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スペインの小学校の宗教の時間のことなど

バルゲ ダロカの下にある村でスペインの宗教の時間の事を書いたら アンツァンさんから「スペインの小学校では国旗とか国歌をどのように扱っているのでしょう。ちょっと気になります。」というコメントを頂いたので 少しだけ その答えになるかどうかわからないのですが 小学校のこと 国王のことなど少し書いてみたいと思います。

宗教の時間は週に二回。2時間ですがうちの子たちは宗教の時間を取っていないので その時間は図書館にいます。 都会なら一クラス半数くらいは取っていないのでその子達のために特別なクラスが用意されているのですが カソルラのような村ではほぼ全員がカトリックなので そう言う用意はないようです。 で 特に少数派として嫌な目にあったりというようなことはとくにありません。
ただ 1年目 長男が幼稚園の年長だった時 間違って宗教の時間に参加していたようです。でも 教科書も持っていないのだから 先生も気づいてくれてもいいと思います。 少なくとも 教科書を買って持ってきてください と言うお知らせくらいしてくれたらこちらも気づいて 宗教の時間は申し込んでいません と 言うことができたのに。
で もう一年のコースがもうそろそろ終わろうとしていた時 宗教の先生が(若い女性で いつもにこやかに挨拶をしていました。)近づいてきて 「どうしてマリア(長女)は宗教の時間に参加していないの?」と訊いてきました。それで気づいたのです、 長男が間違って参加していたことに。 それを言うと急に顔が険しくなって その日から 今もそうですが 全く挨拶をしなくなりました。 次男は当時 村で唯一の保育園に行っていましたが 唯一の保育園は教会が運営しているので 当然 シスターが世話をしてくれます。 でも シスターは 私たちがカトリックでなくても ほかの子供達と同様 優しく接してくださいました。 シスターでさえそうなのになぜ 宗教の先生といえ 公立学校の教師が そんなんでいいのかしら と思ってしまいます。
そういえば マドリッドに住んでいた時の宗教の先生は やはり若くて化粧の濃い先生でしたが イスラム教のお母さん達に「なんでも 相談したいことがあったら いらしてくださいね。私は 宗教で差別はしていません。」といつも にこやかに行ってましたが カトリックの人に相談したいとは思わないだろうし いつもそう言われるのは 実は迷惑 と思っていることにも気づいていないようでした。 もしも 司祭とかシスターなら そう言う近づき方はしないのではないかと思いました。 
で 宗教の時間は何をしているか。
聖人の名前を覚えたり 聖書の中のお話しを聞いたり
で 宗教の時間以外にも学校が終わってから カケイケイシという カトリックのお勉強クラスにたいていの子供達は通っています。 夫の時代は 法王が イタリア人で カトリックはぎちぎちな感じではなかったんですが 前法王がポーランド人 そして今はドイツ人で かなり厳しく教え込むようになりました。 コムニオンという 七五三のようなものがあるのですが これはだいたい十才くらいにする儀式で 昔はだれでもできたのですが 今はカケイケイシできちんと勉強した子しかできないそうです。
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(コムニオンの時 なぜ海軍のかっこうをするのか・・・? これもうちの夫の時代 1970年代にはなかったことだそうです。 当時は 普通にネクタイ姿。)
でもこんなに宗教の時間があって何を勉強しているんだろう と思わされる時があります。
ある日長女が帰ってきて 「ユダヤ人は悪いんだって。 だってユダヤ人はキリストを殺したから。」 ほかの子供達に教えてもらったようです。 「でも キリストもユダヤ人じゃないの?」と私。基本的にはユダヤ教をユニバーサルに解釈しようと言うキリストはある意味で革命家だったと言う解釈は行き過ぎでしょうか。 (ゴーダマも基本はカーストに対しての革命と解釈してます。)

で 国旗ですが。 スペインはホテルと学校・役所関係はいつも 国旗と自治体旗とEUの旗が掲げています。 それから マドリッドは各教室に カソルラは入り口に 国王の写真が飾っています。カタルーニャはまた別でしょうが。
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国歌は・・・ まだどういうときに聞かれるか・・ワールドカップとかオリンピックの時以外はどうなんでしょう。 学校の行事はたいてい自治体の歌を歌います。
国歌は歌詞がないので歌いたくてもうたえないのですが。

