この夢は短いけれど たった一つの夢なのだから・・・・。 プイグ

夫は やさしい。
そして 正直である。
だから 今 ますますやさしくなったのは たぶん私の病気のためである。
小さいうちに見つけたから運がよかったねと言うと
ちっとも運なんてよくない。 腫瘍なんてできないほうが 運がいいんだ、 と言う。
そうかもしれないし そうじゃないかもしれない。
知らないでいて ある日突然 静かに死んでいくという場合もありうる。
で 夫の話にもどると 毎日 君と知り合えたことをとても感謝している と言う。
そんなに毎日 いわれると もしかして かなりまずいのか と言う気持ちにもなる。
人の善意というのは そういうものです。

時々 深い深い眠りについて 夢を見る。
夢の中で私は こどもがいない。
こどもがいなくて 他の町に住んでいる。
それでも 夢の中のわたしには腫瘍があって 子供が三人いたら この苦しみはもっとかるいのだろうか などと考えている。

私は 夫とつきあう前は 十年間 七歳年下の恋人がいた。
私たちは小犬のように仲良しで いつも一緒にいた。
彼の大学のゼミのメンバーは仲が良かったので 卒業した後も飲み会があった。
彼の大学の学部は社会人入学という制度があったので そのメンバーの一人は おばさんであった。 当時は すごく 年のいった人と思っていたけど 四十代後半か 五十くらいなのだと思う。 ダイナミックな人で いつも いろんな恋の経験などなどを 大きな声で話す。 
彼女は私を見ると いつも こどもを作りなさい と声をかけてくれた。
たぶん 長い長い春が続いていて 結婚にふみきれないでいるのをもどかしく思ってくれたのだと思う。 やさしい人なのだと思う。 それでも 避妊してるわけではなかった。 だから たぶん できないのだろうと思っていた。 あきらめていたし どうでもよかった。 いや どうでもよくはなかった。 
コンドームに穴をあけなさい と言う。
使ってないのですが とは言えない。 あいまいに笑って はい と言う。


でも なせ゛ できなかったのだろう。
もし できていたら 違う人生もありだったのか。
それはわからない。 でも もし という仮定にいろどられた他の人生なんてありえないのだ。

一番の理由は 私は自分が年を取っていくのが怖かったのだと思う。
私は彼と一緒にいるとき ぐっすりと眠れなかった。
寝顔に見える しわや 表情の中の老いを 見つけられたくなかった。

34才で 同い年の夫と知り合った時 共に老いていく 安堵感があった。
でも もしかしたら
と たまに思う。 それは やはり 間違いだったのかもしれないと。
年を取っていくのは たいした問題ではなかったのではないか。
自分がその中に閉じこめられていただけではないのかと。

いろんなもしも が私の中を交差する。
でも 今 ここにあるものが 私の人生なのだ。
心配してくれる人がいる。
それが たった一つの真実。
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Commented by barrameda at 2008-08-14 07:54
10年間、子供が出来なかった夫婦が離婚して、互いに新しいパートナーを見つけて翌年には子供が双方出来ていることって多いんだそうですね。
だから相性もあるんでしょうね。

確かに言われてみると年上の女性は歳を気にしていたなぁ。
昔、マドリードのオスタルの相部屋で男5人で「旬が短いスペイン女と旬が長い日本の女、どっちにする?」っていう愚問を誰かがして、皆(20代の男達)は「日本のオンナー!」って答えてました。

いたわってくれる存在がいるって素敵な事で、かけがえのないことですよね。
Commented by antsuan at 2008-08-14 07:58
素敵なご主人に出合えたカソルラさんは運の強い人です。
Commented at 2008-08-14 08:12
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by asami at 2008-08-14 10:00 x
旦那さまのcazorlaさんを想う気持ちは
言葉になりません。

これ以上コメントできないです。

Commented by maron415 at 2008-08-14 10:06
子どもが三人いたら、もっと苦しいかなとも思うワン。
でも、いないということで悲しいかな。

もし…って考えるって、
それだけ人生の曲がり角なのかな?
(いや、もし…って考えることあるものでね。)
Commented by toqqun at 2008-08-14 16:00
昔、私が好きだった人は1歳年下。
たった1歳の差でも、その時はそれがとても大きな障壁だった。(私にとって)
なのに彼は、私よりも年上の女性と結婚しちゃった。 フン!

