便利な生活

前々回のアルカラスの記事のコメを読んで考えたのですが
不便ってことば 基本的にあまり スペイン人は使わないなーと。
便利というのは 
comodo(居心地がいい)
practico(実用的な)
conviniente(好都合な)
というような言葉がそれにあたると思うのですが 住む場所に関して そういうことばを使うか・・と ちょっと 考えたのでした。
たとえば 日本の不動産だと 駅から歩いて五分 なんていうのは なかなかメリットなのですが スペインの不動産で駅から何分というのはほとんど言わないし また駅のそばは反対に安いと思います。 なぜなら ごちゃごちゃして 美しくない。

マドリッドのおしゃれな住宅地 ビジャ・フランカ。
今もまだセレブということばを日本で使われているとしたら まさしくセレブな人たちの住む所。
ここは 七十年代後半から 人々が住み始めました。
ここは 日本的 言い方をすれぱひどく 「不便」なところです。
マドリッドの中心街に行くまで 少なくとも1時間はかかる。
完璧な住宅街で 商売は一切禁止。 だから お店は一軒もありません。
スペイン人は毎日 焼きたてのパンを必要としているのですが それも 毎日 パン屋さんが各戸に配りに来る。 お店が禁止ですから レストランも喫茶店もありません。
この地域は 居住者以外 立ち入り禁止でしたから(現在は 公道を使っているので だれでも訪問可) パスも通っていませんでした。 だから 学校に行くのも 送り迎えが必要だし
大学は かなり遠くまで 車で行くしかありませんでした。
でも だれも ここを「不便」な場所だとは言わないんです。

先日 行ったアルカラスも 夫と歩いていて ここで仕事が見つけられたら ここに住みたい という話しをしていたのです。 住みたい場所はいくつもあります。
で 人々はどんな所に住みたいか というと やっぱり美しい場所なんじゃないかな と思います。 カソルラの住人は カソルラに住むことをとても幸せに感じてるし 住めなくて 都会に行ってしまった人たちを 「かわいそう」だと思っています。 そして 都会に出て行った人たちも お金が貯まって 何か始められるようになると (たとえぱレストランとか) 戻ってきます。

スペインに住んでいらっしゃる日本人の方達で 都会 たとえば マドリッドやバルセロナでも スペインは 日曜日にお店がしまるので スペインの日曜日は 退屈だ とおっしゃる人がけっこういます。 たぶん 居心地のいい 自分の家でのんびりして 愛してる パートナーと一緒にいて 子供達と散歩に出かけたりしたら それだけで 満足だから スペイン人は退屈 だとは感じないのではないかと思いました。

スペインは だいたい農家でも 村の中に住んで 畑にはもう一つ小さな家があり 収穫の時のみ そちらで寝起きをします。 だから 畑があって 家がぽつん というような形ではなく 教会を中心とした集落があって 畑が続き そのあとで また 集落があって また畑が続く というような感じで 国が形成されています。 だから 教会を中心とした村には 学校があり 市が立ち お祭りがあり 家から歩いてまわった範囲でだいたい用事がすむようになっています。だから 庶民の生活は とても「便利」だと思います。

不便な生活をするというのは たぶん そんなにあくせく働く必要のない生活なのかもしれません。

ドイツ人の友人 バルバラは 以前 山の上に住んでいました。
ほんとうに山の上で そこは村ではなく 山の上の一軒家です。
そして必要なものがあると ろばと一緒に村に降りてきていました。
そういう話しをすると みんなため息をついて いいわねー そんな生活をしてみたいわ と言います。 そこで 見ていた星は どこのよりもきれいだったと 彼女はにっこり笑うのです。
もう一度 若さが戻ってきたら また 山に戻りたいそうです。
彼女も もう七十。 救急車がすぐに来てくれる場所に住むしかありません。

