詩人と遊ぼう

先日東中野に住んでいた と書いたら意外とあの界隈にいらした方がたくさんいた。
たまたま検索で来てくださったeuripidesさんも東中野に住んであの汚い某文学学校の横に住んでいらしたとコメントを頂いた。 残念ながらその文学学校も閉鎖されたらしい。

1996年 その文学学校も改築される前で本当に汚い古い木造住宅だった。
入り口には たくさん靴が脱ぎ捨てられており 散歩の途中 しみじみと見入っていた。
その日は 特に脱ぎ捨てられた靴が多いので立ち止まってみていたのだが(一人っ子で 蟻を一人で何時間見ても飽きない子供だったのです。不思議だと思うと なんとなく立ち止まってずっと見入る変な奴でした。)中から事務局の人が出てきて いきなり誘われてしまった。
「長谷川龍生さん来てますよ。 あなた 運がいいですね。」
と 言われても 実は昭和の天才詩人長谷川龍生を知らない無学であった。
しかし ずっと 不思議と思っていた建物。 探検するチャンスと思い 入っていった。
階段を上って 行くと ・・・・
いかにも純文学の小説に登場するような人たち。 実際はあとで違うとわかるのだが その時はそう思った。 そしてそこに長谷川龍生さんがいた。
彼の話はとりとめなく 一番よく覚えているのは お巡りさんと遊ぼう だった。
その年は東京サミットの年で 東京のお巡りさんだけでは足りなくて地方からもたくさん来ていた。 
「この黒い鞄にね たーーくさん 大根を入れるの。
で お巡りさんと目があったら すぐにそらして逃げる。
走って走って走り続ける。 つかまるでしょ? 
おまわりさんは言うの 『鞄の中を見せなさい』
『だめです』って泣きながら鞄を抱きしめる。
するとね無理やり取りあげられて 開けられるでしょ?
中から大根がいっぱい出てきて
泣くのよ。『これは妻に頼まれた 大切な大根なのに~~っ』て。」
ちょっと小汚いかっこうをした詩人はリアリティがあった。

北新宿の図書館にはいかにも浮浪者という人がたくさんいるのだが 図書館の方が 「追い出すわけにもいかないんですよ。 詩人と浮浪者を見分けるのは難しいですから。」と言っていたのを思い出す。文学学校によくいらしていた阿部岩夫氏も高田馬場にいると日雇いの仕事を斡旋するおっちゃんに声をかけられると言っていた。

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ロルカの詩を訳した長谷川四郎氏が転げ落ちた階段のある新宿御苑のバーにも彼らと一緒に行った。 いろんな出来事が結局私をスペインに向かわせているようだ。

(一応スペイン関係ブログなのでここで辻褄をむりやりあわせやした。)
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Commented by peque-es at 2006-09-18 11:19
ふーん、ロルカの詩を訳した方ですか?
ロルカは浮浪者には見えなかった気がするけど…偏見かしらん?(笑)

下の記事読んで、私には「具体的にイメージする」力が欠けてるんだと思いました(笑)。多分「存在そのものが矛盾した運命論者」です(笑)。
運命について書くことができたら(多分2ヶ月後くらい??)TBします。
Commented by anthonberg at 2006-09-18 17:01
1回で話の内容が理解出来なかった私は3回読みました。(笑)
日本にいた時の思い出と現在スペインにいて繋がる何かを色々な角度で見ているって素晴らしいなぁと思います。
私は最後のカッコ内の『無理矢理あわせやした』って言うオチが好きですわ!!
Commented by cazorla at 2006-09-18 17:47
ペケさん 日本の詩人は浮浪者っぽいですね。海外で職業をきかれたら詩人と答えるとすごく大事にしてもらえると聞きました。 詩人は小説家より一ランク上で 知的職業というのが定説になってるのに。日本ではたとえばいしいひさいちのまんがで 「職業は?」「詩人です」「あ 浮浪者ね」というのもあるくらい。 詩を書く人って実はけっこう好きだったりします。
ここに一年通いました。
Commented by cazorla at 2006-09-18 17:50
anthonbergさん すいましぇん 独りよがりな書き方なのでよくわからん といわれやす。 子供達が大きくなってきて もう十年以上も子育てして この人生の大半を占めていることと残りのことがやはり関連づけてかんがえざるおえないんですね。 落ちを気に入って貰えて良かった(笑
Commented by euripides at 2006-09-18 19:48 x
 ちょっと調べてみました。母体の新日○文学会は解散しましたが、文学学校の方は同じ東中野一丁目の別の場所に移転し、その後さらに「文藝学校」と名を変え、東中野駅西の二丁目の方に移転して現在も営業中(?)のようです。講師陣を見れば、まだ龍生さんがいらっしゃいます。
日本では詩人という職業は無いと同じでしょう。詩だけで食えているのは谷川俊太郎さんだけというのは本当でしょう。皆さん大学の先生とか、別に職業をお持ちです。
 参考までに、↓文藝学校URLです。
http://www.ops.dti.ne.jp/~mozart/bungaku/access.html

