悲劇の主人公になってしまったら

この夏はたくさんのできごとがあった。

カソルラ村は いつも話題にこまらない。

悲劇も そんなに近しくない人 くらいの距離だと 楽しんでるのが目に見える。

こういうのが村の磁力というものなのか。

いくつかの事故 (ひとつは 私の目の前でだった) 自殺した人

いくつかの自然死

そして 夏の終わりを告げる時

裏の家から火が出た。

石の家であるから もえてしまうということはない。

ほぼ 家具類のみ。

火の感じからして ガスではなく 電気システムの問題のようだった。

システムをおおうプラスチックのこげるにおいがした。

裏の家には 退職したおじさんと 28の時に心臓の手術をしたおばさん

60代半ば過ぎの夫婦が住んでいる。

あまりに興奮して まだ 電話をかけていない。

うちの夫が電話する。

サイレンの音が響く。

叫び声。

アンダルシアの小さな村は昔ながらに道が狭いので 

窓から煙が入ってくる。

窓はしめなさい と 子供たちに言っても

彼らの好奇心はおさえられない。

においに弱い私は そのまま ぐったり眠りにつく。

夜中に目が覚めて トイレに行く。

頭はまだ朦朧としている。

半分 ねぼけて マドリッドに住んでいた時とさっかくする。

マドリッドの家の大きなバスルームにいる気分で 立ち上がり歩く。

そこには 広い空間があるはずだった。

バスタブにぶつかる。

おもいきりぶつかる。

ぶったおれる。

ぶっ倒れて 重力の方程式が一瞬 頭をよぎる。

その瞬間 もしくは その前だったのかもしれない。

顔をしこたまぶつける。

顔が ぐしゃっという音を立てたような気がした。

ジョニーは戦場に行った という 映画を思い出す。

顔じゃないよ心だよ

と言ったって 心だけでは 存在できない。

顔がなくなったかと思った。

しかし

その反対。

倍の量にふくらんでいた。

悲劇は大きさじゃない。

どのくらい自分に近い所で起きたか。




ふくらんだほっぺで母に会いにいく。

心配させたら悪いな と 思いながら。

87の老母は ふくらんだほっぺを見て

ひとこと

『かわいい』

夫と子供たちに話して 笑う。



次の日 また 母に会いにいく。

『昨日 かわいいなんて胃って 悪かったわね。

なんか あとで考えたら 悪いこと言ったかなって 気にしてたの』

悪くない おもしろかったと答える。

『でも それ もとにもどるのかしら』


ぐさっ


もとにもどらないと困ります。

まだ 痛い。





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Commented by leona at 2014-09-19 17:22 x
顔はきついですね…。
打撲した時に他のどの部分よりも痛そうです…。
せめて、目や歯じゃなくて良かったのかも?
お大事に。
Commented by barrameda at 2014-09-19 17:29
僕の知人も数日前に他界いたしました。
人って思いもかけないタイミングで亡くなります。

お顔、早く良くなる事お祈りしております。

あ、話が違うんですけどドニャーナが見える地域に住んでる人でアペジードがrinっていう人多いです。やまねこの。
Commented by antsuan at 2014-09-19 23:45
いやいやいや、お大事に。
Commented by cazorla at 2014-09-21 01:24
leonaさん こんにちは。 コメントありがとうございます。
外に出るのが ちょっときつい。 夫が DVではないと みなさんに言うようにと 笑 もう少し若かったら 気にしたかも。  今 黒に変色しています。 
Commented by cazorla at 2014-09-21 01:29
barramedaさん 
つなぎとめるものが ふっと緩くなる瞬間ってあると思います。 そのときにだれかが しっかり つかまえてくれるかどうか。 そんなこともたまに考えます。

やまねこがらみなんですねぇ。 なんかもののけ姫に対抗できそうでいいですね。 犬神家のなんたら ってありましたけど 犬神って名字も実在するのでしょうか。 猫田さんがいたらいいな。
Commented by cazorla at 2014-09-21 01:29
あんつぁん ありがとうございます。
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by cazorla | 2014-09-19 03:23 | しょうもないこと | Trackback | Comments(6)

あなたに会いたくて・・・・


by cazorla