「俺たちは労働者」という誇り

身分とか階級というと 上下関係を考えるけど
スペイン語では クラセ つまり クラスです。 社会的クラス。
だから 労働者は「俺たち労働者」という誇りで生きている。
だから 社会党PSOE の  Oは obreroのO。 
クラスに対する誇りというのは 家族に対する誇り。
父親に対する誇り。 母親に対する誇りだと思う。

フランスはもうすでに貴族というのがいないけど それでも 少しは階級意識が残っている。
以前 サルトルのパーティに 俳優のアラン・ドロンは招待されないけど
ジャン・ポール・ベルモントは 招待されている。 なぜなら かれは もともとイタリアからの移民で 家族が貴族だったから というのを読んで ふーん と思った。
だから たぶん フランスは人種差別より 階級差別のほうが強いのかな と思った。

ドイツ・イギリス・スペインには未だに貴族が存在する。 各国で 貴族のレベルも違うと思うが ドイツは貴族の数が一番多い。 スペインのたとえば アルバ侯爵(侯爵の女性形ってなんだろう。 侯爵は女性なんで 公爵夫人ではないの。 夫のほうが 侯爵旦那になる。) の場合は もし 万が一 ほんとうに万々が一 フランスが急に王政になったとしたら 女王になる権利を有する。 たぶん 権利としては二番目だったと思う。 

この間 友達ふたりが話していた。 彼らはおかあさんが貴族。 それぞれ別の家。
「おまえんちがさー 奴隷制度廃止にして うちは ちょっとそんしちゃったよ。」
「あれは 王様の命令だからしょうがないんだ。 うちは キューバを任されていたからね。」
て キューバが スペイン領だったときの話をしている。
いつのことよ キューバが独立したのは!
京都の人思い出しちゃった。

貴族には貴族の誇りがある。
ラファの家に行くと いつも テアトロ・レアル(王立劇場)の一年分のチケットが ある。
ありとあらゆるオペラ コンサート などなど。
ほとんど使わない。 しかし毎年買う。 貴族達は 必ずこの一年分のチケットを買うのがしきたり。 自分たちが 国の文化を維持しているというブライドがある。
(じゃあ いい席が 買えない と思う方も多いかもしれませんが これは 買って事前に席指定ないといけないので 席は確保していません。 た゜から 貴族の寄付のようなもの 慣例化されたもの です。)
でも ラファは 貴族の称号を受け継がなかった。 貴族の税金 貴族に引き継ぐときの税金はすっごく高い。 たぶん スペインが一番高いのではないかと思う。 

たぷん フォルクス・ワーゲンのスペイン版 CMだったと思う。
いかにもいいとこのぼっちゃん風の男の子が車を洗っている。
祖母は 失神しそうになっている。 父親はかんかん お手伝いさんはおろおろしている。
まあ そういう場面。 男の子は スポンジを手にしたまま呆然と 家族を見ている。
そこで ナレーター。 よく覚えてないけど 
洗わずにはいられない 
とかなんとか。 すっごく素敵な車だから おぼっちゃんでさえも 洗いたくなる ということが言いたかったの。 手を使ってはいけない階級だったから。

だから モンテッソリー女史の教育論は 社会的革命でもあるだと思います。
彼女は貧民地区で 手を使う教育 手を使うことによって 考える力をつける というのをはじめたのだから。 つまり あの第二次世界大戦前後に 革命の一つとして生まれた教育論。
これがアメリカの資本主義の場所で 間違った形で紹介され それが日本に来ています。
モンテッソリー女史は アメリカでの授業は完全に失敗だった と言ってるくらいだから。