だから 不便な生活は  リッチで 健康で 若い 人の持つ 贅沢なのだと思います。 
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アネント (Anento) サラゴサ県の村 人口78人 標高923m
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Commented by antsuan at 2007-08-17 07:29
自由と贅沢、考えさせられます。 が、日本人は貴族の生活が素晴らしいとは思っていないのかも知れません。
Commented by cazorla at 2007-08-17 08:12
あんつぁん これは基本的にヒッピー文化がなぜ日本ではおこりえなかったか ということに繋がっていくのだと思います。
ものを買うことがたのしいか
美しい風景を見ることが幸せか
どっちを選ぶか。
貴族というのとはちがうと思います。
だって貴族って スペインはだいたい貧乏で 大変な生活しています。
かかえているものを捨てる これが幸せなのだと思います。
Commented by eaglei at 2007-08-17 08:16
日本とスペイン、価値観が違うんですね~!
なるほどと、思いました。
このような素直な文章が書けるところが、cazorlaさんらしい~。
素敵なところです♪
とっても、考えさせられました。

日本は結局は人の目を気にする相対的な価値を重視するのでしょうか?
人と比べて、どうであるかと判断する。
ようするに、嫉妬深いのが日本人?

Commented by mcherry0929 at 2007-08-17 08:18
すごく興味深く読ませて頂きました。
そして考えさせられます。
確かに駅から近いと日本では土地も家賃も高いですよね。「便利」と言う事に価値が置かれているからだと思います。スペインの人はそういう事が価値ではないんですね・・。びっくりです。

私の住んでいる街も駅前が大きく変わってバスターミナルが立派になり、その広場に面して高層マンションが何件か立ち、しかも何件かは直接駅からのペディストリアンデッキに出られるように設計されています。「駅徒歩0分」といったところです。
デッキに面してスーパーもドラックストアもあります。

この忙しい国民性ならではの都市計画ですね。
確かに勤めている人にとっては理想的?な立地かもしれませんが、ここに住んでいる人は、多分、歩く必要がなくなって不健康だからと、わざわざ夜ジム通ったりするのかなぁ・・・なんて地元主婦の私は想像したりします。まぁ・・私が歩いているグランドもそう遠くはないのですが・・(笑)

やっぱり最終的には土の臭いとか自然を感じられる環境に住みたいですね。便利・・というのも魅力的なのですが・・。
Commented by cazorla at 2007-08-17 08:47
eagleiさん 
もちろん どこの国の人も 妬み という気持ちはあると思います。
それがちょっとずれたところに出ているというのもあるかもしれません。

実はいろんなことの根元は 先日のeagleiさんの記事の中の経済的問題 流通の問題 のゆがみ みたいなところにあるのかもしれません。
Commented by cazorla at 2007-08-17 08:53
cherryさん 武蔵野は やっばり理想的な場所ですよね。
東京も ある意味では 自然の多いところがたくさんあると思います。
地方都市よりかえって 線路沿いの菜の花や大根の花に季節を感じたりとか。 でも 高層住宅 たとえば50階建てのマンションとか 
たくさん人が住んでるから そのぶん 入り口にレセプションがあったり 警備員がいたり リッチな生活ができるんだけど でも なんか違うような気がしてしまうのですよ。 
なにをもって便利と思うか ですよね。
駅まで歩く道を楽しめたら それが一番快適だから そんな町作りができれば 健康的ですね。
Commented by maron415 at 2007-08-17 09:35
別に、日曜日は店閉まっていると思ってたら、そう不便と感じないのよね。
たぶん、車に乗っていなかったら、なくても不便だとは感じないのよね。
(いや、年をとって車乗れなかったら不便かな?)

