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BirdWingさんと読む ノルウェイの森

村上春樹の「ノルウェイの森」について 興味深い記事を読んだので 少しだけ書いてみたいなと思いました。
 こちらの記事です。

ノルウェイの森


[映画] ノルウェイの森


 若い頃に感じたことも書いていて あ そうか 若い時代の男性はこういう風に感じるんだと。 村上春樹を嫌いな人がどんな風に読んでいるか そういうことも わかりました。 (この記事の筆者は 否定的に書いていません。 高い評価をしています。 そして 村上春樹をとても好きな人です。)
 「ノルウェイの森」が ベストセラーになったとき 正直に言えば 違和感がありました。 春樹は決して 売れるタイプの作家では ないと思っていたから。
「風の歌を聞け」を群像で読んだとき 衝撃を受けた。 
 あの時代は たくさんの新世代作家の生まれた時代で  話題作のあと 続かない人も多かった。
 田中理恵の「おやすみなさいと男たちへ」とか。。。
 春樹に続けてほしいと思った。 切実に 次の作品を読みたかった。
 初期三部作や 午後の最後の芝生 評論家たちにこき下ろされながら 書きつづけた。 そして 「ノルウェイの森」。 この小説が 大ヒットして ますます 評論家の批判が集まった。 100%の恋愛小説というキャッチが受けたのか 色んな人が読み始めた。
この小説を読んだとき 私はまず ジョン アービングの「ホテル ニューハンプシャー」を思い出した。 現実から遠くにありながら 現実を越えて 現実に戻っていく。 完璧なる作り話が ありもしない作り話が 最終的には 現実を忠実に映し出す。 ジョン アービングの作品は 「ガープの世界」や「サイダーハウスルール」など 現実に一般的には認知されていない現実を描きながら そして とんでもないカオスを通して 最終的に真実につなげていく。 ある評論家が ジョン アービングの作品が とんでもないストーリーを書きながら 見世物小屋的大衆小説にならず 美しい文学として 人々を感動させるのは 彼の偉大なる魂によると 書いていた。 
そう言う 意味合いで 私は ジョン アービングを思い出した。 春樹が ジョン アービングの熱心な読者であると知ったのは ずっとあとのことです。

そして「ノルウェイの森」。
 BirdWingさんの次の指摘

 『「僕」は直子と寝るべきではなかった。もしほんとうに彼女を愛していて、彼女のことを真剣に大切な女性として考えているのであれば、20歳の誕生日の夕方 に、彼女と身体を重ねることを抑止すべきだったと考えます。少なくとも彼女が混乱から解放されて、精神の均衡を取り戻せるようになるまでは。それが10年 先なのか20年先なのかわかりませんが、「僕」は彼女の回復を待つべきではなかったのか。』

 これが 男の人の一般的な感じ方なのかどうかわからないけれど けっこう 私には新鮮でした。 私は 「僕」は愛してなかった というのは あきらかなことだと思っていたから。 「僕」が愛してる かどうかで この本の読み方もずいぶん違ってくると思います。 前提がまったく違うのだから。 私はむしろ 直子のほうが 僕を利用しているように ずるく感じていました。 そして 心の片隅で 助かりたいと言う気持ちもあったと思う。 ヒーリングとしてのセックス。 これは 風の歌を聞け のテーマでもあり ホテル ニューハンプシャーのテーマでもありました。 
あの 状況では 「僕」が 仮に 寝なかった としても 直子の混乱は避けられなかったと思う。 混乱の種類が 変わっただけで。 結局 直子は 自分という存在から 出て行くことはできなかった。 僕 に 抱かれることで 癒される かも しれない そう 思っていたのだと思う。 春樹がのちに これは 成長の物語だと 書いていますが 成長を拒否した 直子は 死ぬ以外仕方がなかったのだと思います。

 BirdWingさんの記事からの引用です。

 『そしていま、ふたたび古い本を開いて、次の行を読んでとても揺さぶられました。
 「ほんとうにいつまでも私のことを忘れないでいてくれる?」と彼女は小さな囁くような声で訊ねた。 「いつまでも忘れないさ」と僕は言った。「君のことを忘れられるわけがないよ」

映画には登場しなかった37歳の「僕」と同じように、ぼくも混乱しています。 そして直子に関する記憶が僕の中で薄らいでいけばいくほど、僕はより深く彼女を理解することができるようになったと思う。何故彼女がぼくに向って「私を忘れないで」と頼んだのか、その理由も今の僕にはわかる。もちろん直子は知っていたのだ。僕の中で彼女に関する記憶がいつか薄らい でいくであろうということを。だからこそ彼女は僕に向って訴えかけねばならなかったのだ。「私のことをいつまでも忘れないで。私が存在していたことを覚え ていて」と。 そう考えると僕はたまらなく哀しい。何故なら直子は僕のことを愛してさえいなかったからだ。 忘却とともに深まる理解もある。けれどもすべて失われた後のことです。記憶のなかに生きることは難しいけれど、生きつづけている記憶がぼくを混乱させます。ぼくはいま、どこにいるのだ?と。(2010年12月27日観賞)』

女って 覚えていて欲しいのです。 トリュフォーの『突然 炎のごとく』で 主人公が恋人と一緒に車に乗って夫ににっこり笑って挨拶する そして そのまま 崖から 飛び落ちる。 車ごと。 女はずるいのです。 ずるいけど 切実で 寂しい。 忘れないで欲しい。別れた後も ずっと覚えていて欲しい。 別れた理由が たとえ女のほうに 別の男ができた と言うことであっても。 そして 直子は 愛してなかった男に 覚えていてね と 楔を打つのです。 忘れないように。 たとえ 誰か他の人と一緒にいても 私が そこにいる。 私の一部が そこにいる。

 もっと書きたいことがあるのですが うまくまとまりません。

 いつか じっくり BirdWingさんと 話してみたいと思いました。
 彼のしっかりしたブログの文章にトラックバックするのはおこがましいような 独り言ですが。

ちなみに 春樹によると ノルウェイの森ということばは ノルウェイ語では悲しい と 同時に幸せな 楽しいけど さびしい そよう言う 相反することを表しているそうです。



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Commented by おーやま at 2014-03-09 17:10 x
アンサーソング ならぬ アンサーブログ
書いちゃいました。
突っ走るように書いちゃった。疲れた〜
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by cazorla | 2014-03-03 07:09 | おすすめのもの | Trackback | Comments(1)