もうひとつの9・11

1973年 9月11日 チリで クーデターがあった。

アウグスト・ピノチェトが政権を握った。
精霊たちの家
イサベル アジェンデ / / 国書刊行会
ISBN : 4336036128
は 当時のアジェンデ大統領の孫が このクーデター前後のできごとを含めて 描いています。

木村 栄一 氏の訳なのですが 原文よりもはるかに 文学的色合いが強いです

それはさておき アジェンデ大統領は このクーデターで9月11日にフィデロカストロにもらったピストルで自殺するのですが 当時の政権が必ずしも よかったわけではなく アジェンデの時代は 経済的問題が山積みされ アジェンデ自身は いつも酔っぱらっていたと言われます。
(なんとなく エリツィンとプーチンを思い出してしまいます。)

経済問題を引き継いだピノチェトは いわゆるシカゴボーイズと 共に経済の立て直しを始めます。
シカゴボーイズというのは シカゴ大学で フリードマンのもとで経済学を学んだ新自由主義の二十五人のことです。 その後 チリの奇跡と呼ばれる 経済の立て直しが この時始まりました。
新自由主義者同士で サッチャー英元首相とも 友情を暖めていました。

(ちなみに 小泉氏の郵政民営化も この新自由主義の思想に基づくものです。)

経済を立て直していく一方で 独裁者として 多くの人たちを暗殺していきました。
そして 私財をどんどん増やしていったのです。
ピノチェトが 独裁政権を維持していったのには アメリカ合衆国のあと押しがありました。
しかし ソビエト連邦の凋落で ピノチェトを維持していく 理由がきえてしまいました。
そういうわけで 政権を退きます。(こういうのは フセインを思い出します。)
The Caso Degollados (Spanish: "Case of the Slit Throats") で 1985年 共産党員 3人 Santiago Nattino, Manuel Guerrero y José Manuel Parada が殺され それに関連して最終的に6人が殺された事件 などの追求がはじまります。 そういう状況から 1998年 友人サッチャーのいる 英国に孫と共に療養ということで 滞在することになります。 その時 スペインのBaltasar Garzón裁判官により スペイン市民の弾劾を告発され 拘束されます。 (この裁判官は 正義派なのですが かなり理想主義者でもあります。
正義のために ピノチェトを訴えるのですが これは国際法の広義解釈によるものです。正義を守るためにつくられたものが 反対に ある国を弾劾するためにも使われうるという 矛盾をはらんだ 危険なものでもあると思います。 スペイン市民と書きましたが チリには 二重国籍者が 多く住んでいるので 当然 スペイン国籍を持つ チリ人ということになります。)

スペイン・英国・チリで どこの国が 裁くかという 話しになりましたが ピノチェトは 敏腕弁護士 Michael Caplan氏に依頼して 無事に チリに戻ることができました。
もしこの時期 選挙にかかわってなかったら ブレアもピノチェトを 受け入れて 英国で静かに亡くなったかもしれません。 しかし スペインに行くよりはずっとましだった。

この  Michael Caplan氏に また 新たな 依頼人がつこうとしています。この弁護士は 国際取引のプロですから。

新たな依頼者は マデリン・マクカーン失踪事件の容疑者 マクカーン氏です。

しかし この弁護士は かなり高いと思う。
ピノチェトは 6トンの金を持っていた。
マクカーン夫妻のお金は どこから出るのだろう。

いずれにしても マクカーン夫婦が逃げおおせたら国際法の網をくぐり抜ける犯罪が増えていく可能性があります。 


参考 BBCの記事 General Pinochet's dance with justice
BBCの記事 Prosecutor reviews Madeleine case