セミや虫や鳥の鳴き声がうるさいのは不便???
マロンにとったら、めったにワンコも通らない環境は居心地いいのかな?
Commented by sagimon at 2007-08-17 13:07 x
最近すごく悲しいな、と思うのは、私の彼が技術屋さん的お仕事をしている彼の話をすると、渋い顔をします。

sagimonはもっと人とのつながりがたくさんあるような社会的に地位が上の人、お金もあって頭が良い人とお似合いだと思う。と。

実際に口に出してしまう人もいれば、表情から読み取れることもあります。

どうして私を勝手に判断するんだろう…。毎回悲しくなります。

私が望むのは、正にスペイン人的”居心地のいい 自分の家でのんびりして 愛してる パートナーと一緒にいて 子供達と散歩に出かけたりしたら それだけで 満足”な生活です。

田舎に住みたい住みたい、というと、田舎に住んだことがないからsagiは簡単にいうのよ、と。

確かに住んでみなくては分からないけど、きっと私は好きになるよ。と心の中で思っています。そして証明するつもりです(笑)
Commented by peque-es at 2007-08-17 13:15
「暮しやすさ」という事を考える時、どうしてもスペインと日本の「町のあり方」を比較してしまいます。

で前の「お店」に関する記事に TB させて頂こうと思って書き始めた記事があるのだけど、途中で止まってるうちに、又 TB したい記事が…(笑)
その内なんとかまとまったら、TB させて下さいね。

>不便な生活は  リッチで 健康で 若い 人の持つ 贅沢…

今の日本の社会は、健康で若い人、つまり都心部で仕事をしてる壮年とか、学生とか、そういう人なら何とか不便でなく暮せるけれど、周辺部分で一日過ごすお年寄りとか、子供の母親とかにとっては、買い物ひとつ取っても不便…そういう場所が多い気がする。不便なのに、それに見合うリッチさがないって事かな??
Commented by syenronbenkei at 2007-08-17 23:28
それがいいか悪いかは抜きにして、教会を中心にしてというのはやはりミソかなと思います。
生活の規範を何に委ねるかというのは大事なんじゃないでしょうか。
日本だって昔は村の鎮守の神様を中心に生活を営んでましたよね。
そういう文化が薄れてしまったことが、日本の田舎切捨て的な風潮につながってる部分があるんじゃないかと思えてなりません。

水は低きに流れると言いますが、それは便利なのかどうか、ですね。
Commented by cazorla at 2007-08-18 02:19
マロンママさん 車乗れまへーん。
弱冠不便です。 
夫と一緒じゅないと 隣町に行けない。
ま バスもありますが。
鳥の声で目が覚めるのは 時計が壊れた時便利
でも 休みの日も目が覚めるのは不便?(笑)
マロンと子供達には 良い環境ですよね。
Commented by cazorla at 2007-08-18 02:22
さぎもんさん うちの夫もマドリッドで育ったけど
田舎暮らし 気に入ってるらしいです。
彼は 技術屋さんなんですね。
技術のある人って スペインでは 尊敬されてると思います。
どこでも 生きていけるし。 ヨーロッパのどこでも生活できますね。
私もさぎもんさんは田舎生活 楽しめると思います。
Commented by cazorla at 2007-08-18 02:25
ペケさん 歩いて行ける範囲に全てが揃う というのが便利ですよね。
新興住宅地って 最初 不便な状態で
売りに出されますが(マドリッドで 買ったのが 新興住宅地です)
少しずつ 住んでる人たちの 要望なんかで 変わっていく
そして住民が年を取った時には ひととおり そのパリオに揃っていて
「便利」になっている。 で そこには 散歩する場所でもある という町作りがありますね。 ただ だんだん 中央で 人がすまなくなった場所の問題っていうのがありますが。
Commented by cazorla at 2007-08-18 02:27
セイロンベンケイさん 教会がみそ
なるほどなー と思いました。
教会があって広場がある
その広場で かるく食事をしたり
子供達は 遊ぶ 
その横に商店街ができて
生活の範囲ができあがっていくのですね。
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by cazorla | 2007-08-17 07:16 | スペイン 文化 言葉 | Trackback | Comments(14)

あなたに会いたくて・・・・


by cazorla