マリア イタリアにいるんだって
と 長男が言う。
何? イタリア?
授業があるから 週末だけのイタリア。
へい 贅沢だぜ。
イタリアに友達がいる。
ヨーロッパには エラスムス奨学金制度というのがあって 大学4年間のうち 一年を
ヨーロッパの他の国で学ぶことができる。
奨学金は アパート代で消える程度だが いい経験になると思う。
ほぼ 三年生の時に行く。
友達は バイオリンを弾いている。
トスカーナの街で 今 勉強している。
正確に言えば 彼女は 友達の恋人。
マリアと同じフルートを同じ先生について学んでいる男の子の恋人。
男の子はベルギーに エラスムスで行っている。
一学年上。
マリアもできれば来年行きたいと思っている。
恋人同士が 別々の国で 学んでいると やっぱりいろいろある。
マリアの友人の男の子 Oくん。
すんごい真面目な男の子。
うちにも一度遊びに来たけど 今時 こんな真面目な子が居るんだと思った。
その彼が ベルギーで 好きな人ができた というか 付き合い始めた人ができた。
ベルギー人の女の子。
真面目でなかったら 多分 その場限りの恋 アバンチュールと軽い気持ちで付き合ったと思う。
でも 彼は何と言っても真面目なので すぐに イタリアにいる恋人に連絡した。
他の人と付き合うことになったから。。。
彼女 すぐに マリアにメール。
うちの娘になんか相談するんだ。。。ふふっと 思いましたが。
そういう話を 先日聞いた。
たぶん 火曜日か水曜日。
『私 慰めてあげなくっちゃならないの』
『ふーん」
その慰めが 電話でもメールでもなく 直接だなんて思ってもみなかった。
世界は 狭くなりつつある。
知らないうちに トスカーナ。
我が家の食卓の話題。
『でも 思うけど イタリアって恋の国だし
イタリアに行った方が 別の人と付き合う可能性高いのにねー』
『ベルギーだったら 真面目でちっともおもしろくもなんともない Oでも
すんごい 魅力的なのかもねー』
『イタリアの女の子 可愛いから スペイン女子は ほぼ 可能性ないんだねー』
「競争激しいから』
『ベルギーの方が スペイン優勢だね』
失礼な家族である。
ローマの休日。。じゃなくって トスカーナの休日。
いいな イタリア。