15年前 ひとりで貧乏旅行をした時 セゴビアに行きました。
セゴビアは ディズニーのお城のマークのモデルにもなったお城がある所としてたぶん有名だと思います。
e0061699_80865.jpgお城には 燕尾服のような制服を着た人が働いていました。 お城の中を一通り見て 外に出ると ちょうどお昼時だったのか 建築現場のおじさん達が たくさん缶詰をあけて パンに挟んで食べていました。 「セニョリータ(お嬢ちゃん) よかったら 食べてなよ。」と言われたのでよろこんでごちそうになることにしました。 道の端に坐って 一緒に食べていたら お城で働いている人が走って来ました。 
「セニョリータ いけません。 あなたのような ちゃんとした家のおじょうさんが 労働者といっしょに 食べるなんて。 とんでもない!」
と すっごい怒りよう。 ちゃんとした家のお嬢さん って その時は リュックを背負って 膝のやぶけた洗いざらしのジーパンをはいて ジャケットもビニール製。 一瞬 きょとん としたんだけど 「私は貧乏旅行しているから ごちそうしてもらうのはとっても嬉しいの。」と言ったら
建築現場の人たちに なにか少し怒鳴って行ってしまいました。

その時は どうして彼が「ちゃんとした家のお嬢さん」なんて言ったのかよくわからなかったけど
ヒッピー文化の通り過ぎたあと あの時代に 穴のあいたジーパンをはいて 外国を目的もなしにさまよっているのは ある程度お金に余裕がある家の子だと思ったみたいです。
あと お化粧していなかったから。 
穴の開いたジーパンにスッピン。
女の子の社会的クラスはお化粧でだいたいわかるらしいです。
今も。 
だれも 私はいいとこの子よっていうお化粧をあえてしないのは 自分の家に誇りを感じている証拠ですよね。
日本は昔 お嬢様ブームだったことがありますが。 
友達のお隣に お嬢様番組のスタッフが撮影に来たことがあるそうです。
お隣には 友達と同い年の子が住んでいたらしいんだけど テレビに出た「お嬢様」は別の人だったそうです。
今もお嬢様志向とかあるのでしょうか。 

これは なんだかなー さんが 銀行家 それとも軍人? あなたはどちらを選びますか。 の記事のコメントで 「スペインにはまだ 階級制度 なるものが存在しているのですか?
軍人ってスペインでは階級的に上なのですか?
確かにスペイン軍は歴史的には古くから活躍していますが」
というご質問があったので 書いたのですが 今もう一度質問を読んだら あんまり回答になってないようでした。 ごめんなさい。

制度はないけど 意識はあると思います。
ただ 上とか下 ということではなく。
長女のクラスの男の子が 本をちゃんと読めないんで おとうさんに言ったら
「ばかやろう。 おれら本読まなくても大学出よりいい生活してるだろう。」と 言ったそうです。
かなり極端だけど。 たとえば 水道管修理の人 フォンタネーロは 技術だけで 高収入。
スペインの医者よりはるかに 収入があるし 誇りも持っている。

でも 最近 少しずつそういうのも消えていっていますが。

とりとめなく書いてしまいましたが なんとなく ひとことでは説明できそうになかったので。
そして沢山書いた割に説明になっていませんが。
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Commented by miki3998 at 2007-01-11 09:19
ファッションでもクラス感なる言葉があります。もちろんこれはアッパークラスを指します。きちんとした、質のいいファッションに当てはめていっているようです。差別化することに快感を感じるのでしょうか・・・?
 無責任な、そしてあいまいなのにみんな納得した風な口を利いているのは鼻持ちなりませんが、所詮嘘で固められたファッションですもの、ほっときましょう。
Commented by antsuan at 2007-01-11 09:40
日本でも職人気質ってものが昔ありましたね。日本の庭職人は主人の言うことを聞かないばかりか、あそこに何を植えた方がいいとかいろいろ指図をする、そして手を入れた庭を見るとそれは芸術だったと、英国大使夫人が偉く感激していたと云う記事が新聞に載っていたことがあります。そういう誇りは格差を越えたものでしょう。今日本では格差、格差と貧富の拡大を非難しいてますが、何か間違っているような気がします。
Commented by antsuan at 2007-01-11 09:47
お城での話し、好い話ですね。今の日本の若い子に聞かせてあげたいくらいです。「ローマの休日」は日本では名画として人気が高いのですが、というか日本にも皇室と云うものがあるのに、好い意味の伝統的クラス指向が失われつつあるのは残念です。
Commented by ぺけ at 2007-01-11 12:51 x
戦後の事なのかもしれませんが、日本には「階級」というものが一見なくなってしまった。今又「格差社会」などと言われてるけど、かなり違う意味ですよね。
で「ほっんとうのお金持ち」なんていうのも少なくて(少なくとも私の身の回りにはいません-笑)、階級-clase-の概念、日本人にはすごく分かりにくいですよね。

