seventeen

僕は 昔 よく考えてたんだ。
もしも 僕が 日本に住んでいたら 誰も僕を苛めないのにって。
きっと たくさん友達がいて
いっぱい いろんな話ができた。
ねえ 日本人って 本をいっぱい読むんだよね。
浮浪者まで 本を読むって 書いてたよ。
すごいね。
でも だんだん大きくなって 苛められなくなってから
わかったんだけど
いじめって ただ 共通の話題に過ぎないんだよね。
みんなで 集まって 一つのターゲットに向かっていく。
ちょっと 違う人がいれば そこに行く。
僕は 自分が スペイン人なのかなーってたまに考える。
多分 スペイン人なんだろうけど スペインという国家のために
命を犠牲にできるか ってきかれたら 絶対 できない。
僕は 日本人なのか どうだろう。
日本語もできないし。
日本で生まれたけど あんまり覚えてない。
でも ばあばと約束したんだ
日本チームで サッカーするよって。
ばあば 笑ってた。
でも やっぱり無理かなー。
日本語 できるようにならないとね。

なんで 今 そういう話をするかっていうとね
パリのテロのこと考えてたんだ。
一人は僕と同じ 17歳だったね。
二人は シリアの偽造パスポートを持っていた。
でも みんな フランスで生まれて フランス人だった。
〇〇人 って 実は 意味がないよね。
そこに住んでいても そこに溶け込んでなかったら 
自分で そこの国に人って思えないもの。
彼らは 両親が イスラム教の国の人だったから
イスラムのために死んだら イスラムに 100パーセント受け入れてもらえる って
思ったんだろうね。
なんとなく そういうのが わかるような気がするんだ。
僕は 肉体的には 半々だから そういう どうにかしたら どこかで
100パーセント受け入れられるという可能性がない。
それは ある意味 いいことかもしれない。
だって 僕は 僕である以外何者でもない と言い切れるから。
それでも もちろん たまに寂しい気持ちになる。

僕は 宗教はないけど
宗教はあってもいいと思ってるよ。
宗教がなかったら 戦争はない なんて思ってる人がいるけど
それは 違う。
宗教がなかったら また 違う口実で 攻撃を仕掛けてくる。

だって 僕は みんなとできるだけ 同じ話題で話せるよう努力したけど
そんなの無駄だって わかるから。
チノじゃない 日本人だって いうのも無駄。
どっちだっていいんだ。
違う ということは 変わりないからね。

でもね 僕は ピアノを弾いてると 誰かから とても愛されてるような
ああ ちょっと違うね
なんか 温かいもので包まれてるような 気持ちになる。
みんなの前で 弾いてると 聞いてる人と 一体化していくような気持ち。
うまく言えないけど つながっているような。

無理につながることはないんだよね。
自然に つながっていくんだから。
多分 無理せずに ほっとけば 自然に世界は つながっていくような
そんな気がすることがあるよ。

e0061699_18491927.jpg



[PR]
トラックバックURL : http://cazorla.exblog.jp/tb/23950378
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by bantelner at 2015-12-10 20:53
息子さん、深く考えていますね。
切なくて、そしてとても素晴らしくて、泣けてきます。
子供の頃の(あるいは大人になってからでも)苛めって、いじめている方は本当に軽い気持ちでやっているんですよね。
自分を誇示するため、あるいは不満のはけ口に、異質なもの、弱い者をからかって自分を満足させようとする。
それだけだから、当然苛められる方の気持ちや立場を全く考えられない。
その人間の幼稚さ、レベルの低さでもあるんだけど。
でも、苛められる方にとってみれば深く傷つき、それは人生を左右するくらいの深刻な悩みなんです。
やり場のない怒りをどこに持って行って良いかわからない。

これを、考えに考えて昇華させているお坊ちゃんは本当に大したものです。
それに、かれには音楽、ピアノがある。
そのとおりです、音楽の世界に国境も人種も宗教もない。
音楽を通して分かり合える仲間に出会ったり、感動してくれたりする人がいる。
音楽はかれを支え強くしてくれる友ね。
そんな人生の伴侶、自分の居どころがあって本当に良かったです。(^^)
これからも温かいご家族と音楽と共に!

