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歩いていると 私より 少し先に 中年の男性の背中が見える。
家から 年をとった女性が顔を覗かせる。

『あの 今 何時ですか?』

家から出てする質問としては ちょっと変なので
男性は スタスタと歩き続ける。

『すいません、
あのー 今 何時ですか?』

家の中に時計がないのだろうか。

男性がやっと 答える。

『えっと 三時 十五分だよ。』

『ああ ありがとう。 三時十五分ですね。
四時に 孫が来るんですよ』

女性は一度 中に引っ込む。

しかし 私が 前を通りかかると また 顔を覗かせて
質問する。

『あのー 今 何時ですか?』

二分も経っていないと思う。
それでも答える。

『えっと 三時 十五分をちょっと過ぎたところです。』
『ああ ありがとう。
いえね 四時に 孫が来るんです。』
『お孫さん おいくつ?』
『12歳と9歳。
私に何か持ってきてくれるみたいなんですよ』
『そう それは よかった。
素敵な午後をお過ごしくださいね。』

時間を訊く。
それが 世界と結びつくただ一つの共通点のように。

母が 夏頃から よく 日付をきいてきていた。
今日は なんにち?
今日は 何曜日?

時として 朝 教えたばかりなのに
お昼にもう一度聞く。
夜にまた聞く。

カレンダーの日付を消す。

ああ 間違えて 明日のを消しちゃった。

ええっと 今日はなんにち?

それが 世界との ただ一つの共通の話題ででもあるかのように。

それは きっと 今にも その話題が途切れたら もう世界と結び付けない
そんな 危険を持っていたのかもしれない。
ほんの少し 気をつけてあげるべきだったかもしれない。
危うくて あやうくて
うまく バランスを取れなかったのかもしれない。
転ぶ可能性は そういうところに隠されていた。

秋の終わりに 朝顔の種を取ってきた。
12年前 この村に朝顔はなかった。
10年前 初めて 朝顔を見た。
毎年 少しずつ 増えてきた。
9月の新学期に忙しくて 種を 取り損ねていた。
でも 昨年は しっかり 待って 取った。

母のところに持って行って 来年 一緒に植えようね と言った。
小さな ガラスの瓶に入れて 大事に 植えられる日を待っている。

小学校の夏休みのように 朝顔の成長絵日記を書くのもいいかもしれない。

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by cazorla | 2016-01-26 03:15 | 思うこと | Trackback | Comments(19)

春が来る

ここのところ 少し暖かくなってきました。

散歩に出て アーモンドの花を手折ってくる。
母の枕元に飾る。
できるだけ 母といようと思っていたが
体力をつけようと 先週の水曜日に決意して
週に三回 プールに行くこと
毎日 犬のみかんを連れて 山歩きをすることにした。

自分に 力がないと 人に希望を持ってもらえない。
一所懸命 やりすぎて 背中が痛くなった。
それでは かえって逆効果。
だから 自分の時間 と 自分の体力を持って
元気いっぱいで母に会いに行く。

お見舞いで 里芋 山芋 糸こんにゃくを バレンシアから送っていただいた。
久しぶりの 煮物。
山芋は 切って 酢醤油。

一緒に食べながら 話をする。

昔の話や日本のこと
食べ物のこと

『夜と霧』という アウシュビッツで 生き残った精神科医の本。
生き残るためにした三つのこと

ひとつ 愛する人の面影に話しかける。 その瞬間 その人が生きているかどうかは考えずひたすら愛する人の姿を目の前に想像し話しかけ 想像の中で その人の返事を聞く。
ふたつ 1日に一度はジョークを言う。 ユーモアは大事な人生のスパイスだというのはどんな状況でもほんとうです。
みっつ 1日一度は 何かに感動する。 美しい夕日 野に咲く花 水の流れ 土の中から飛び出した小さな芽・・・・等々。