 
Commented by sahanji_yoko at 2006-07-27 16:15
公立学校でも宗教の時間ってあるんですね。
私はカトリックの女子校(もちろん日本です。)だったのですが、必須で宗教の授業がありました。主に聖書読んだり、普通の倫理的な講義をきいたりしてただけですが。
大学生になってから、スペインの中世文学を読むための基礎知識として、改めてキリスト教の勉強をしたんですけど、いろいろ目からウロコでした。研究者が教えてくれるんですから、おもしろくて当然なんですけどね。
国際化のため(?)日本でも英語の初等教育の必要性、とかいわれてますけど、宗教も含めて文化的なコトも必要だよね、とかおもったり。(そもそも、なぜ英語?中国語とかスペイン語とか選択できたらいいのになあ。)
Commented by anna1127 at 2006-07-27 17:04
私が一番驚いたのは国王又は国王夫妻の写真が飾ってあることです。
学生ビザの申請にスペイン大使館に行ったときに、
初めて見たんですが誰かわからず大使夫妻なんだろうと思ってました。
ところがこっちに来てみると結構ありますよね。
なんか日本とは違いビックリでした。
日本も天皇の写真を飾っていたのは戦争前でしたっけ。
だからって神としてみることも出来なかったから
意味合いがまったく違いますよね。
Commented by antsuan at 2006-07-27 23:13
 いろいろと詳しく教えて下さり有り難う御座います。幼稚園と小学校はカトリック系の、中学高校はプロテスタント系の学校を出たのですが、当時の小学校の校長先生(シスター)は日本帝国海軍大将の孫だったせいか、今から思うとキリスト教を通して武士道を教わったような気がします。(笑) また、御用邸のある葉山に住んでいることもあって国王とか皇室などに違和感はないのですが、校長の言うアイデンティティーもバチカンの意向があるのかも知れませんね。
 勝手ながらリンクさせていただきます。宜しくご了承下さい。
Commented by seilonbenkei at 2006-07-27 23:50
学校教育の場でのキリスト教についておもしろく読みました。なんだか日本の教会(もちろん全てではないでしょうが)がそれに近い気がします。私事ですが、我が家は子ども達に洗礼を受けさせていません。無理に教会へ連れて行くこともしません。洗礼もそうです。教会は勧めてきますが、そんなものは親が決めるものではありません。子どもには、教会は行かなければならないところではないのだから好きにしなさいと言ってあります。上の子は部活が忙しいこともあって月1くらい。下の子はなぜか教会を気に入っています。人の話を聞くのが好きな子なんです。
話が全然違いますけど、スペインの日本大使館には天皇陛下の写真って飾られてませんか?
Commented at 2006-07-28 06:08
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by cazorla at 2006-07-28 06:27
さはんじさん 宗教の知識 歴史観は文学を理解する上でも 歴史の流れを 理解することもできます。 ただ 学校であまり人生経験のない若い先生が ほんとうにちゃんと宗教を教えられるのか と言う疑問があります。 もちろん 若いとかそう言うことはたいして問題ではないかもしれない。でも ほかの宗教の事を何も知らない人が 「信じなさい」と言うだけの宗教の時間はちょっと いやだな と感じてます。 

子供ができた時 マリア・モンテッソリーの著作を読んだのですが 一般に日本人には読みにくいと言われているのが カトリックの知識のおかげですんなり入ることができました。 宗教そのものを教えるより その意識を強く持った人の著作を読んだ方がより 信仰のあるべき姿を見ることができるような気がします。
Commented by cazorla at 2006-07-28 06:29
annaさんたぶん 国王の写真が飾ってある というのは普通のことかもしれないです。日本は 不幸なことに第二次世界大戦の反動でそう言うことに対するタブーが強くなったんですね。 スペインとか タイとかほんとうに王様を愛してますよね。
Commented at 2006-07-28 06:29
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Commented by cazorla at 2006-07-28 06:33
antuanさん 天皇が神だったときの事がまだシスターの心のなかに残っているので 天皇とカトリックの両方を受け入れることができないのかもしれないですね。 天皇はヨーロッパで言えば位置的には国王より法王的だと思います。(そして 大名や将軍が 国王的位置) やはり祭祀にかかわってきたし。 スペインの国王とはやっぱり意味合いが違いますね。  リンク ありがとうございます。
Commented by cazorla at 2006-07-28 06:41
セイロンベンケイさん やはりコムニオン 日本の七五三のように親の夢みたいな物ですから ちゃんと勉強しないとできないとなると 親も熱が入るのだと思います。 そして 七五三同様 じつは「信仰」とか言う高尚な物より習慣的な物の方が強いのだと思います。 雰囲気としては村の鎮守 でも 宗教の時間は若い女性の先生なので ちょっとぎちっとしたかんじ どういったらいいのでしょう 窮屈なイメージがあります。
Commented by cazorla at 2006-07-28 06:42
鍵コメさん 私も後で鍵コメを書きに伺います。
Commented at 2006-07-28 20:29
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Commented by gyuopera at 2006-07-29 04:24
スペインの王室の人たちはとても気さくな感じを受けますね。気取りが無くて... インファンタ・クリスティーナはご結婚当初、我が家の前のピソにお住まいでした。すごい庶民的~。ジーンズとTシャツで町を歩いている姿が時々見られました。
日本の皇室は...雅子様、お気の毒ですね。
Commented by cazorla at 2006-07-29 07:47
gyuさん 浩宮様ももう少し自由にしたいでしょうね。
スペインの皇太子の結婚式の時もチャーター機でいらして 動くたびに税金がこれだけ使われると思うとそんなに動けなくなるし。
もう少しゆったりすればまだまだお子様はうまれるでしょうに。
Commented by eaglei at 2006-07-29 15:14
高校のときに「倫理・社会」という必須の授業がありました。
たくさんの哲学の分野での偉人を知ったり、宗教についても概略を教わりました。こういった授業は大切だと思います。
今の高校では、この科目は必須でなく、選択になってます。
娘の高校では、選択者が少ないからと授業がありません。
残念なことです。
詳しくは学べなくても、哲学と宗教の概略を知ることは大事です。
少しでも知っていたら、学ぶ気持ちが出てきますからね。
ソクラテスやプラトンも知らないで、大人になる人が増えています。
Commented by cazorla at 2006-07-30 09:26
eagleiさん この宗教の時間はそんなのではないのですよ。
聖人の名前を覚えたり 
言ってみれば 戦争中の天皇の長い長い歴代の名前を覚える あれと同じです。 どちらかというと反哲学的なのです。 
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by cazorla | 2006-07-27 11:39 | スペイン 文化 言葉 | Comments(16)

あなたに会いたくて・・・・


by cazorla