うちの息子は、半分アジア人である異質さに加えて、アスペルガーという異質さも加わっているので、格好のターゲットです。
苛めにあったときに全てのヒューズが飛んで思考停止になります。
ただただ混乱して暴れる。
でも、時間はかかるかもしれないけれど、彼にもいつか分かってほしいと願っています。

セブンティーンのお写真、とっても素敵ですね。
Commented by おーやま at 2015-12-10 22:07 x
これは エンリケの告白?

それともかそるらさんが感じたエンリケの心の中?

どっちにしても文学です。
写真もアートだね。
どうやって撮ったの?

何もなければ こういう深い気持ちにはならない。
それは真実だけど。
Commented by mamoei at 2015-12-11 08:50
おはようございます。

下の記事とともに深く読みました。

エンリケくんの切ないほどの気高く静かな叫びのような気がします。
私からエンリケくんをみたら、全てが揃っていて太陽のように輝いて見えます。
ですが、ご本人はこんなに色々想って・・ただねこの想いがエンリケくんをより深い大人にしていくように思うのですよ。

エンリケくん、よう頑張っているね!
素晴らしかよ!

褒めることしか出来ないおばちゃんだがね、心込めて(*^_^*)
Commented by Mehreenkhan at 2015-12-11 12:31
こんにちは。
ティーンエイジャーってそれでなくても悩める年齢ですよね。
我が子もエンリケ君より少しだけ小さいですがティーンエイジャーなので、わかります。

エンリケ君の言葉深いです。本当にその通りだと思いますよ。
いじめという意味のないことを永遠としているのがきっと彼らも楽しくはないでしょうが、それを続けないと次は自分がいじめられるのでやはり他に合わせてやってしまう。ということだと思います。

どこの国でもあるものですね。
人種なんて関係ありません。
そして年齢も関係ないかな?大人でもいじめをする人はいっぱいいますからね。
そういう人たちは皆と同じ意見、同じ行動、同じ格好で安心を覚える人達ですからね。悲しいですよね。

我が子もピアノ全然ですが、嫌なことや嬉しいことなどがあったら必ず弾いています。無心になれるそうです。そして、弾き終わった後は顔が穏やかになっています。不思議ですよね。
Commented by kyotachan at 2015-12-11 16:41
これはお母さんが想像した息子のこころの中だと思うんだけど、どう?
ウチの長男十五歳はここまで深くものごと考えてないなー。本人はフランス人百パーセント。日本人?ただ母親がたままたそうだった、つーだけのことで自分が日本人とは思ってない、と思う。ほんと、何人何人、て意味ないね。百万年後には全員が地球人になっていればいい。
Commented by cazorla at 2015-12-13 04:44
> bantelnerさん

うちの息子 声がでかくて。 典型的ないじめられっ子じゃないから 先生たちは いじめられてるって 知らなかったんです。 怒って 暴れる。 そうすると こっちが不利なんですよね。 先生たちの理解がないとね。 そっか トミ子さんも 大変なんですね。 日本で育てても 声でかいから 浮いてたし。 少なくともここで ピアノを弾くことができたのが ラッキーだったと思います。 
Commented by cazorla at 2015-12-13 04:55
> おーやまさん

写真は息子が 携帯のアプリで加工しました。
前半の 日本にいたら。。っていうのは ずいぶん前に言ったことがあるのを加えて
あとは 父親との会話をちょっとはしょりました。
次の日 哲学の試験があるんで プラトンのソクラテスの弁明の話と
あと フランスで 地方選挙で極右が勝ったということで こういう話になったんだよね。
Commented by cazorla at 2015-12-13 05:23
マモエさん


