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村の生活

アガサ クリスティの マープルシリーズでは 田舎の村で殺人がよくある。

それについて 訊かれたときの作者の答え

小さな共同体というのは 人と人の結びつきが強いので

磁気の力が少しずつ堆積していくのです。


村というのは不思議な力を持っている。

それと同時に 小さな村は だいたい みんな 知人というか 顔見知りだから

噂話をしていても もりあがる。

東京だったら 『●ちゃん 離婚したんだって』

『●ちゃんって誰』

『知らないの?』

『知らない』

で おしまいだけど 

我が村 カソルラだったら

『△ちゃん 離婚したんだって」

『△ちゃんって ○ちゃんのいとこで自分のこと美人だと思ってる人でしょ?』

『そうそう うちの義弟の同級生と結婚していて』

『ああ 角のタバコ屋の長男ね。 オリーブもかなり持ってるそうだし』

『そうなの。 でも そのオリーブ△ちゃん 半分もらっていくのよ』

『あらあら 大変。 でも なんで離婚することになったの?』

『だんなが ミレニアムって パブ知ってるでしょ? そこのオーナーの奥さんとつきあい始めて』『え その子 うちの娘の中学の同級生のいとこで あなたのいとこのPちゃんとけっこんしているYチャんのお姉さんじゃない?』


なんて具合にえんえんと続く。

そして そのえんえんと続く 話ができるように 登場人物に関する勉強はかかせない。

いつも 目を光らせて 新しい登場人物が出てくるたびに どこに住んでいるか 家族構成とか 村の中に 血のつながりにある人がいるのかいないのか 色んな情報を仕入れる。


引っ越して来たばかりの時 驚いたのは 突然 まったく見たこともない(と 少なくとも私達は思っている)人が うちにドアをノックして 私達の車の窓が開いたままになっている と教えてくれたことだ。 彼女は車の持ち主が どこに住んでいるか知っていたのだ。

私もここに住んで11年になったけど 車なんて 乗せてもらわないかぎり 区別がつかない。


娘が小さいときは 踊りを習っていた。 発表会で着る衣装を仕立て屋さんに頼んだ。 名前も訊かない なにもきかない。 ただ 出来上がったらお知らせしますから。。って。

電話番号もひかえず。

でも ちゃんと お針子の女の人が お知らせ に 来てくれました。

村の磁力。


先日 教会主催で コンサートがあった。

娘がフルートを吹き コンセルバトリーの同級生がピアノとヴィオラを弾いた。

すてきな三人組である。

プロとはいえないけど たまに演奏して お小遣いは自分で稼ぐ。

スペイン公共放送の脚本家だったペペは 特別招待客としてそこにいた。

教会の人が 接待で彼の横にいる。

軽く説明。


『あの フルートを吹いている女の子はヴィエハ広場近くに住んでる あのきれいな 日本人女性の娘さんです』

『ああ もちろん 知ってるよ。 あのきれいな 日本人は僕の友達なんだから』




まあ そういうことをペペに聞いたという それだけのために長々書きました。

純日本人は私とうちの母だけの田舎なので たいしたことではないんだけど

あの きれいな

という装飾されたことばで語られるとうれしいではないですか

村の生活_e0061699_18502803.jpg

Commented by inuman at 2014-09-14 22:59 x
たしかに!(笑)
Commented by cazorla at 2014-09-15 07:05
inumanさん😄
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by cazorla | 2014-09-13 18:53 | スペイン 文化 言葉 | Comments(2)

あなたに会いたくて・・・・


by cazorla