Commented by cazorla at 2012-08-01 09:43
barramedaさん 
スペイン人です。 で ふつうにおじさんです。 柔らかい感じと センスのいい人っていうその雰囲気で なるほどな と思う程度。 ぜんぜんホモっぽくもないんです。 

>プラトニックな方へ。そしてそっちの方がエロいですね。
深いお言葉 実に実にです。 なぜ そんなことがちゃんとわかってしまっているのでしょう。 barramedaさんの年頃に わたし そんなこと知りませんでした。ほんとよ。
Commented by cazorla at 2012-08-01 09:49
mildpinkさん 
恋愛じゃないけど ちょっとすてきって思ってほしい ってあるでしょ? それも若い男の子に すてきって思われてるっと ちょっとうふふになったりしますよね。 でも なんにもなし。 すてきな人たちと 違和感なく 楽しくすごせたらいいですね。   
同性愛 日本でも ふつうになってきているんですね。 それでも やっぱり 元夫とか 父親とか が突然 カミングアウトすると びっくりしますよね。 特に奥さんだったりすると 自分の人生っていったい って気持ちになるのではないか・・・ 二人の出会いは奇跡的ですごいと思うんだけど 彼らと同じくらい 奥様が幸せですてきな気持ちになるような出来事が起きたらなって 心から思います。やっぱり 同性だからでしょうか。
Commented by mildpink at 2012-08-01 17:01
私は、最近気がついたのですが、若い子、、、、、男の子ではなくて、女の子が好きです。
モチロン、若い男の子も良いと思うけれど、なんとなく疲れるの。良い格好したくなるからかも ^^)
娘が二人だという事もあるのかもしれないけれど、若い女の子が可愛くてたまらないし、好き (笑)
それと、昔からなんだけれど、男性ヌードには、まったくと言って良いほど興味がない、、、、、って言うか、惹かれない。 デモ、女性のヌードは、ムフフ、、、、状態で、一所懸命に見ては、『うぅぅ~~~~ん、なかなか良いなぁ~』と思ってしまう。 これって、、、、、チョット、危ない??(爆)

このお話の奥様。。。。傷ついた気持ちを癒せるような事があると良いなぁ~
簡単に、癒せるものではないと思うけれど。
Commented by cazorla at 2012-08-02 01:59
mildpinkさん
>これって、、、、、チョット、危ない??(爆)
認識してるぶんには わはは 笑いました。 大丈夫。 でもわたしも男のヌードは 今ひとつですね。 筋肉ありすぎるのもなさすぎるのも 好きじゃないし。 女の子の 柔らかい線のほうが 美的な趣味にあいますね。 日本にいたときは 女の子が好きだったけど スペインは やっぱり男の子かな? 日本の女の子って 弱々しいくせに潔いんです。 そういうのが好き。 スペインの女の子って 強そうなのにもろい。 そして重い(笑) 娘にはもっと 潔くなってほしいと思うんだけど 環境って大事ですね。

奥様 二人 お嬢様がいて よかったですよね。 娘にいやされることが多いです 私自身。

Commented by chico at 2012-08-03 15:31 x
カルソラさん
面白いお話ですね。
ぺぺさんの心が本当に自由になった時が、
運命の人に出逢う時だったんですね。
やっぱり、何かを望んでいるときでなくて自分が自然に自分で
いられる時に素敵な瞬間が訪れるのかも。
またまたいいお話をありがとうございます。
Commented by hanaco at 2012-08-04 00:57 x
感慨深いおとぎ話。

カソルラさんのコメントの、お嬢様がいてよかったですよね、に共感。

身近な人の死も、思いがけない出来事も、娘がいることで、癒されることがたしかに、多いです、私も。


Commented by cazorla at 2012-08-04 02:51
chicoさん こんにちは
やっぱり 自分で自分をコントロールしてたんでしょうね。 自分の心に正直であることが結局は 人を傷つけないで住むことなんだと思います。 嘘をついて 結婚して でも違うなってずっと感じてたっていうのは 奥さんに対しても 誠実ではなかったってことですから。
Commented by cazorla at 2012-08-04 02:52
hanacoさん
こんにちは 
娘の存在って 大きいですよね。
わたしも 娘がいることで バランスをとってることってありますね。
Commented by おーやま at 2012-08-16 04:51 x
私も 奥様の方も 覚醒されて 自由になっているといいなと思います。

50代なんて恋盛り。まだまだいい恋ができます!

こんな形でショックではあるけれど、人生に何でも起こりうるんだ
って体験で知った人は、その気になればすごく自由になれると思う。

奥さまもいい人生を歩んで欲しいなと強く願います。
Commented by cazorla at 2012-08-16 06:42
おーやまさん
そうですよね。 ほんとの意味で自由を勝ち得た人って
魅力も増すしね。

すてきな恋 できますよね。
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by cazorla | 2012-08-01 09:07 | カソルラ | Comments(11)

あなたに会いたくて・・・・


by cazorla