いじめられても だから わかりにくくて 先生は どっちかというと
エンリケが 怒りやすい性格だと。 そして 協調性がないとみなしてる。
そういうのがあって 結構苦労したようです。
先生に好かれるタイプではないし。

正直なんです。 多分。
Commented by cazorla at 2015-12-13 05:24
> Mehreenkhanさん

エンリケは 結局 自分を変えることなく 大きくなって 直接 面と向かっていじめられなくなった というのはラッキーだったと思います。 それって 自分の本質の問題にも関わってくるし。 でかくなって さらに筋肉つけるために 時間があると泳いでる。
このくらいの年齢って ものすごくイライラしてるんですよね。 異性のこととか。
自分が変わっていくこととか。 だからぶつかることも いじめもある。
大江健三郎の セブンティーンは そういう男の子が マルクス主義から 右翼になってしまうという話なんですが なんだっていい どんな哲学も 全部 言い訳になればなんでもOK。 そういう時代をちゃんと通り越していくって あとできっと自分に誇りが持てるんじゃないかなって思います。
楽器が出来るってやっぱりいいですよね。
3人とも 楽器を習わせたのは やっぱり 日本に住んだとしても ハーフであるって特殊なことだから 支えてくれるものが あったらなーと思って。
ですよね。
Commented by cazorla at 2015-12-13 05:24
> きょうたちゃん

うちもね 15の時は そんなに考えてないと思ってたけど
でも 意外と考えてるかも。
うちは ど田舎に住んでいて コンセルバトリーへの道のりが 往復 3時間。 その間に 結構 父親と話してるんだ。 いつもは サッカーの話なんだけど 次の日 哲学の試験で プラトンについて 父親に質問していて それと このあいだのパリのテロの話も入って いろいろ話したのを ちょっとはしょりました。
なぜ ソクラテスは死刑になったか っていう話。
Commented by mimizu-clone at 2015-12-13 15:37
カソルラさんの記事はいつも難しくて。
下の記事のタイトルにある「牧神」とかもそうだけど、読み取らなきゃならないものが多すぎて。
そこがカソルラさんの魅力なんだけど、コメントはしにくくてさ、僕レベルでは。

>そこに住んでいても そこに溶け込んでなかったら 

中島みゆきの「異国」の世界かな。
「差別ですらない」って言葉の世界?

余談だけど、性的人間は実家に2冊あります。
読んだはずなのに覚えてなくて、もう一冊買っちゃったってやつ。
だから2回読んでるはずなのに、それでも内容を全く覚えていない僕。
なので近所の図書館に行ってみたら!
蔵書にないの!
大江健三郎の本は100冊くらいあるみたいだけど、9割書庫。
読む人がいないってことなんだろうね。
Commented by cazorla at 2015-12-14 03:50
ミミズさん

いや 難しいんじゃなくて ちょっと観点が違う? ミミズさんのだって 私 すんごく考えないと よくわかんないものー。 あと ああ こんな考え方もあるなーって 気づかされたり。

同じ 同じ。私も実は 性的人間 二回買ってしまった。
セブンティーンって 飼育に載ってたと思ってたけど あれは 性的人間だっけ?
大江の本 スペインの図書館には あったよ。 読んでないけど。
ノーベル賞とったから 置いてあるんでしょうね。
日本では もう読まれてない?
30年前 五木寛之 まったく売れなくて 古本屋で 格安で置いてあったけど
時代が変わるんですね。
この間 雨の木を聞く女たちを持ってきてもらって 読みました。
大江健三郎の本って 読んだのに読んでないような木がするようなところがある。
でも ある部分は強烈に刻み込まれる。
それはきっと読み手の状態によるのかな?
一番好きなのは 武満徹との対談集です。
普通に話してる時が 好きだなーって感じる そういう作家だと思います。

読むの結構しんどいから 流行ってないと もう手に取る人もいなくなっちゃうんだね。
ちょっと寂しい。
名前
URL
削除用パスワード
by cazorla | 2015-12-10 18:50 | スペインティーンエイジャー | Trackback | Comments(12)