 長谷川四郎はやはり「シベリア物語」が出色です。シベリア物にみられる、抑留されたことへのルサンチマンがまったく感じられず、ロシアの作家が書いたと同じ客観性がすごいです。
 
 スペインと言えば、ジョージ・オウエルの『カタロニア讃歌』を読んでみたい思いつつ、ずいぶん歳月が流れてしまいました。
 
Commented by seilonbenkei at 2006-09-18 20:54
思い出語りをする時のcazorlaさんは、歴史や政治の話をする時のcazorlaさんと違いますね。
蟻を見ていたcazorlaさんがなんとなく目に浮かびます。
名だたるメンバーと交流してきてるcazorlaさんと話ができてるなんて、幸せなんだか不幸なんだか。それこそ無学を思い知らされる・・・。安部公房の砂の女が長谷川龍生の言葉から書かれたとは知りませんでした。勉強になった。
cazorlaさんのところを訪ねてくるようになってスペインに興味を持ち始めて、こんなん見つけました。http://www.ddart.co.jp/lorca2.html
Commented by neco-z at 2006-09-18 22:46
実は~、東中野のあたり、どちらかというと東西線(だったけ)の落合あたりに住んでたことあります。ほんの短い間。お風呂の無い安アパート。そのころすごくつらかった。恋人のことと、自分の将来のことと全部。
こないだの記事から思い出しちゃって、ちょっと感傷的になったりして。でも具体的なことはあまり思い出さない。苦しかったっていう空気を思い出します。ま、忘れちゃったってことかな~、ハハ。
Commented by cazorla at 2006-09-19 01:31
euripidesさん ページ見てみました。 なんだかきちんとしていて 昔の文学学校の雑多な感じがないですね。 今では阿部岩夫さんは 講師をしておられないのですね。 もともとの建物は造り替えてまだ新しいとおもうのですが どうなっちゃったのでしょう。 借金の形にとられたのかしら。 長谷川四郎さんの作品ってそんなに読んでいないです。今度帰国時に探してみます。 絵の作品ですがやはりシベリアに抑留された香月泰男さんの作品が好きなので 是非 長谷川さんの作品も読んでみたいと思います。
Commented by cazorla at 2006-09-19 01:34
セイロンベンケイさん 阿部公房の砂の女って長谷川龍生さんのことばからなんですか。 それでしらべたら 阿部公房も文学学校に出没しているんですね。 
絵の作品のページですね。 絵を居間に置く と 寝室に置くって ソファとベッドの上に絵が置いてあるだけ というのがおかしかったです。
でも全て売却済みで 日本ってまだまだなんでも売れる国なんだな と実感。
Commented by cazorla at 2006-09-19 01:37
ねこぜさん 11年前 東西線の落合近くで新婚生活始めてました。
1995年です。 そのあと下落合に引っ越しましたが。 あまり移動しない人ですね 私。 もしかして落合界隈歩き回ってたので会ったことがあるかも・・・ですね。 私も苦しいことは忘れています。 最近 苦しいことがあまり苦しくなくなったせいか よくいろんな場面がよみがえってきますが。
Commented by neco-z at 2006-09-19 04:17
わたしも11年前か12年前ですよ!なんたる偶然!夏がものすごーく暑かったのを覚えてます。お風呂がなかったので銭湯に通ってたんだけど、よく道に迷って、余計に汗かいてた(笑)。道が細くてごちゃごちゃしてて。今行ってもアパートにたどり着けるか自信ないな。
Commented by cazorla at 2006-09-19 06:51
ねこぜさん あのあたりとか中野駅にしても あと中井もそう ぜったいテレビドラマの場面にならないそうです。ぜんぜん東京ぽくないから。(笑
うちのお隣のおっちゃん大工さんで よくいろんな物を頂いてとっても下町的でした。 
Commented by eaglei at 2006-09-20 06:26
cazorlaさんから、僕が知らない詩人を教えてもらっています。
たくさんの詩人を知っているのですね。
詩心を持つことって、素敵です。
cazorlaさんの詩に対する想い、もっと知りたくなります。
誰の詩が一番に好きですか? その詩とは・・・。
Commented by cazorla at 2006-09-20 19:43
eagleiさん 菅原克己という人が好きです。
立原道造も大好きでした。 かれは 建築家ですね。 詩はへたですが 心がまっすぐで。 詩のテクニックよりその人の人となりが大事ですね。
今度 好きな詩をアップしたいと思います
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by cazorla | 2006-09-18 08:19 | 思い出 | Trackback | Comments(14)

あなたに会いたくて・・・・


by cazorla