でも 容疑者である この夫婦がなぜ こんなにすんなり自国に帰れたか・・・・・
疑問に思われている方も多いと思います。
ポルトガルは 観光地として イギリスは大事にお客である。
そして マクカーン夫妻のかなり親しい友人にスコットランド人の ゴードン・ブラウン氏がいるということも関係あるのでは と言われています。
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Tracked from ポルトガル語通訳詳細 at 2007-09-12 13:12
タイトル : ポルトガル語通訳
ポルトガル語通訳に関する情報がいっぱいです。役立つものばかりです。... more
Commented by maron415 at 2007-09-11 10:27
RSS見てると同じ題名が二つに!でした。
(朝から勉強させていただきました。)
米としては、この9.11は知られたくないのだろうな。

もし、本当に容疑者ならば、
この夫婦、自分がギャーギャー言わなきゃ、
ばれなかったのにと思うのですが、
良心の呵責というか、後ろめたさというか、
こう演じなければいけないという強迫観念かが
そうさせたのかな?
Commented by honn623 at 2007-09-11 11:59
どうも、親が我が子を殺めた場合、親がマスコミに露出してくる傾向にありますね。
マデリンちゃんの事件は、そんなことになっているなんて、知りませんでした。
睡眠薬についても、こちらはまだ田舎ということなのかな。
子供に処方されたということは、聞いた事がありません。
小児科って、親へのサービス業化しているところがあって、望まれれば処方する、それだけのことなんでしょう。

シカゴボーイズって中国でいうところの紅衛兵よりは、まともだったのでしょうか。
リンク先のウィキ読めないから、読んでないけど。
Commented by KLE4c at 2007-09-11 13:53 x
ピノチェト担当した凄腕弁護士が担当って、マクカーン夫妻っていったい何者なんだ?
現首相を始めとする友達が凄いのか、ご本人達の力が凄いのか・・・。
Commented by kokia_a at 2007-09-11 15:18
親が子供を殺めるって、考えられないことですよね。
でもこういう事件多い~~!(涙)
Commented by npura at 2007-09-11 18:01
ピノチェトも最初は本気で国のことを思って行動していたんでしょうね
名誉と権力を握ると次に出てくる欲望は当然お金に向かいます
人間らしいといえば人間らしいけど、暗殺・迫害となるとこれは問題外!
同じ事をしようとしてるプーチン、彼はどうなります事やら
マクカーン夫妻の件詳しく見ようとしたら拒否されてしまいました
私は不審者・・・・?(笑)
Commented by syenronbenkei at 2007-09-11 18:45
いろんなところがつながってるんですね。
この手の知識(言い方悪くてごめん)にはまったく興味のない僕ですが、なるほどなと思わされます。

シカゴボーイズと、小泉さんの郵政民営化が新自由主義思想に基づくというのは、つい最近読んだ本(忘れた、、、麻生太郎のとてつもない日本だったかな?)に書かれていました。
で、それを引き継いだ(引き継げてませんが)安倍さんが、北朝鮮に頭を越されてブッシュに切られる様は、なんかちょっと似てないか?と思ってしまいました。
Commented by antsuan at 2007-09-11 20:46
米国って今でも自国の利益のために平気で他国の政権を転覆させる陰謀を企てますね。
9.11同時多発テロは本当はテロではないと言いたい。国防省というちゃんとした最高の軍事目標を標的にしているからです。正当な戦闘行為なのです。これから分かることは、武器がなくても戦争は無くならないということです。古代から武器は商品であり、兵器ショウもヘイキでどうどうと開催されています。弁護士が暗躍出来る世界は未だ平和な社会といえましょう。
Commented by cazorla at 2007-09-12 00:21
マロンママさん 何度も書き換えて送信してるので ダブルのだと思います。  ローマ教皇に プライベート飛行機(捜索のお手伝いをしてくれているお金持ちが貸してくれた)で会いに行ったり あまりに ダイナミックに動くのはなぜ という疑問がずっとあったらしいけど
三浦知良事件もその後 消えちゃったね。
Commented by cazorla at 2007-09-12 00:25
honn623さん  東京でもどこでもってわけでもないと思うんだけど うちの公園友は みんなそこに行っていてもらってました。
少子化だから どんどん 母親の心をキャッチ していかなくてはいけないのでしょうね。
シカゴボーイズ 経済学者グループだから 存在としては 一応機能していたのだと思います。 経済立て直したわけですし いまだに その理論で勧めていこうという 政治家も多いので。
貧乏率は上がるのではないか と思うのです。
というか たとえば 郵政民営化で田舎のサービスが消えていくみたいな少数派切り捨てではあるのではないかと 思います。
Commented by cazorla at 2007-09-12 00:27
KLE4c さん 2人で医者で 夫のおかあさんはパブ経営で 普通の家 と言う感じなんですけど・・・
スコットランドのカトリックグループのつながりが強いのでしょうか。
Commented by cazorla at 2007-09-12 00:28
kokia_aさん 昔から 貧乏で とか アル中でとか そういう理由はあったと思うけど なんか最近 冷静な人が多いですよね。
Commented by cazorla at 2007-09-12 00:34
プラーさん リンク入れ間違ってました。
一応 確認しないといつも間違えるんですよ。