>毎日 君と知り合えたことをとても感謝している と言う。
日本の男だったら、それは病状への危険信号かもしれないけど
スペイン人のダンナ様だったら、カソルラさんは婉然と笑ってたらいいと
思うよ。
Commented by akikonoda at 2008-08-14 17:28
ほんとうに、ふうっと、もしもあの時等と考える事はおんなじようにあります。

こどもがいてくれることが、こんなにも、大きくなるとは、とも思いますが。

手術の成功を祈ってます。
Commented by mai-obachan at 2008-08-14 18:23
もし持って考えること、あります。
それもしょっちゅう!

手術するのですね。
近くだったら手伝えることはなんでもしたいところです、、、。
Commented by sagisouf at 2008-08-14 18:55
小さな腫瘍。手術。ご主人も心配されてるでしょうね。
でも「小さくて、良かった」今は医学は進んでいるので小さな腫瘍なら大丈夫。元気でいてくれなきゃ・・・コマルワン!

そう、もしも・と考える時がある。その局面で自分が判断した事が今の自分の選んだ人生・・それこそが真実。・・だと思います。

私も思えば「持病があるのに、よくも此処まで来たなぁ~。すっかり、忘れて自分の人生に夢中だった」と思う。そばにいる、特に今は旦那に負担をかけないようにしてきたつもりだけど、(これは私の意地)キット、迷惑や負担をかけていると思う。

旦那様優しくて・・よかった。私の旦那はそんな言葉はかけない。
「お前は健康だ!普通には何でもこなして働ける。甘えるな!」みたいな信号しか送らない。でもこれが彼の優しさだと思ってる。
Commented by もにか at 2008-08-14 20:02 x
すぐそばに自分のことを心配してくれる人がいるだけで大大ラッキーですよ。
Commented by mimizu_biki at 2008-08-15 00:44
あ、反対だ。
何がって、カミさんと知り合うまでつきあってた子は6歳9ヶ月年下ですた。
僕の一番ひどい時期、なぜかずっと離れずにいてくれた子。
と、コメを書き始めて、今気付いたことが。
あの子が僕から離れたのは、僕がようやく仕事を始めて生活が安定しだした頃だった。。。
もしかしてそれを待っててくれてたのかな?
その後彼女は同い年の男と結婚して、僕より1年早く子どもが生まれて、第二子は僕より1年後で。
今年の年賀状には、ダンナの名前がなかった代わりにケータイの番号が手書きで書かれてたんだけど・・・。
結局電話できずじまいでいます。
ちょうどカソルラさんがブログを休止していたときに、ハガキの一枚が出せなかった気持ちに似て。
他人のやさしさはむさぼるけど、他人にやさしくすることはできない僕だな。

