スペイン貧乏旅行④ レオン

1990年 スペイン貧乏旅行の続きです。
本当は マドリッドからバルセロナに行って 地中海降りていって アンダルシア回って
と 順番に書いていくつもりだったんだけど ご存知のように 整理整頓されていない人間なので まったくすっとばして 2月 レオン に行きます。
レオンは マドリッドよりさらにずっと北にあります。
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このレオンでもないです。
大好きな楓君に 似ているので 一緒にこの映画見に行きましたが・・・・
フランスにもリヨンという町があります。 マークはたぶんどちらも ライオン。
でも レオンもリヨンも今は ライオンの意味だけど 当時は ライオンとは関係ありませんでした。

このレオンで知り合った男の子。 卒業旅行をしている22才。 時として ほんとうにことばがフィットしてくる相手ていますよね。 その人とならいくらでも話し続けられる。 彼はそんな人でした。 二日間一緒に行動していて ずっとずっと話し続けていた。 食事をする時もふだん 知らない人だと この人とはどんな感じのレストランを選ぶべきなんだろうなんて 余計なことを考えるし 何を食べるかも なんとなくバランスとか考えませんか? そういう おつきあいのニュアンスのようなものが苦手なの。 でも彼とは あっさり 食事もできて その間も ずっと話し続け。

レオンには ガウディの建物があります。
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当時は銀行として使われていました。CASA BOTINES
そして レオンから少し行ったアストルガには もう一つ別のガウディの建物が。
これは施工主の司教と折り合いが悪く 途中でやめちゃった作品です。
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レオンには 大きなカテドラルがあり その中の博物館のコレクションはすてきです。
そういった 観光をしたあと 私たちは また CASA BOTINESの前にあるベンチにすわっていました。
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隣のベンチはこういう人が座ってます。
彼はその人に話しかけたり つぎつぎのたたみかけるように話し続けた。
一番 印象に残ってるのは CASA BOTINESについて
「この建物 一番良心的に造ってるねー。」
て。 細部を見ない限り ガウディって気付かない人もいるかもしれない。
そういう 作りを 良心的 と 表現する ことばのセンスが好き。
私はただ お日様が落ちて 夜になって ずっと 建物の彫刻を見ていた。
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2月の北部スペインは寒い。
夜だったし。
だんだんとトイレに行きたくなったんだけど 座っていて 動くとなると それがきっかけで 別れることになる。 なんとなく別れたくなかった。
「ぼく 宿を引き払って もうここに宿はないし
11時半発の列車に乗って サン・セバスチャンに行こうと思ってるんだけど
君はどうする?」

彼は私の横顔を見ている。
たぶん ふたつの答えが可能だったと思う。
「宿がないなら 私の宿に泊まって 明日出かけよう」
「私も行く。 すぐ 宿を引き払ってくるから待っていて。」
まだ 列車の時間まで30分以上ある。

でも 私は言った。
「寒いから 帰る。 楽しかった。 ありがとう。 気をつけてね。」
彼は めがねを少し 直して うなずいた。



彼は こうも言った。 急に思い出したので付け足し。
「荷物に小さな鍵をつけて 旅行しているばかな奴がいるけど そんなのなんの役にもたたない。
こわして 中身を物色されるだけ。 盗られる時は盗られればいい。 ボクは このめがねさえあればいい。 めがねさえあれぱ 世界は見えるからね。」


私はこういう人がとても好きだ。
彼の痩せた無駄のないからだつきが いかにも 無欲な感じがした。

彼と一緒に行かなかったのは 年上だって言っていなかったから かもしれない。
年上だって 私はかまわないし いつも私は年齢は一応相手に伝えていた。
でも 彼は頭から年下だと信じて 私のことを扱ってくれる。
年下である という状態に慣れていなかったのて゛ それは とても気持ちがよかった。 たぶん。
でも 錯覚は錯覚として 大切に箱にしまい込んでいようと思う。

