煮豆のある柔らかい構築
2012年 06月 18日
Construcción blanda con judías hervidas (Premonición de la Guerra Civil)
Soft Construction with Boiled Beans (Premonition of Civil War)
1936年 市民戦争の始まる六ヶ月前に描き上げられています。
すでに 市民戦争はさけられないと感じていた その気持ちが アグレッシブのタッチに現れています。 そして この形の安定性のなさに 不安を感じさせます。
これは ゴヤの我が子を食らうサトゥルヌス Saturno devorando a un hijo、 特に頭が似ていると言われています。 ゴヤの作品からインスピレーションを受けたのでしょう。
自分の子供に殺されるという予言から 自分の子供を次々と食べてしまったサトゥルヌス。
人間は 不安な気持ちの時 どんな狂気にも陥ります。
それが 戦争の一番こわいところです。
ダリ自身 妹が むごい殺され方をしました。
この不安の中を生きた人たちのことを考えていると ふと 鄭念Nien Cheng
のことを思い出しました。 毛沢東の時代 文化革命の時に 6年間 独房生活をした鄭念。
なにもない狭いコンクリートの箱の中 一匹の蜘蛛に話しかけて 孤独に耐えていたそうです。
わたしたちは 生きてそこにある小さな命にいやされます。
それは人間は特別なのだという気持ちではなく自分が 自然の一部なのだというへりくだった世界観に裏打ちされています。
この写真当時 七十六歳。
美しい方です。
6年間の独房生活のあと 娘の死を知り
それでも生き続けた 強靱な美しい魂。
世界を支えているのはひとりひとりの毅然とした魂。
確かに。。
人間は 不安な気持ちの時 どんな狂気にも陥ります。
それが 戦争の一番こわいところです。
負の連鎖が一番怖いですよね!
それを断ち切ってくれる救世主のような魂が人間の個々にあるはずと
信じたいです。
何かに恐れを感じるとき凶器を手にするのでなく、
何かに愛を感じ信じる事ができる地球人でいたい。
狂気になる これが一番 危険ですね。
情報社会といっても あまりにたくさんの情報を
どのように自分の中で消化していくか。
いじめの問題も 根っこはすごく似ていて
大衆が 自分の頭で考えないで流されてしまう。
そういうことですよね。
若い頃は 分かってなかったなあ。
そして本当に美しい物を見ると癒されるし励まされます。
このnien chengさんのように知られざる美しい人達が
世界にたくさんいる事を思うと気持ちが明るくなります。
少しでも近づけるように日々生きる事は
私にもできるしね。