ピチェトの軍事クーデター記念祭 今日行われているという記事を読みました。 暗殺はあったけど それでも 支持してる人はいまでも 多いようですね。 経済が立て直されたから。 アジェンデは 神話化されてしまっていることもあると思います。孫の小説が映画化されたり。
歴史って いろんな面から見なくてはいけないから 難しいです。
政治も同じですね。 理想論だけではいけないし 理想は大事だし。
Commented by cazorla at 2007-09-12 00:39
セイロンベンケイさん 私もこの手のことはあまり興味がないのですが
それでも あることとあることをつなげていく と言う行為が好きなのです。
これはどこに繋がるんだろうと 探していきながら ずいぶん時間を浪費してしまいます。 軍事クーデターが 9月11日だったので じゃ 今日書かなくては と書き始めました。
政権の終結が3月11日 マドリッドテロの日でもあります。
ビン・ラディンが これを見ながら日を決めたわけではないのでしょうが ちょうど 先日ビンラディンのビデオが公開されるし ピチェトの弁護士にこの夫婦が会いに行くし なんか 重なっていくのですよ。

安倍ちゃんも 重なってきますね。
歴史って 興味なかったんだけど 似たことを集めていくと ちょっとおもしろくなります。
Commented by cazorla at 2007-09-12 00:43
あんつぁん そういうのがテロなのでは・・・テロと戦争の違いは 宣戦布告があるかないか と思うのですが。 宣戦布告なしに急に という

平和ということばも 日本語だと 戦争がないこと というふうですが
子殺しのある世界は 平和とは言えない と 「平和」の定義も 少し違うように思います。

親に殺される不幸と爆弾に殺される不幸は 比べることはできません。
Commented by maron415 at 2007-09-12 10:02
すみません。説明不足でした。
同じ題名でわしさんも書いてたからびっくりしたの。
で、時代背景なんか全然わからないから
両方読んでヘェーと思ったの。
Commented by cazorla at 2007-09-12 20:29
マロンママさん ありがとう。
今 見てきました。
わたし自身 アジェンデの小説を読んだ時 戦前のような時代背景と思っていました。 ついこの間のできごとなんですよね。
Commented by eaglei at 2007-09-13 22:28
最近バテ気味で、来るのが遅くなりました。
安部ちゃんほど忙しくはないのですが、ヘトヘトです。

同じタイトルなんて、偶然ですね~。びっくり!
紹介されている本、読んでみます。
Commented by cazorla at 2007-09-14 06:34
eagleiさん やっと夏が終わったーって感じですね。
お子様達のことでも お忙しいでしょう。
私も再来週くらいから 学校が始まるので忙しくなりそうです。

本は 図書館に必ずありますし
たぶん ブックオフでも見つかると思います。
数年前に映画化されたので その時に買った人が売ってると思います。
是非・・
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by cazorla | 2007-09-11 07:18 | スペインの新聞から | Trackback(1) | Comments(18)