バスの中で じっとしていられない子だった。

長女は ほぼ じっとしているのが苦手な赤ん坊だった。
だいたい 生まれた時に白いきれいな新生児用の服を
タクシーの中で 脱ぎ捨ててしまうくらい
動き回った。
まるで 地上で マグロを抱きしめているように感じた。
まさしく鮪。
一月の寒い時期に タクシーの中で裸になってしまう赤ん坊が存在する。
これが 彼女の本質。
『美しき天然』ということばがふと頭をよぎる。

 空にさえずる鳥の声

峯より落つる滝の音
大波小波とうとうと
響き絶やせぬ海の音

聞けや人々面白き
この天然の音楽を
調べ自在に弾きたもう
神の御手(おんて)の尊しや


私たちはその頃新宿に住んでいた。
西武新宿線の下落合。
小滝橋からバスに乗って 上野に行く。
バスに乗ると 動きたがるし 
動けないと 泣いたり叫んだりする。
夫が ライターを出して 娘の襟元から 服に入れる。
ライターはするりと落ちて スカートからすとんと落ちる。
それが なぜか 彼女の『笑い』の糸にふれて
ケラケラと 笑う。
何度もそれが繰り返される。
ケラケラ
するとそばにいた青年たちが言う。
『外人の子供ってよく笑うよな』
それは素直な観察で
素直な意見なんだけど
でもね
そうじゃなくて 笑わせる夫の存在がポイントなんだよね。
つまり『外人の夫』は 笑わせるのが上手なのだ。
こどもが 泣いたり叫んだりするのが
人に迷惑になるからどうにかしたい というのではなく
自分の娘が泣いている つまり 不幸な状態であるのが いやだから
彼女が 幸せな気持ちで 過ごして欲しいという ただそれだけの願いで
一所懸命 笑わせている。

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あのころは 車を持ってなくて こどもを連れて どこでもバスに乗ったり電車を乗り継いで
とにかく どこにでも 行っていた。
この間 ものすごくひさしぶりに マドリッドのイケアに行った。
記憶よりも ずっと遠かった。
マドリッドに住んでいた時は 子供達三人を連れて バスを乗り換えて
ここまで来てたんだ と 驚いてしまった。
まだ 若かったんだね と夫と言って
もう 今では できない
そんなことを話した。

だから 私は 電車やバスで 泣いてる子を見ると
ついつい 遊んであげる。
親が相手だと泣いてしまう子も 他人にあやされると
その珍しさに ニコニコしてしまうことが ある。

だから あなたも もし どこかで 泣き声を聞いたら
うるさいなー なんて思わず 遊んであげてください。
きっと うるさいなー なんて思っていらいらしてるよりも
ずっと幸せな気分になれると思います。













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Commented by BBpinevalley at 2015-07-18 11:53
素敵な写真ですね。
ほのぼの。
Commented by barrameda at 2015-07-18 13:45
暖かそうなセーターで赤ん坊と本を読むって気持ちの余裕がないと出来ませんよね。
もちろん一字一句を読むような読書は別ですが、育児で疲れていると写真集なんかでも読めませんよね。

マリアちゃんはもうこの頃からマリアちゃんのお顔をしてるんですね。
ご主人、この頃ケヴィン・コスナーに似てますね。
アースカラーを選ぶ男性って誠実な印象です。
Commented by anohiwa at 2015-07-18 15:29
私は、小さな子が大好きです。
長女が嫁いだ時、孫の誕生を心ひそかに楽しみにしていましたが、叶わず、気が付いたら、小さな子を意図的にではなく見なくなっている自分に気が付きました。 自分には、望めない世界だとどこかで諦めていたのかもしれません。
でも、泣きじゃくる赤ちゃんや、ぐずる子どもを見ると、ついちょっかいを出してしまっていました。

少し前の話になりますが、ある著名人が、飛行機での出来事として、自分の席の近くにいた赤ん坊が、ずっと泣き続けていて、不愉快きわまりなかった、、、と何かで呟いた所、大反響でした。 高いお金を出した席なのに、どうしてくれる!! って。 賛否両論でした。
私、その赤ん坊の母親がどれほど恐縮していただろうか、、、と考えたら あの密閉された空間で四苦八苦したのではないかと気の毒に思いましたし、赤ちゃんも、辛かったと思うと可哀想に思いました。近くにいた方が、チョットでも、あやしたり、気持ちをそらしてあげたら、違ったのかも ^^)
マリアちゃん、、、、そうでしたか(笑)
ウチの二人の娘は、すっごく大人しくて、どこに連れて行っても私が困ることはなかったです。
ウチのおチビさんは、、、、、どうなるのかな? (´艸`*)
Commented by sakura-saku-tiru at 2015-07-18 19:08
私の友人に、子育て支援をボランティアでしている人がいて、いつも、何かしら手作りの楽しい小道具を携帯しています。バスとか電車とかで機嫌の悪いお子さんと、すぐに仲良しになるように。

私は、公共のお婆ちゃんを目指しているの、と。

素敵だな。真似したいです。
Commented by cresc-moon at 2015-07-19 03:05
示唆に富んだ話やなぁ。
子育ての教科書みたいな。
子供と関わるにはセンスが必要と言われるけど、まさにそうかも。
父親も母親もいいから、良い子が育つんだな。
羨ますぃ。
Commented by cazorla at 2015-07-19 06:25
> BBpinevalleyさん