吉行淳之介が 「死ぬときに思い出すのは 寝なかった女のことだと思う。」と言った。
思い出とは そういうものです。
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Commented by antsuan at 2007-01-20 10:06
営業マンの価値を知ったのは大分年をとってからです。そういう話し上手な若者達をずっと軽蔑していた時代がありました。彼は優秀な営業マンになれるだろうな、と思います。
Commented by りろ at 2007-01-20 14:32 x
cazorlaさん、きっとね、彼からこう誘われて、「私帰る」って言ってしまったのは、やっぱり、ご縁がなかったんだと思う。だってね、どうしてもこの人と居たい、って思ったら、きっと、cazorlaさんのほうから、相手よりも先に、「あ〜、いつまでも話をしてたいね……ねえ、よかったら、私の宿に来てお茶飲まない?私、冷えちゃったから、そろそろ、お茶でも飲んであったまりたいな」とか、言ってたんじゃないかな?あ、でも、年上には言いにくいか……。
Commented by seilonbenkei at 2007-01-20 14:53 x
レオンは観ました。でも記憶にありません。あまりおもしろくなかったなくらい。ジャンレノの出てるの何作か観たけど好きくない。

一緒に行かなかったのは、その時を思い出の箱に閉じこめちゃいたかった?
例えば別れは自分から言うことに決めてる人ってけっこういるよね。
って、こんなコメが外れてるとすごく恥ずい(笑)

一般的に言われる「話し上手な人」。が、営業に向いてるってのは誤解だと思う。私は他者の評価によれば話し上手な方らしいけど、本人は営業は超苦手。
でも、自分の苦手を仕事にしちゃった人ってだいたい成功するから、誤解じゃないのかな。書いててわかんなくなってきた(笑)
Commented by cazorla at 2007-01-20 16:03
あんつぁん 彼は話し上手なタイプではないです。
私とおなじことばを使う そういう人。
そうじゃないと話ってはずまない。
そういう人は少ないです。 おなじことばを使う相手。
同じ言語を使ってるのにね。
Commented by cazorla at 2007-01-20 16:06
りろさん 縁ですね。
選ぶとしたら たぶんそのまま一緒に駅に行くほうを取ったと思う。
セックスしちゃうのもつまんない と言う気持ちがあったと思う。
そのくらい すごく気持ちよく話せる相手だったから。
Commented by cazorla at 2007-01-20 16:14
セイロンベンケイさん 今 思い出したけど 夫と見に行ったの。
私は 懐かしい 楓君 と思ってる横で すっげえつまんない って言ってた。
ジャン・レノに関しても 醜男 だって。 

別れを言ったことも言われたこともないよん。
別れを言う っていうのは どういう状況で言うんだろう。
恋愛関係って終わったらなんとなくお互いにわかるでしょ?
なんであえて言わなきゃならないのか まあそういう状況になるということがなかったのでよくわかりません。 ほんと トイレに行きたかったんだって。 ずっと我慢してたから その瞬間 いろんなことがどうでもよくなっちゃったの。 そのあとで 後悔したの。
でもね どこに住んでて どこの大学の何学部か言ってたから あおうと思えば会えたの。 でも そういう時は会わない方がいい。
Commented by りろ at 2007-01-21 13:28 x
cazorlaさん、セックスしちゃうのもつまんない、っていう気持ち、ああ、なんだかわかるような気がする、って思いました。そういうガサツなレベルの付き合いにしてしまいたくない、別の意味で大切にしたい、っていう気持ち。だって、そういうのに興奮するのとは別の脳の部分が、とてもかけがえのない体験をしたんだもの。

ところで、別れを言い出す、っていうの、私、20代のころ、しょっちゅうしていました。いい人だけど独占欲の強いちょっと強迫的なところのある男、とか、思想が型にはまってパターン化している男、とか、教養がなさすぎる男、とか、凝った料理にもマヨネーズやケチャップをかけないと食べられない男、とか、「ああ、この人とずっといたら、私、話しが合わなくて、精神的に不自由になってしまう」と思った時、「別れよう」と切り出しました。今思えば、若くて自分のことしか考えられなかったんだなあ、と思いますけど。
Commented by cazorla at 2007-01-22 06:21
りろさん 私はもてなかったんであんまり別れの場面になったことがないのだと思います。 ずっと観察していて この人は好きっていうときにどーーーんとくっついていくタイプで 美人じゃないので余計な人に言い寄られることもなかったし。

でも マヨネーズとケチャップ ふむふむって笑いました。
ケバブの店でケチャップを出したアメリカ人に怒り狂うアラブのコックさんの話なんか思い出して。 ここに来てくださるペケさんも スペインのハモンセラーノ(生ハム)にケチャップかけるアメリカ人のこと書いていたから・・・
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by cazorla | 2007-01-20 08:31 | アンダルシア以外の街 | Trackback | Comments(8)