いっぱい 笑って
いっぱい 美味しいものを食べて。

糸こんにゃくと里芋の煮物を 食べた母が
『ああ 美味しい こんなおいしものを食べたのは 生まれて初めて』 と言う。
『昔 食べてたでしょ?』 と言って 二人で大笑いする。

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アーモンドの花


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我が家が見える。

春みたいなお日様で 母の気持ちも和らいでるようです。
まだ 歩けないけど 部屋の中は どうにか動いてます。
食欲は 私以上。



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by cazorla | 2016-01-25 01:28 | カソルラ | Trackback | Comments(8)

生きる力

少女時代を一緒に過ごした犬がいる。
黒い柴犬。
これ以上 頭の良い犬はいないと断言できるくらい賢くて
ユーモアのある犬だった。
犬嫌いのおばさんに出会うと
近寄って お尻をクンクンして
うわっ 臭いって顔で 体をよじって
失神するふりをする。
周りで それを見てる人は 笑いをこらえる。
おばさんは 大急ぎで逃げるように 去る。
誰しも パンツのにおいに関しては 自信を持って無臭だとは言えない。
夜 私が寝ていると 時々 きて 布団をトントンする。
それは 私が寝相が悪くて 布団を脱いでしまうから。
冷蔵庫だって開けられた。
朝 日の昇らないうちに 出かけて 一緒に山を走り回った。
昭和40年代の地方都市は 野犬もまだ多かった。
だから 私たちの散歩には 30匹の野犬がお供をした。
私の犬は 彼らの王だった。

だから 彼が年取って おまけに睾丸に顔を患い 歩けなくなった時は 悲しかった。
彼を抱っこして 思い出の場所に連れて行って 
ほら ここ 一緒に歩いたよね と言った。
その時は もう私は実家に住んでいなかった。
『僕は もう 歩けないんだよ』
と 彼の目は 語った。
それでも諦めず 腕に抱えて歩き回った。
彼は 悲しそうに 私を見ていた。
そして 食事をするのをやめた。
大好きな 赤身の牛肉も もう彼には なんの魅力がなかった。
そして 静かに 私の腕の中で死んでいった。

歩いて と願ったことは 彼を苦しめただろうか。

母が倒れた。
年末にc一度倒れて 痛い 痛いと言いながらもなんとか起き上がった。
そのあと また 倒れて トイレに行くのが苦痛のようだった。
夜だけでも オムツをしたら と言ったら
目が急にきつくなった。
これは プライドの問題なんだ。
そして また 倒れた。
冬は 体が冷える。
筋肉が冷える。
うまく 足が動かない。
倒れやすい。

母の脚をマッサージする。
信じられないくらい 冷たくなっていた。
爪が伸びていた。
そういうことを気をつけてあげていなかった。
爪を切ってあげる。
マッサージを続けて 足がだんだん温かくなる。
ポータブルトイレを部屋の片隅に置くことにする。
母は 承諾した。
母は もう 5mの廊下を歩いて行くのが苦痛なのだ。

それでも 歩かないと 本当に 歩けなくなるから 練習しようと言うと
母は 悲しそうな顔をする。
痛いよ という。
もう あまり本が読めなくなった と言う。
耳が遠くなって テレビもよくわからなくなった と言う、

それでも 生きていてほしいと思うのは 娘のエゴであろうか。

それでも 私が 用意する食事を美味しい美味しいと言って 食べてくれる。
おいしいと感じること。
オムツをつけない と頑張ることは
生きる力なんだと思う。


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by cazorla | 2016-01-17 16:54 | スペイン年金生活 | Trackback | Comments(22)
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まず 朝ごはん。
今日は雨。
コルドバに珍しく雨。