Santos Inocentes という映画で、南部の cacique に使われる小作人一家の娘が地主の家で内働きに雇われる事になる。地主の奥さんや娘が「彼女には clase がある」と言う場面が印象に残ってます。横穴住居みたいなところで育った娘を、普通はお屋敷の内働きにはできない。でも彼女には一種の品格のようなものがあって、内働きもやらせられる…というような意味。clase ってそういう意味があるんだと思った。
それから貴族を意味する noble という言葉も、人の性質を指して「あの人は本当に noble な人間だ」と言うことがありますよね。貧しくても、階級が低くても、高潔な人はいる。

お嬢様にはなりたくないし、なれないと思うんだけど(笑)、でも「執事」のいる暮らしって、憧れます(笑)。一度記事にしようと思ってるんだけど(笑)
Commented by seilonbenkei at 2007-01-11 14:15 x
親を、恩師を、祖国を。尊敬する精神は必要と思います。それが例え悪しき慣習であれ、先人の業を敬う心。
覇権という言葉がありますが、配下に従えた者達の面倒を見るのがそれ。そうでなければただの侵略支配。
貴族という言葉を聞くと、そういうことを思います。
で、軍人ですが、先祖代々そうだから軍人になろうとする誇りは理解できますが、軍人にならなければ家を守れないという理屈は私には納得できません。プライドは心の中に持ち続ければそれでいいと思います。もっとも、百姓の心は百姓を実際にやってみなければわからないという意味での継承ならば話は少々違いますが、その場合軍人は必要のない職業だと私は思います。
ついでに下の記事のコメへのレスですけど、人の命を直接的に左右することにつながりかねない軍人より、私は銀行家の方が気が楽です。自分の判断で何億失おうとしょせんは金だけど、人の命は自分の力で元に戻すことはできませんから。
Commented by peque-es at 2007-01-11 16:53
さっきのコメント、字数オーバーしてしまって削ったら、ちょっと尻切れとんぼで、又意味が分かりにくいですね。ま、大して意味のあるようなこと、言ってないんですが…

clase とか nobleza とかいう言葉が、表面的な意味とは別に、人間の本質的な clase とか nobleza を意味することがあるという事が面白いと思うんです。それが階級を超えた人間の「誇り」と繋がってるような気もします。

とここまで書いて思いついたんですが、日本語にもそういうの、あったと思います。
でももしかすると、今は階級の消滅と共に(?)死語になってるかも??
「誇り高い」日本人であることが、なんか難しくなって来てないでしょうか???
…又意味不明かも…ゴメンナサイ!

Commented by りろ at 2007-01-11 17:24 x
社会的な階級というのは、まあ、人間の外側から付与される属性ですよね。で、階級のあるなしに関わらず、本当の誇りというのは、やはり、「自己尊厳」つまり成熟した「自己愛」にともなうものだと思います。そして、この健全な自己愛・自己尊厳があれば、「足るを知る」ことができるのですよね。
それがない人は、恨み辛み、怨恨にとらわれる……。「諸悪の根元は羨望である」とメラニー・クラインが言ってます……。
Commented by npura at 2007-01-11 17:37
いえいえ、充分すぎるご返事です
スペインとゆうとすぐ情熱の国と感じてしまいますが
スペインの人達の気質と意識と誇りがよく伝わってきました
残念ながら今の日本人には欠けているものです
ありがとうございました。また寄らせて下さいm(_._)m
Commented by cazorla at 2007-01-11 19:31
mikiさん バブルがはじけても まだまだアッパークラス 目指してるんですね。
友達が フェラーリでイタリー製の服(バリー)を来ていると 駐車場のおっさんに
かたことの英語で話しかけられるって言ってました。
今時いかにも金持ちのかっこうをするのは 中国人だけだからだって。
そう言っていじめられてましたが・・・
Commented by cazorla at 2007-01-11 19:33
アンツァン そういえば イギリスは 庭師にサーの称号を与えてますね。
それぞれの仕事にたいして レスペクトしているんだな と思います。
家を建てるにしても 以前 立原道造が書いていましたが 施工主が建築家に注文つけすぎだって。 
Commented by cazorla at 2007-01-11 19:37
ペケさん claseの そういう使い方もあるんですね。
今は マカリージョが モダになっているような気がします。
エレガントであることは なんかいもくさい。
でも マカリージョが ふとした瞬間に ノブレな所を見せるとぐっと
かっこよくなると思うのですよ ね。

