太宰の嫌いな高校生だった。

太宰治の遺書が発表されたそうだ。

太宰が嫌いです。

歴史に残るほどの文豪かと 子供時代から 疑問を持っていた。

だいたい 太宰を喜んで読んでるタイプの文学青年が嫌いだ。

太宰の文庫本を持って スペインにバックパッカーで来るようなやつが嫌い。

駅で くらい顔で 太宰を読んでる。

旅をしていて 誰とも口をきかず たまに 行商のおばさんとわかった風な笑い声をあげる。

そのくせ ちょっと惑い気味の日本人の女の子が 何か訊いても知らん顔してる。

そういうタイプ。

さも旅慣れているように。

さもことばがわかったふうな。

女の子は ちょっと不安だったのだ。

乗るはずの電車が来ない。

スペイン語はほとんどわからない。

旅に来る前に 大急ぎで 覚えた幾つかのフレーズで宿を探している。

その程度。

駅の放送は 2ヶ月近い 旅の間に少しわかるようになった。

でも 今言ったことがよく聞き取れなかったので 太宰の本を持って 行商のおばちゃんと笑ってる男の子にきいたのだ。

その時 また 放送があった。 

自分の乗りたい電車の目的地の名前と30分ということば。

どうやら 30分遅れて 今 到着します と言ってる。

アンデン ウノ

走っていかなくちゃ。

女の子は 重い荷物を持って走った。

男の子はまだ行商のおばちゃんと笑っている。

どうやら 彼女の乗る電車に乗るのではなさそうだ。

電車が到着して やっと ほっとして 席についた。

もうすぐ 発車 というとき。

男の子が走ってきた。

じつは 彼も たいしてスペイン語ができない。

放送がわからなかったのだ。

わからないことを 小娘に知られたくなくて 冷たくあしらっただけ。


そう 彼は太宰を持っていた。

あれは25年前 スペインを旅行した時のこと。

これは 私の偏見です。

でもね 私は太宰が嫌いです。

桜桃を買って 愛人と食べる。

当時の桜桃は高かったと思う。

妻にお金の苦労させている。

子供達にも食べさせたいと 良心が痛む

妻の胸のくぼみを 涙の谷などと呼びながら。

痛むくらいなら 食べなきゃいい。

それはジレンマでさえない。

で 遺書には 本妻の美智子さんを一番愛してます

と書いてあったそうです。

で そんな遺書で 愛してると言われて 嬉しいのだろうか。

私だったら むしろ 怒り狂うと思う。


というわけで 私は太宰が嫌いです。

太宰と志賀直哉が嫌いだと 子供時代 学校の国語の時間がつらかった。

国語の教師に君は文学がわかっていないと言われた。

たぶんそうなんだと思います。

ただ 太宰は 男として嫌い。

たんに 好きなタイプ嫌いなタイプの話なので 太宰好きの皆様 怒らないでくださいね。




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Commented by barrameda at 2014-10-23 09:33
雰囲気、伝わってきました。
きっと檀一雄を読んでいたら違った青年だったに違いないと。
スペインに行くんだったら、僕なら迷わず壇です。

子供の頃、月に数回本妻の美知子さんにお会いしてました。
とても柔和なおばあさまでした。
Commented by cazorla at 2014-10-23 16:49
barramedaさん 
檀一雄は ちゃんと 相手を愛していた人であろうな と思います。
で それが 書くものに投影してるし 書くことと愛することがかさなってるけど 太宰は 逃げ場だったのではないかと。

そうだ 太宰は 岩手でしたね。 柔和な方でないと 太宰の本妻なんて 勤まりませんね。 『私の太宰』なんて つまらない本も書いてらっしゃらないですね。 素敵です。ヘミングウェイは 妻や愛人 子供達 いろんな本が出てしまったらしいですが。 そういえば吉行も。
Commented by おーやま at 2014-11-05 18:55 x
あのね、かそるらさん

私何てね、太宰大嫌いでかそるらさんと全く同じだけど

いっこも彼の本読んでない。

噂聞いて写真見ただけで気分悪くて。

でもその表現力は、ものすごいと言わざるを得ない。
Commented by cazorla at 2014-11-05 19:30
おーやまさん

走れメロスは オブリガトリオではありませんでした? 私世代だけ? あのまじめさがきらいだったけど。 その後 桜桃読んで。 母は全部読んでる。斜陽とか。 斜陽の会話は上品だが いい家の女中の喋り方だ とか色々批判をその後読んだ。 で 三島も実は好きではない。 でも読んだ。 私はまじめなのかも。 で 読んでないおーやまさんのいう 表現力って?
Commented by おーやま at 2014-11-12 22:39 x
あはは。読んでないのにその著作の周辺だけで
(顔写真とかまわりの評価とか)
これだけ私を気分悪くさせる

そういう生き方を含めた表現力。

走れメロスはだいたい流れは知ってる。
もしかして何かの作品は読んだかもしれないけど
自分から手を伸ばした記憶はないです。

斜陽は妹の部屋にあったんですけどね。
たぶん、読んでないはず。

三島は大学の専攻で担当教官の研究対象だったので何冊かは。これも嫌な感じがしたけど、その後三島のエッセイを読んだらそれは面白かった。

私ってほんと穴空きでしょ。
評論は読んでても本作読んでなかったり。

呆れて友達やめないでね。
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by cazorla | 2014-10-23 09:16 | 思うこと | Trackback | Comments(5)