洗面器とスマートフォン

金子光晴の「洗面器」という詩を読んだことがありますか。

( 僕は長いあひだ、洗面器といふうつはは、僕たちが顔や手を洗ふのに湯、水を入れるものとばかり思つてゐた。ところが爪硅(ジャワ)人たちはそれに羊(カン ピン) や魚(イカン)や、鶏や果実などを煮込んだカレー汁をなみなみとたたえて、花咲く合歓木の木陰でお客を待ってゐるし、その同じ洗面器にまたがって広東の女 たちは、嫖客の目の前で不浄をきよめ しゃぼりしゃぼりとさびしい音をたてて尿をする。 )


洗面器があらわしているのは 多目的な存在。
一つの目的で存在しているのではなくて 
 例えば 洗面器で カレーを作ったり 洗ったり 小用したり。
 多目的存在というのは オリエンタルなものなのではないかと思う。
 日本の家も 襖を取り払って 宴会をしたり 布団をしいて 寝室にしたり。
多目的は多神教に通じるか どうか
 一神教の世界の固定された 役割分担された ものたち。
西洋化して 日本は 植民地を得ようとして 戦争が始まった。
西洋化して 失われたもの 喪失感 寂しさ。
 寂しさを埋めるために始まった戦争。

一つのものを色々な用途に使っていたプリティブな時代が懐かしく
 寂しさを感じるのかもしれない。
だから 今 多目的な存在 携帯電話は かつての洗面器なのかも。

無表情になりつつある子供たちが 握り締めている。


 寂しさを 埋めるために。

 反戦の詩人 金子光晴
[PR]
トラックバックURL : http://cazorla.exblog.jp/tb/21739479
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by antsuan at 2014-03-05 07:42
洗面器を洗面器としたのは日本人だけだったのではないでしょうか。日本は昔からもっと器は豊富に有ったでしょうから。
でも藤原正彦も同じように嘆いていましたね。
本を持つのをやめて携帯を持つ若者を。
Commented by kind1959 at 2014-03-05 18:53 x
昔がよかったとは言いたくないですが、私が子供の頃、親は特別に怖い存在であり、好きではなかった。子供どうしては喧嘩はしょっちゅうあって、お互いの距離を確かめ合っていたと思います。ところが近頃じゃ、親が子供に嫌われたくないがため、友人関係のような親子、喧嘩なんて無いし、まして殴り合うなんて無い。人同士の間合いが分かりづらくなってきたところに、忍び込んできたのが、ケータイだと思います。器はいろんな使い分けをして来たのがニッポン文化だと思いますよ、水が豊富にあったってこともひとつの要素でしょうか。とまれ、なんでもケータイに頼るってのは、おっしゃる洗面器ってことでしょうかねぇ。思いついたまま書きましたお許しあれ。
Commented by cazorla at 2014-03-06 08:41
あんつあん
どうなんでしょう。 アジア経済研究所の方がインドネシアに赴任して洗面器だけの生活をしていると言ってました。 うーん 素晴らしい。 日本も貧しい時代はどうだったのでしょうね ほんとに貧しかったんですから。
Commented by cazorla at 2014-03-06 08:45
kind1959さん 
距離のとりかたが難しくなってますよね。 うちみたいに三人兄弟でそだってるのが 少数派になって 一人っ子どうし 関係するでもなく ちかよらず でも ひとりはいやと言う。 意外と日本の携帯普及率低いのだそうです。 スペイン すごいですよ。 田舎は特に
Commented by organicfarmvlc at 2014-03-07 03:32
距離感って本当に難しいです。日本にいた頃はビクビクしていたけれど、スペインに来てから馴れ馴れしくなりました。スペイン人からの好影響かな? 褒め上手なスペイン人、自己評価も高い分、他人にも優しい。もちろん違う人もいるけれど。。。 携帯電話、もう電話として使う人少なくないですか? 娘はあまりしないほうだけど、電話で話せばあっという間にケリがつくことでも、タカタカとキーボードたたいているのを見るとイラつきます。(笑)
Commented by cazorla at 2014-03-08 02:21
organicfamvicさん
そうそう 電話だと 二分ですむことを タカタカやってる。 で返事をまた待っていて。 イラつくぅ。 わかります。 距離感 国によってもまちまちですよね。 慣れてくると スペインはらく でも つかれている時は 外に出るのが面倒なときも
名前
URL
削除用パスワード
by cazorla | 2014-03-04 08:49 | 思うこと | Trackback | Comments(6)

あなたに会いたくて・・・・


by cazorla