いい写真でしょ。でしょ でしょ。
好きなんです。 でもね 夫ったら 顎の線が太った人みたいだからいや
なんて言うんです。 

Commented by cazorla at 2015-07-19 06:33
> barramedaさん

マリアはお腹にいる時から ほんとにマリアでした。
夫が近づくと蹴ってたし。 ほんとに蹴っていて
痛いって言うくらい。
そして 本が好きだった。 抱っこされていて 本を父親が読んでるとまだ本がなにかさえわからなくても おとなしく 本を触ったりしてもっともらしく まるで読んでるみたいにじっとしていました。 彼は 6歳違いに妹のあと 末の弟と22歳違いなんで 赤ちゃんのいる生活に慣れているみたいです。 最初のこどもと22歳違いのこどもを持つって なんか いいな と思うけど 始まりが なんせ 36歳だから そりゃ無理ですね。 でも 歳が離れた弟とか妹のいる人って やっぱり 優しい人が多いような気がします。

ケヴィンコスナー 言っておきます。 喜びます。 
飛行機で映画を見ていて 当時は大画面でみんなで同じ映画を見ていた時代
アンディガルシアがアップになったとき 2歳になる前のマリアが パパと叫びながら画面にむかって走ったことがあります。まだ日本に住んでいて 西洋人の顔という共通点だけだったと思うけど 夫 うれしげでした。 
Commented by cazorla at 2015-07-19 06:45
> anohiwaさん

昔 まだイベリア航空が日本から就航していた頃 イベリアのスチュワーデスさん ほんとに優しくて (日本人もスペイン人も) ぐずるとあやしてくれるのです。 パイロットも 飛行機のおもちゃとか持ってきてくれて。 ゆったりとした雰囲気。  母親も慣れない旅でつかれているし 赤ちゃんもたぶん高度が変わって気持ちが悪かったり色々原因はあると思います。 もしも 『高いお金を払っているのに」って 思うのなら それは 飛行会社への苦情であるべきだと思います。 すべての人が 気持ち良く旅ができるように。 そのお母さんだって もしかしたら 孫を見せるための旅だったかもしれない。 

マリアは 今もなかなかむずかしいけど
たとえば 濡れた水着がだめだった。 だから プールにいくときは 5枚くらい水着を持って行って 休む時は着替えていました。 狭いとじられた空間もだめ。 束縛が嫌い。 バギーなんて 5ヶ月しか使っていません。 歩きたがって ずっと歩いていました。 ほんとに それぞれのこどもで違いますね。 末っ子はその点 手がかからなかったけど。 だから 躾がどうのって 母親のせいじゃなくて その子の個性だと思う。 母親を攻撃しないで 母親が 気持ち良く子育てできる 社会になってほしいな と思います。
Commented by cazorla at 2015-07-19 06:49
> sakura-saku-tiruさん

いいですねー。 そういえば 電車で 漫画の絵のついたバンドエイドをもっらったことがあります。 こどもって バンドエイドがなぜか好き。 それをもらってしばらく さわって そして 開けて鼻にはりつけて 遊んでました。
なにげないものでも 見慣れないもの 珍しいものにこどもは反応しますね。
公共のおばあちゃん が増えると 若いお母さんたちは きっと楽になって
そして 虐待なんかも 減るんじゃないかと思います。
Commented by cazorla at 2015-07-19 06:53
> cresc-moonさん

お宅のお嬢様たち いいお嬢さんたちではないですか。
お母さんがいいから。 笑

やっぱり 父親が しっかり協力してくれていると 子育て 気持ちもらくになるし
思春期もいろいろあっても (そう 大変でしたが) 結局 おさまるのかな と思います。

Commented by mamoei at 2015-07-20 20:25
こんばんは~
こちらは、20:20^^

ホント素敵な写真です!
おう!旦那さま、なんてカッコイイ男性でしょう(^_^)v

うちの息子がドイツから帰る時、フランスやオランダや・スペインや周ったらしいのです。
どこの国でも子供を抱いていると、皆さんが息子一家を優先してくれたと言って感激していました。
ところが帰国してそれとは真逆の体験をしたと言っていました。
一概にそれが全てだとは思わないけれど、考えさせられました。
Commented by cazorla at 2015-07-22 06:55
> mamoeiさん

こんばんは。 コメントありがとうございます。
どうしてなんでしょうね。 アジアの国だって こどもと老人を大事にするのに
日本は 子育てしにくい。 一度 日本の小児科で 息子が泣いて 泣いて (熱があるし
気持ち悪かったんだと思います) なだめても なにしても 泣き止まず 看護婦さんが いらしたので ああ 助かった 助けてくれるんだわと思ったら(他の人があやすと 泣き止むことが多いので) 泣かせないでください 他の患者さんに迷惑です って強く言われて しょうがないので 外で待ちました。 
たぶん 日本でも地域にもやるのかもしれませんが。
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by cazorla | 2015-07-18 10:35 | こども | Trackback | Comments(12)

あなたに会いたくて・・・・


by cazorla