スペインの医療。 母が一度死にかけた時のこと。

秋らしくなってきました。
まだ 日中は袖なしを着ていますが
涼しい風が吹くと 数年前の秋の出来事を思い出します。
母が死にかけたことです。

その日は 比較的天気が良くて 母の家に行く途中 母にばったり出会いました。
『スペインにもこんな可愛いお嬢さんがいるのかと思って見ていたら
あらあら 私のお嬢さん。』
なんて バカみたいなことを言って笑って 母のアパートに入ってお茶をしました。
普通に話していたのに 急に立ち上がるとふらーっと
床に吸い込まれるように倒れてしまいました。
その時は そんなに大変なこととはおもわず 
どうしたの と言いながら抱き起こそうとしたら
なんだか おかしな音がして 脱糞を始めたのです。
さすがに 大変だと思ったのですが こういうことは初めてで
どうしていいのかわからず オタオタするばかり。
『ママ だいじょうぶー』と叫ぶだけ。
泣きながら。
少しずつ 体が冷たくなっていく。
これは死ぬのか と思っていたら 母が一瞬 目を開けて
にっこり笑って
『くみこちゃん だいじょうぶよ」
と言ってまた目を閉じました。

とにかく助けを呼ばなくては と 夫に電話。
夫がすぐに救急車に電話してくれました。
そう 救急病院に電話をする ということさえ 頭に浮かばなかったのです。

すぐに お医者さんと看護師さん二人 介護の人 二人が来てくれました。
大急ぎで 脈を測る。
採血して検査。
汚れた下着を替えて 体を拭いて 着替えさせる。
点滴。

母の寝室はあっという間に病室に。

何があったのかあまりよく覚えていません。

一時間くらいのことだと思います。
母の顔に血の気が戻って 手も暖かくなってきました。
もうだいじょうぶとお医者さんが言って 電話番号を書いた紙をくれました。
『今日は一晩中 電話はつけたままにしているから
いつでも電話ください。
でも このまま よくなったら 一度検査に 来てくださいね。』
そう言って帰って行きました。

そのあとも三時間ごとに電話をくれて 夜の11時に最後の電話をくれました。
一度起きてスープを飲みました と言うと
『じゃあもうだいじょうぶだから あなたも寝なさい。おやすみなさい』

翌朝 看護婦さんから電話があって 様子を聞いてきて
そのあと 2.3日して だいじょうぶそうなら診察にくるようにと言われました。

それから もう5年くらい。
寒くなる度に思い出します。

少しだけ 糖が出ていたのでした。
今は食事も注意してるので元気です。

『一度 死にかけたババアは なかなか死なないから
覚悟しときなさい。』
と 母は笑います。

死にそうで意識もないのに 私が泣いてると
目を開けて 『だいじょうぶよ』と言って微笑んだ母。
本当に私はいつまでも ダメな一人っ子のままです。





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秋の雲です。





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Commented by liebe at 2015-10-04 14:47 x
もしも日本で家族が倒れたら、救急車で病院へ搬送しますよね。そして処置室に運ばれて「ご家族は外でお待ち下さい」って。最後の瞬間に側にいられない。家で死んだら変死扱い。スペインの医療、温もりを感じます。医療水準とかわからないけど。親が倒れたら時、私も号泣しっぱなしでした。泣かないなんて無理(笑)
Commented by cazorla at 2015-10-04 20:15
> liebeさん

全面的にパブリックだから 儲かるとか考えない という点ではいいと思います。
例えば 私の脳腫瘍が見つかった時 その写真をアップしたことがあるんですが 医療関係者からこれは ものすごく高い最新の機械ですね と言われました。 日本では 私立の病院ではまず変えないと。 だから 某K大の病院で見つからなかった腫瘍が見つかったのでした。
ただ もうけがない から 商売ではない。 公務員的な看護婦さんもいます。 お医者さんも。 でも 嫌だったらガンガン 文句を言えば良いと 友達の裁判官に言われました。
医者も看護婦さんも 患者が選ぶ権利があるそうです。

オランダはもっとすごいですよ。 友人のお母様が倒れて 次の日 介護人と料理人が二人 彼女の家で働いているそうです。 

スペインと日本 確か長寿一位二位を争っている国。 良き老後が過ごせるといいですね。
Commented by mamoei at 2015-10-05 08:29
おはようございます☆

息子さんの17歳のお誕生日おめでとうございます。

ここにこうして流れているお話しは、きっととても深刻だったはずなのに、何だかとても温かい気持ちになりました。
お母さま、何事も無くほんとに良かったですね、不死身のお母さまのようです^^
Commented by cazorla at 2015-10-05 19:59
> mamoeiさん

ありがとうございます。

母が倒れたのは もう数年前。 すぐには書けないくらいショックでした。
毎年 寒くなると 大丈夫かなーって 心配になります。
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by cazorla | 2015-10-03 08:00 | スペイン年金生活 | Trackback | Comments(4)