朝ごはんの後 ショッピング。

そして 食事。

食べまくり。


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食後 雨が止んだので 一緒に一枚。


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by cazorla | 2016-01-12 18:55 | アンダルシア | Trackback | Comments(8)
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明日11日は娘の誕生日です。
二十歳になります。
今年は 3日に コルドバに帰ってしまったので
6日のロスコンデレジェスが食べられませんでした。
★ロスコンデレジェス:6日に食べるパン菓子★
だから お誕生日のケーキをロスコンデレジェスにしました。
明日 コルドバに持って行きます。
あんぱんも作りました。
娘はあんぱんが大好き。




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by cazorla | 2016-01-11 07:55 | こども | Trackback | Comments(14)
先日のせた犬のみかんと末っ子の写真が 好評だったので
全部 載せます。

うちの息子には  アレルギーがあります。
動物の毛とオリーブの花粉と小麦の花粉。
だから  みかんを引き取ることに躊躇がありました。
引き取った後も ずっと心配していました。

でも 先日 新聞に アメリカの大学 (どこだったか 失念)の研究で 
犬を飼うことで アレルギーが 治るというのを読んでホッとしました。
本当かどうか まだ わかりませんが 今のところ 息子は 毎日 幸せそうにしています。

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子供がなかなかできなくて 子供の代わりに犬を飼い出した途端に妊娠した というのもよく聞きます。
多分 犬との生活で ゆったりして 体がうまい具合に作動するのでしょう。
アレルギーが治るというのもそういうことかもしれません。
ストレスが多いと アトピーが増えますから。


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by cazorla | 2016-01-10 07:59 | スペインの新聞から | Trackback | Comments(8)

年末から ちょっと調子を崩したのは どうやら 天候のせいだったようです。
雨が 降る前で 雲が 多くなって 気圧の変化とかなとかで 
体の循環が悪くなってしまった。

数日 続いた 雨も止んで 今日は久しぶりの晴天。
みかんを連れて 夫とお山にピクニック。
そう 二人だけ。
子供達は もう それぞれに用事が あって 急に言われてもねーって。
つまんないですね。



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丸く見える植物は トミージョ。 タイムです。
もっと高いところに行くと ロメロ 、 ローズマリーが あって
もっと高いところに行くと ラベンダー。

空気が タイムの匂い。
たくさんとってきて お風呂に入れます。
静かだから 動物たちの声が聞こえる。
鹿の ウォオオンという声や 小鳥たちの声。

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お墓を見つけた。
普通は 山にお墓を作れないから 多分 マスコットの墓。
日付が付いてました。
ペットボトルで作った花も飾っていた。

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赤い矢印のところ 見えますか?
ロシンがあった。
ビオラやバイオリンの弓につける油。
あれって 松から出てくるんでしたっけ?


気持ちの良い1日でした。




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by cazorla | 2016-01-09 02:42 | カソルラ | Trackback | Comments(12)
年末 突然 息ができなくて 目が覚めて 
それが 年の始まりでした。
目が覚めた後も 声が出ず 
でも 病院に行くほどじゃないし
と思いながら しんどくて ぐずぐずしてましたが

1月6日は ナビダ(クリスマス) つまるところ キリスト生誕祭の締めくくり
ロスコン デ レジェス を食べる日。
起き上がって 作りました。


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パン菓子です。
シンプルにパンなので 生地がちゃんと ブリオッシュじゃなくちゃ 美味しくない。
売ってるのは 値段を極端に抑えるために 生クリームで ごまかしている。
あと フルーツの砂糖煮も 出来立ての柔らかいもの。
これも 1日前に 作りました。

今年は なかなか うまくできて マリアはもう コルドバに戻っていないので 子供は二人だけだったのに
あっという間に なくなりました。
小麦粉 1キロで 二個作ります。

寒いので ほぼ 家での生活。

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みーちゃん 犬のくせに 暖炉から 離れない。



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末っ子 とっても みーちゃんを愛してます。
結構 嫌がられてるけど。

14歳。


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by cazorla | 2016-01-07 05:01 | スペイン 文化 言葉 | Trackback | Comments(11)

あなたに会いたくて・・・・


by cazorla