悲しみはかじりかけのりんご

悲しいことがたまにある。
当然と言えば当然。
私は母として 年を取り損ねている。
いまだ 小娘である。
だから 小娘的に 悲しむ。

娘が家出した。
寺田寅彦の家出のすすめ。
家出もそんなに悪くない。
それでも自分の娘だと かなり悲しい。
結局のところ
一晩で帰る。
その程度。
でも 仕事も見つけて来た。
もちろん かなり ひどい条件。
もちろん 働かない。
ここで 賢い母なら 働かせて 世の中の理不尽を教えるべきか。
17才。
自分の17才は もう少し硬派だったと思う。
荒畑寒村を読んでいた。
娘はもう少し違う。
女友達なんて けっ と思っていた。
娘は違う。 アミーガと一緒。 人気者になりたい。
いらつく。
いらつく 母に いらつく。
爆発する。
母はひとり取り残されて 谷川俊太郎の悲しみはかじりかけのりんご ただそこにある
と つぶやいてみる。

悲しい気持ちになって 息子に質問する。
息子はあと一ヶ月半で15才。
普通の子はそこそこ肉体的に大人になりかけだが 彼は今のところ プレ思春期といったところ。
まだ 肉体的変化はない。

「ねえ ママを悲しませるようなことを あなたもするかしら?」

「たぶん しないと思う。 悲しみが何か にもよるけど。
ママは僕を悲しませるようなことをする?」

「あなたにとって 悲しみって何?」

「Perder」 と 一言。 動詞。 失う、負ける。。。。

「ママが死ぬこと?」

「それは最悪な悲しみだね」

「いなくなること?」

「失われた存在になること」

「失われた存在?」

今いる場所のほんのひとすじの切れ目の間から 違う世界に陥るかもしれない。
悲しみによって 失われるのか
失われることによって 悲しくなるのか。

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山で 枯れてしまった木が一本。
同じ場所で 同じ条件で 喪われてしまった物。
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Commented by mi-mamam1 at 2013-08-23 09:10
小娘的に悲しむ母親・・・共感いたします。
私もいつまでも青い女で、母になりきれていないのかと思うこと、しばしばです。

失われた存在とは、また深い。

挑んでくる、イライラをぶつけてくるうちは、まだそこに母はちゃんと存在しているということ。

彼ら、彼女らが思春期に乗り越えれには手強い相手なんでしょう。

いつか、笑い話になると信じて、凌いでいきましょう。不安定で辛いのは彼ら、なのです。母はドンと構えていれば、、、これがなかなかできないのですけどね。だから、小娘的に悲しむ。私も同じです。
Commented by cazorla at 2013-08-23 15:20
mi mamam1さん
先日 幸田露伴の娘さん文さんのエッセイを読んでいたら 近所のおばあさんが孫にばかにされて泣いてる話。 おばあさん 55でした。 未亡人で孫の世話をしてるのに 尊敬されていない 食べるとき 鼻が動くと笑う とか・・・。 
今は 子供を産むのがおそいから。 で 気をつけて 着るものや見た目もそこそこ。 でも 実は ホルモンのバランスはくずれていて 思春期の子供の親をするには体力が・・・。 精神的にも ですね。 うーん がんばりましょう。 あと 少し。 小娘でちょっときずつき安い でも それもよく言えば感受性。 
Commented by t7moko at 2013-08-23 23:36
私が、上京した時の事を思い出しました。
家出ではないけれど、その時の母の心境は寂しさでいっぱいだったよう。
上京してから数日後に届いた、母からの手紙にはこう書かれていました。
「掃除をしに2階へ行くと、あなたがいたはずの部屋に何もなくなっている。それを実感すると寂しくて涙が出る。」
それまで、地元を離れる事を強く私に勧めていた母だったので
寂しいと書かれた手紙を読んだ時に、母である前に女性であり私に対して複雑な感情を常に持ち合わせていると分かりました。
感情を思い切りぶつけてくる母に頭に来る事もあり、派手な喧嘩をいまだにする。
でも母という存在はとても偉大でかなわないといつも思い知らされる。
娘さんもカソルラさんの事大好きなんだろうなと感じます。
Commented by cazorla at 2013-08-24 06:45
t7mokoさん
今回は かなり・・。 高校もやめるって言って こっちは鼻で笑っていたら ほんとにいなくなるし。 どうせ 一晩なんて 思っても やっぱり その一晩になにがあるかわかんないし 息子だったら 一週間くらいいなくても なんてことないと思うんだけど。
それって ふるいのかな。。。
でも うちの母も やっぱり 私が一人っ子だったから かなりかなしかったみたい。 いまは ちかくに住んで 毎日 会える。 この間 母がしみじみ 私たちって縁があったのねぇ と言うの。 あ そうか 親子でも 縁がないと 結婚してから 会えなくなったりするのねぇ
Commented by t7moko at 2013-08-24 14:22
cazorla さん

全然古くないと思う。
気の利いたコメントが出来ないことが歯痒いので、近いうちに少し心が和むような何かを送ります。
Commented by keymyall at 2013-08-24 15:20
娘さんの事を思うカソルラさんの気持ちを考えたら、、、なんか、胸がきゅんとして、、、、、、苦しくなった。

優しい娘がいて、母を気遣う娘がいて、、、、一緒の思い出を作りに旅行をして、、、、
でもね、娘たちが36歳と31歳になるまで、、、、それなりに、私も辛い時期がありました。
辛い、、、、って言うのか、、、、、なんだろうか??
こんなに愛しているのに、こんなに大切に思っているのに、、、、、この気持ちが娘に伝わらない苦しさ。 イラつく私を感じて、イラつく娘。 思いっきり抱きしめたら、娘は思いっきり壁を蹴り穴が開いた。
その穴は、ずっとそのままにいつまでも残っていた。
廊下なので、必ず皆が通る。
ずっとほっといた。
それを見て、娘は何を思ったか。
そして、私はそれを見るたびに、心の傷が深くなり、、、、、
高校生の頃の娘と私の話です。 何歳だったかなぁ? マリアちゃんと同じくらいかな?

カソルラさんが、いつか、誰かに、素敵な文言で 慰めてあげられる日が来ることを、心から、祈っています。

簡単に『大丈夫よ。 あなたなら乗り越えられるわよ』なんて、言えないです。
Commented by cazorla at 2013-08-25 07:07
t7mokoさん
ありがとう。 
実際には 笑ってる時間もいっぱいあるし 
娘と今日は焼きそば食べたり。
関係が密すぎるのかもしれません。 反省。
実際は 自分の理想としている自分とのギャップにいらついてるのかも。 母親って あほなのよ。
Commented by cazorla at 2013-08-25 07:09
keymyallさん
ありがとう。
お嬢さんの 気持ちの中に ある種の矛盾があって
爆発したのね。 娘もそうだと思う。
爆発。 私も爆発しそうになるし。 笑
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by cazorla | 2013-08-23 08:42 | 思うこと | Trackback | Comments(8)