カソルラさんの手術の頃、もしかすると行ってらっしゃい、お帰りをお待ちしてますって言えない状況にあるかもしれない(^^;)
私生活がちょっとせっぱ詰まってきてます。
Commented by cazorla at 2008-08-15 01:21
barramedaさん その五人の国籍は?(笑
日本女性は 冷蔵庫のように冷たいという風説もあるらしいです。
スペイン女性のように 熱くはなれないかも。
同級生っていいもんですね。
たまに 若い男性も 素敵に見えますが。
スペイン人の場合 「年下の男の子」と 思えるのは かなり下でないとむりですね。 三十八でも  おやじっ て感じの人ばかりで。
でも あまりに若いと たいへんそうだ。
Commented by cazorla at 2008-08-15 01:22
あんつぁん 小さい時から 運は強い と思ってます。
くじ運も子供時代強くて(笑)
プログのお友達運も強いです。
Commented by cazorla at 2008-08-15 01:23
かぎこめさん 初めまして。 コメントありがとうございます。
後でお伺いします。
Commented by cazorla at 2008-08-15 01:53
あさみさん やさしいコメントありがとう。
時々 おもしろいことも言ってるんですけど
今回の記事にあわないので 割愛。 
手術失敗してもアホになるだけやでーとか。
Commented by cazorla at 2008-08-15 01:53
マロンママさん きっと 脳みその中で自分の状況 ほんとのところはわかっていて 自分をなぐさめるために 夢が機能してるのかな と思います。 
もし は 考えますね。
不惑の四十代 っていうのは 実は 惑ってしまうから あえてそういうことばがあるのかも と 思います。
Commented by cazorla at 2008-08-15 01:54
とっくんさん このくらい年をとると 七歳だって おおざっぱに同世代なんですが 若い時はちがいますよね。
赤ちゃん時代 2ヶ月違いでも すごい差だったし(て 飛躍しすぎ)
その時の状況にもよりますね。
でも 今が一番 と。
Commented by cazorla at 2008-08-15 01:54
あきこさん いろんな選択肢があったようで
実は なかったのかもしれないですね。 実はその道しか見ていなかった。 それでも いろんな想像は 楽しい。 
そして いろんな思い出を大事にしていきたいと思います。
Commented by cazorla at 2008-08-15 01:55
まいさんも やはりありますか。
いろんな風に考えると 今 と 自分が 見えるような気もします。

近くだったら・・・・
もう 引っ越しちゃおっ。
とりあえず 今回は こども達を ゆうパックで 送りますので世話してやってください。 あ ゆうパックなんてないのか。。。
Commented by cazorla at 2008-08-15 01:57
さぎそうさん の 強さって その持病とのつきあいがあるからなんでしょうか。 ささやかなことがどうでもよくなるというか。
大事なもの ほんとうに気にしなくてはいけないもの をしっかり 見ていくようになっていくのでしょうね。
心理学なんていっても 肉体が抱えているものが 結局は 考え方や生き方に 影響していくということは大きいと思います。 
どうぞ からだにこれからも気をつけて。
たのしみましょうね。
Commented by cazorla at 2008-08-15 01:57
もにかさん
ほんと ラッキーな私です。
同い年だから 長生きしてほしいなと 思ってます。
一人で残りたくないと。
Commented by cazorla at 2008-08-15 01:58
ミミズベンケイさん 
うちひしがれたダメなあなたが魅力的 と思っていたのかも

こちらこそ はがきの一つも出さずに。。。
そんなに大変なことではないので 
たぶん セイロンベンケイさんのわたくし事のほうが
ずっとたいへんなことだと思う。
私は単にこわがりなんです。
でも その前に 住所を知ってる方々には 一応 お礼状を送ろうと思ってます。 
あんつぁん みきさんによろしくね。
Commented by rorie at 2008-08-17 14:27 x
記憶の呼び水になるような記事です。
わたしも旦那さんの前に10年付き合っていた人がいました。
5つ年上。とても寂しがり屋でプライドの高い人だった。少々疲れてしまったところに、4つ年下の彼と出会ったんです。

その人とのもしもは、不思議とあまり考えません。きっと、付き合っている当時も未来のことはあまり考えたことがなかったんだろうな。
野心家でした、疲れるほど。
今もそうなので、大丈夫かなとは思うけど、それは全然愛じゃない。

不安を分け合うと嵩は大きくなるけど、軽くなる気がします。なんとなく。
Commented by cazorla at 2008-08-17 17:32
rorie さん

この間 手紙もらったんですよ。
ちょっと悲しいことがあったらしくて
で その悲しみに対してなにもしてあげられないなーと
年が下だから きっと そう思うのでしょうね。
rorie さんちは 現在が年下なんですね。
冷蔵庫のものがだしっぱなしだー の。

すっごいじじばばになって昔語りをしたいな と思います。
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by cazorla | 2008-08-14 07:16 | 思い出 | Trackback | Comments(24)

あなたに会いたくて・・・・


by cazorla