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父は 戦争に行った。
海軍で 下っ端だった。
船が 粉塵して 木のかけらかなにかにしがみついて 海の上をぷかぷか浮いていた。
何時間くらいだったのか。
年を取っていくとだんだん長くなり 最後には それは不可能だと言うくらい長くなった。
ほらを吹いてるわけではなく 自分の中で だんだん長くなってしまったのだと思う。
それは たぶん 正直な父の唯一の武勇伝だったのかもしれない。
だから 何度も 語られた。
語られるたびに少し違うが それでも 海に浮かんで がんばった。

そして 生きたまま 戦争は 終わった。
戦争が終わって 民間の船で仕事をしていた時 拿捕された。
中国につかまり 2年間 幽閉。
その時のことを訊いてみるべきだったと思う 今になって。
それとも 語りたくなかったのかもしれない。

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菅原克己氏の写真は父を思い出させる。
けっして 氏のようにナイーブではなかった。
しかし 苦しみを秘めながら 自分に正直であったということで
似ているのかもしれない。
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Commented by honn623 at 2007-08-30 09:48
親がこの世の人でなくなったときに、ようやくひとりの人間として見られるようになるのでしょうか。
人間同士として、話しを聞いてみたかったと。
懐かしさとともに。
Commented by sagimon at 2007-08-30 12:17 x
子供のときに聞く、大人の話、大好きです。
やっぱり大人はすごいなーと、色々な話を聞かせてもらったことを今でも覚えています。

だんだん成長すると、違った視点から物事を観察するようになって新しい疑問も生まれてくるのですよね。

父の話も好きですが、やっぱり今でも祖父の話が大好きです。
本を書く祖父なので、やっぱり話すのも上手なのかなと思ってみたり…。

苦しみを秘めながらも正直という部分は、私の祖父にも感じられます。
Commented by barrameda at 2007-08-30 18:16
僕の祖父もシベリアに5年間抑留。
満州での話は楽しい話(祖母と餃子をこしらえたとか)だけで戦争そのものは話したくなかったのか、ついに教えてくれませんでした。諜報部にいたせいか、日本人を殺めなくてはならない事もあったらしく、その事を終生引きずっているようでした。 今、向かい合って話せたらどんなに良かったかな。
Commented by cazorla at 2007-08-30 22:52
honn623さん 母も 最近になって 昔話していなかったようなことを話してくれるんです。 母の場合 戦時中も 山の中だから 苦労もずいぶん 父とは違うと思うし それでも 女同士で話ができるようになりつつある。 父とは 価値観も違ってたし 思春期の延長がずっとつづいているような 私の子供じみたところがわざわいして なかなか話したりできないうちに 認知症になっちゃったんですよね。
よそのおじいさんには こんなにやさしくできるのに って ・・
後悔というのとも違うんです。
やっぱり懐かしさ なのかな。
Commented by cazorla at 2007-08-30 22:55
さぎもんさん は ほんとうに 素直なよいお嬢さんなんだなーって。
私ももう少しひねくれたところがなくて じっくり 人とつきあえたらよいな と思います。 私のようにひねくれものは 外国にいると ワンステップ 考えるので 少し 素直になれます。
さぎもんさん うちの娘にも 似てる。
弟が2人いるからなのかなー。
おじいさま 本も書かれるんですね。 
どんな本なのでしょう。
Commented by cazorla at 2007-08-30 22:58
barramedaさん シベリア五年はつらかったでしょうね。
ご近所にも シベリアに抑留されていた方がいらして その時の心身のつかれで 歯を全部失っていました。
山口には シベリアシリーズで有名な香月泰男と言う画家がいて
大好きです。 

人を殺さなくてはいけない・・それは自分を殺すよりつらいことかも知れませんね。
Commented by syenronbenkei at 2007-08-30 23:39
オヤジは予科練に憧れてたらしいけど、結局終戦のほうが早くてくやしかったって、若い頃はそんな話をよくしてました。僕は小学生でした。
そんな話をしなくなったのは、やっぱり若くなくなって、四十代に入ってくらいからかな。きっと自分の中で戦争っていうのが形を変えたんじゃないかと思ってます。

いろんな方からいろんな戦争体験を聞かせてもらいましたが、ほんとの武勇伝は敵を何機落としたとかそういう話じゃなくて、生きて帰ってこれたこと、、、みたいな気がします。

僕、よく言われるんです。
あんたは戦争になったら一番に死ぬタイプだって(笑)
だから僕は武勇伝は語れないでしょう。
Commented by cazorla at 2007-08-31 03:57
セイロンベンケイさん 一番死ぬタイプって やるべきことは たとえ自己に反していても そこにいれば受け入れるしかない という律儀さ?

私の小さい時はまだ戦争のなごりのようなものが
街のなかに たしかにあったなーと
なくなってしまってから おもうのでした。
Commented by sagimon at 2007-08-31 13:59 x
うふふ。ありがとうございます。とっても嬉しいお褒めのコトバです。
素直でいたいなーそして思いやりをもって人に接したいなといつも心の中で思っているので、素直だねというのは最高の褒めことばです。

マリアちゃんに似ている、というのも、実際にお会いしたことはないですがとっても嬉しい。cazorlaさんのブログを通して、すでに大ファンです(cazorla家のguaposのです♪)。
祖父は、戦争の本が多くて(そういえば読んだことがない。恥)、子供向けの小説のようなものも書きました。
先日、3年前に亡くなった祖母に捧げる本を書き上げたそうです。10月にはできあがるみたいなので、スペインに送ってもらおうと思っています。
Commented by cazorla at 2007-09-01 00:56
さぎもんさん 大人のためのものを書く一方で子供用のお話を書く人って すてきです。
東山魁夷も こどものための本に挿絵を描いてる。
あの巨匠が・・ マリアの部屋に複製を飾ってます。

妻に捧げる本 って 素敵ですね。
どんな内容か 教えてくださいね。
Commented by syenronbenkei at 2007-09-01 19:45
いや、石にかじりついても生き抜こうとする生命力がないってことなんじゃないかと。
タイタニックって映画の中で、沈みゆく船の中、お母さんが子どもを眠らせようと子守歌を歌うシーンがあるんだけど、僕はきっとその道を選ぶような気がします。
Commented by cazorla at 2007-09-02 11:21
セイロンベンケイさん 私 テニスしている時に相手がなにがなんでも勝つぞって雰囲気だと まっ いっか と思って負けちゃうんです。
だから私も やっぱり死んじゃうタイプなのかな?
でも 一般的に 弱虫のほうが 生き残ったりしますよね。
だから 意外と私たち大丈夫かも。
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by cazorla | 2007-08-30 07:01 | カソルラ | Trackback | Comments(12)

あなたに会いたくて・・・・


by cazorla