日本でも ある人のこと 評価して 「あの人の私生活はしらないし かりにおかあさんが内職していても 彼女はお姫様だ。」と言ったのを聞いたことがあります。
それは 彼女が なんともいえず 優雅だったことに由来しているのですが。
Commented by cazorla at 2007-01-11 19:47
セイロンベンケイさん >軍人にならなければ家を守れないという理屈は私には納得できません。

軍人にならなければ家を守れないという理屈 は 書いていないと思うのですが・・・

で 時代背景を考えてね。 十九世紀おわりの時代。 ヨーロッパは侵略が多かった。
スペインはとっくに弱小化しているから 軍人は不必要とは言えなかったと思います。
反対に 銀行なんて一部のお金持ちのためのみにあったわけでしょ。
その時点で 銀行を選ぶのなら 最初から 軍人になんかならなければよかったんだと思います。 そう思わない? 自分が一度決心して選んだ道であれば それに忠実に生きていくべき。 
それに 軍人として かなりの地位にあれば 王を裏切るということになるでしょ?
それまで 頂いていた給料は いざ鎌倉のために 何もしていなくても 支払われていたわけですから。 
Commented by cazorla at 2007-01-11 19:48
ペケさん セイロンベンケイさんと重なってたのですね。

私 一時期のお嬢様ブーム
あのとき ペケさん 日本にいらっしゃらなかったのね。
あれ げーっだったです。
どんなんだったかご存知ですか。
Commented by cazorla at 2007-01-11 19:50
りろさん 今は 豊かになって 成金も増えてます。
そして お金の多さで 羨ましがったり なんだりしている。
たしかに 足るを知らない 感じ。
Commented by cazorla at 2007-01-11 19:50
なんだかなーさん ありがとうございます。
なんか 整理されていないですよね。
性格がそうなんです。
Commented by seilonbenkei at 2007-01-12 00:20 x
設問は「あなたはどちらを選びますか?」だから、白紙の状態から軍人になるか銀行家になるかだと思いました。で、ご主人の曾おじいちゃんは既に軍人だったわけだから、曾おじいちゃんの立場での問いではないと考えました。だって曾おじいちゃんの立場の場合は軍人に「なるか」ではなく軍人を「やめるか」だもの。
現実的ではないと既に断ってあるのでそれをご了承願うとして、私は世が戦国時代であっても軍人不要論者です。ですから時代背景は、私にとっては無視できる事柄です。

>軍人にならなければ家を守れないという理屈 は 書いていないと思うのですが・・・
「国のために軍人になる人はいない」。父親が好きだから軍人を続けたかったということですね。ここで言う父親が好きというのは、好きだからその誇りを継ぐ、そのためには家系(あるいは家業)を守ることと解釈したのですが飛躍しすぎ?

記事ひとつ消えちゃったから、そっちへのコメは割愛。
Commented by cazorla at 2007-01-12 18:49
セイロンベンケイさん >だって曾おじいちゃんの立場の場合は軍人に「なるか」ではなく軍人を「やめるか」だもの。

だから 選ぶでしょ。2つポジションがすでに用意されていて という設定ドス。

飛躍しすぎ。
で もひとつの記事誕生会用意しながら 5分で書いたからちょっと 矛盾多すぎで却下。 継ぐ って解釈と また違うの。 好きだと思う 自分の存在を尊重する。

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by cazorla | 2007-01-11 08:21 | スペイン 文化 言葉 | Trackback | Comments(17)

あなたに会いたくて・・・・


by cazorla