中国人と日本人

先日 紹介した中国人の新しい友達。 スペイン人の彼ができて スペインに住むことを決心していたのに 結局 仕事がうまい具合にみつからず 彼のほうが 中国に行く ということに決まった。
なんて 勇気あるスペイン男性。
パッション。
友達の両親は 野蛮人との結婚は許さんと そう昭和の日本を思わせる雰囲気。
おまけに 4人兄弟の末っ子。
かわいがられて育っている美しい一人娘です。

彼女と出会うとついつい話し込んでしまう。
こういうのを ガールズ・トーク と言うのか。
彼女はまだ二十代前半。
娘と言ってもいい年。
それでも 話はつきない。
彼女は そういうことはどうでもいいみたい。
彼女といると ほんとに この肉体は ただの魂をいれるための袋にすぎないのだと思う。
袋には 色々な札がついている。
国の名前だとか そういうもの。
でも 魂は きもちよくつながれる相手を素直に見つける。

中国人の友達はいっぱいいるのでしょ と訊く。
知り合いはいっぱいいるけど 話ができる人は少ない。
私たちは スペイン語で話す。
共通のことば としての スペイン語。

中国語で話すほうが たのしいのではないか とつい思う。
でも そうだ 私も日本語で話せれば誰とでもいいわけではない。
魂の袋は それぞれの母語を持つけど
でも 魂は ことばを超えて 話す。

あっと いう間に 時間が過ぎる。
この感覚。

中国人は中国人同士で つるむから嫌い と彼女は言う。
国籍なんて関係ない。
その人の価値観 感性のほうが大事。
心を閉じて 相手を見ないで 自分の世界から出てこようとしない。
スペイン人ともつきあおうとしない。
なんで スペインの大学で勉強しているのか その理由がわからない。

あ この人は中国人だな と感じた瞬間がある。

ウェイトレスが 英語で話しかける。
彼女は スペイン語で答える。
ウェイトレスが また 来て 英語で話しかける。
彼女が スペイン語で答える。
何度かして 
「あなたね 私たちが スペイン語で会話しているのが聞こえてるでしょ?
あえて 英語で話しかける理由があるの?
その上 私のほうが あなたよりずっときれいなスペイン語を話せるのに
私は客で あなたは 私たちにサービスしている立場なのよ。」
と なんとも 美しい英語で 怒鳴った。
彼女のプライドの高さにびっくりした。

これが中国人なんだ。


海外在住の日本人たちは チャイニーズと呼ばれることを嫌う。
私たちは日本人なんだという 誇りが それを拒絶する。
でも 中国人である彼女たちには その逃げ場がない。
私たちが チャイニーズと言われることを嫌うのは
その言葉に ある種の侮蔑がこめられているからだ。


その後 彼女はゆっくりと歩きながら 私に訊く。
「私を見る あの目つき見た?
ああ言う目で見るの。
道で 見知らぬ人が そういう目で見るのは勝手だけど
バルで 傅いているウェイトレスが 私をそういう目で見るのは許さない。」

大切に育てられた彼女の差別のつらさは 私の感じてるもの以上なのだろう と思う。


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Commented by t7moko at 2013-08-02 15:01
国外へ出た時に初めてシノアと言われた時の事を思い出しました。
私は、正直不愉快な気持ちになったんです。
でも、そういう気持ちになった自分が嫌になった。
これが例えば、ヨーロッパの人や中東の女性に間違えられてもきっと悪い気はしない。
でもシノアと呼ばれる事は不愉快になる。
中国人は好きなのに。
なんだか、私はマダマダだなと思う。

Commented by inuman at 2013-08-02 22:17 x
>袋には 色々な札がついている。
>国の名前だとか そういうもの。
>でも 魂は きもちよくつながれる相手を素直に見つける。

まるで昔の村上春樹を読んでるみたい。
文体も、視点も。

お暑うございます。
その後お変わりごーざいませぬか?
Commented by cazorla at 2013-08-03 06:53
t7mokoさん
やっぱりことばって それが抱え込んでるもの
そのことばに 潜んでるものが ことばそのものの意味より
激しく 心をゆさぶると思います。
だから 私の友達は中国人だけど 中国人って呼ばれることをすごくいやがる。 私たちの住んでるハエンは 観光も一歩おくれてるいるせいか 他の地域よりいきなり チナって呼ぶ確率が高いです。 
不愉快な気持ちになるのは 当たり前。
だって 中国人の友達だって不愉快な気持ちになるのだもの。

Commented by cazorla at 2013-08-03 06:58
inumanさん
昔の小説みたい?
うれしい。 本人 気づいてないんだけど。
やっぱり 初期の春樹にすっかり影響されてるのね。
初めて 風の歌を聴けを読んだときは なんていうか 感動とかそんなのではないのね。 しっとりと体になじんできたなって そんな感じ。 いい文章だなと思った。で あの時代は けっこうたくさん作家が出ては 消えていったので こんなに大家になるとは思わなかった。 まだ 十代だったから 群像を立ち読みして その後は 忘れていたら 毎月買っていた宝島に 午後の芝生が載っていて この文章だぁって。 その時 作家名をしっかり頭に焼き付けたのでした。 

久々のコメありがとうございます。 こちらそんなに変わりなく。
そちらはいかがでしょう。
Commented by coppoumon at 2013-08-05 20:38
まだ、東ドイツだった頃、ベルガモン博物館で、どこの人間か?と聞くので、どこだと思う??と問い返すと・・う~~ん、カンボジアンだろ、と言われました。

なるほど・・

ジャポネだ、というと、とても珍しい、と。

1983年頃の話です。
Commented by yumifukui at 2013-08-06 00:20
こんにちは。先日マルシェのお店にきたアジア系の女性に、仏夫はわざわざ、シノア、中国人ですか?と尋ねていました。その女性は「ノン!タイワニーズ!」台湾人だとちょっと憤慨気味に答えてました。私は台湾人と大陸系の中国人との区別をつけたい彼女の気持ちもわかります。が、夫氏の「台湾人だって中国人なのに、わざわざタイワニーズって言う必要はない」と言う。

おっしゃるように、中国の人にとっては逃げ場がないと思います。
ある意味気の毒ですね。
Commented by cazorla at 2013-08-06 06:15
coppoumonさん
その方 すごくマニアックというか よく知ってるのですね。
このスペインのだと カンボジアなんて出てこない。
私 カンボジアの人とラオスの人は まだ区別できないような気がします。 タイとベトナム インドネシア。 マレーシアもちょっとむずかしいですよね。 インド出身とか中国出身とか 色々だし。 
ジャポネがめずらしい? カンボジアの移民が多かったのでしょうか。
Commented by cazorla at 2013-08-06 06:22
yumifukuiさん
コメント ありがとうございます。

中国って 五百以上のエスニックが集まってるから 実は 私は漢民族だとか(実は 五百というのは聞いたのですが 民族の名前が今ひとつですみません) なんたら民族だとか 言いたい気分もあるのかもしれないですね。 というか そうなんでしょう゛ね。 言葉だってかなり違いがあるし。 

できれば やはり 何処出身って きくのが一番ですね。
カソルラの田舎に住んでいると ずっと そんなこと訊かれず 中国人。 日本よ と言っても ある種の人には同じことだし。
ここより離れたちょっと都会に行って 初めて どこ出身ですかって訊かれたときはうれしかった。
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by cazorla | 2013-08-02 04:37 | 思うこと | Trackback | Comments(8)