ゆっくり歩こう

母は 小さめのマンション(ピソ)に住んでいる。
私は カスコイストリコ つまり歴史指定地域 というか 古い地域に住んでいて
そこには 集団住宅がほとんどない。
だから 離れて住んでいる。
離れていると言っても どこにでも歩いていける小さな村であるから 
距離は大したことはない。
ただ 山の村なので 坂が 激しい。
坂を 登ったり降りたりしている。
朝ごはんと昼ごはんとおやつと夕方に軽い食事 そして 寝る前。
行ったり来たりしている。
歩いている時間が 長いので 村人に遭う確率も増える。
今日は 太ったセニョーラに出会った。
最初の8年は 見るだけだった。
ある日 なんとなく 挨拶を始めた。
最近では たまに立ち話をする。
今日は たまたま 歩く方向が同じだった。
この 太ったセニョーラは よく歩いている。
ある時は 村の下の方を ある時は 村の上の方を
なんだか 行動範囲が 広い。
何故かなーと いつも不思議に思っていた。
セニョーラと 同じ方向だったので 一緒に歩いた。
ただ 問題は 私が話してる時は 聞きながら歩くのだが
話し始めると 止まる。
どうやら 話しながら歩く ということができないらしい。
だから かなりゆっくりの帰り道であった。
セニョーラは 子供の時 両親を亡くした。
10歳で 父親を 12歳で母親を。
そして そのあとは 伯母たちが 面倒を見てくれたそうだ。 
その二人の伯母が 村の上と下に住んでいる。
85歳と86歳。
もう ほぼ寝たきりなので 食事の用意をしに行かなくてならない。
1日は 85歳の食事を食べさせて それから 86歳の家に行く。
次の日は 86歳に食べさせてから 85歳の家に行く。
だから 毎日 朝も夕方も歩き続けていたのだ。

私は 一人の老母だけ
おまけに幸運なことに実の母の世話なのだから
文句を言える立場にない。



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Commented by Mehreenkhan at 2016-02-15 17:47
こんにちは。
毎日歩かれていたセニョーラの謎が解けましたね。幼いころにご両親を亡くされて育ての親に今は恩返しをされる日々。頭が下がります。
話し出すと立ち止まってしまう。こういう方って結構いらっしゃいますよね。
特にお年を召されるとその傾向が強いとも聞いたことがあります。
二つのことを同時にできないんだとか。
でも、このセニョーラの話を一緒に立ち止まって聞いてあげることのできるカソルラさんは素敵です。
Commented by cazorla at 2016-02-16 16:27
> Mehreenkhanさん

こんにちは
ありがとうございます。
母が昭和2年生まれ 祖母が明治の人 そして大正生まれの伯母たちに囲まれて
育っているので 年上には絶対服従です 笑
習慣なんです。
そして 話を聞いて ブログに書こうとか。。。 笑
うちの夫も二つのことができない といつも言ってます。 若いし 科学専攻の人なのにね。
運転してる時 話してると道を間違えます。


Commented by おーやま at 2016-02-17 00:25 x
意外なところで接点ができて
新しい物語が聞けたり。
小さな村でも人生の深みは同じ。

だれかが小津安二郎の映画は、なんて事はない小さな町を描写して
そこに世界が全部映し出されていると言っていた。

そういうかかわりは私たちを豊かにしてくれると思います。

でもかそるらは山の村だけど、農村や畑のある村ではなくて
都会の町の小型タイプだろうなあと想像しました。
ちゃーんと石畳の道で広場もあって。
畑は村の周辺にあるでしょ?
Commented by cazorla at 2016-02-17 17:35
> おーやまさん

人の話を聞くのは楽しい。
いろんな物語があって。
才能があれば いろんな短編小説が書けるのにね。
それぞれに 物語がある って わかっていれば
お互いを大事にする ってことにもなるし。
春樹が 現在は 物語が必要だって言ってるけど
本当にそうだと思う。
昔みたいに 囲炉裏で 耳を傾ける物語が。
Commented by anohiwa at 2016-02-17 20:48
カソルラさんの写真には、いつもワクワクさせられます ^^)
あそこの家では、どんな人が住んでるの?
こちらのリビングはどんな?
キッチンでは、何を作っているのだろう、、、と、勝手な事を妄想しています(笑)

お年寄りの世話は、本当に大変ですよね。
何よりも、優しく接してあげなくてはいけないと思うけれど、なかなか 難しいのではないか、、、、と。
介護に関しては 考えさせられることがいっぱいです。
Commented by cazorla at 2016-02-18 00:22
> anohiwaさん

うんざりするような 話を始めたり。 昨日 伊藤比呂美さんの本を読んでました。
お母さんが 妹の悪口を言うんだって。
それ 30年前のこと 40年前のこと みたいな。
で そういうの聞いて ふんふんってうなずいてればいいのだけど
でも やっぱり もういいよ なんて思ったりする。
ちょっと 自分の気持ちが 落ち込んだり。

歩いていると ああ いい匂いなんてね。。思います。
たまに これ おでんじゃない?なんて思うことも。
ああ 妄想ですね。
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by cazorla | 2016-02-15 01:38 | カソルラ | Trackback | Comments(6)

あなたに会いたくて・・・・


by cazorla