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差別って本当にあるの?

日本人は特に日本国内で静かに暮らしているから、日本を一歩外に出ると中国人と呼ばれるのが嫌いだ。
いきなり「チノ(チナ)」の路上で叫ばれると不快ですが、だからといってそれが必ずしも差別ということではないと思います。

息子がいじめにあっている時 に、周りのスペイン人は「それは差別じゃないの!」と怒ったが、私は差別として一つのカテゴリーに入れてしまうことに疑いを持った。
確かに息子は「チノ」と呼ばれて殴られた。
しかし、「チノ」とは、それ以外に彼を罵る言葉がないから出て来たこと。
そして本人が一番不快に感じる言葉だから使われていたのだろう。

第一、「醜い」とはいえない。
チビ、痩せ、デブ、のろま、ばか。
あらゆる罵りの言葉がどんなに頑張ってもいえないのだからチノと呼んでしまうのだ。

それに、チノにチノって呼んで何が悪い、と私は言った。
チノは中国人。
私たちは中国人じゃないとあなたは言うかもしれない。
でも私たちは東アジア民族。
ほぼ同じような民族なのだ。
7世紀に多くの中国人、それも文人たちが日本に来た。
そして帰化した。
母の故郷は、大分県の日田市だが、どうやら中国人がその頃にたくさん来ているのではないかと言う。
それは、例えば、亀山公園を日田では「かめやまこうえん」とは読まない。
きざん公園と呼ぶ。

チノと呼ばれて怒るのは、私たちの心の中に中国人に対する差別意識があるからではないですか?

息子のいじめ問題は、高校に入って、身長が伸びたことで自然と消えてしまった。
いじめっ子たちが、へこへこと頭を下げて握手を求めるようになった。
もしも「差別」なんて哲学的な意味合いがあったのなら、背が高くなったことくらいで消えるものではないだろう。

チノと呼ばれて、私以上に傷ついていたと思う。

日本人ならチノやチナと呼ばれても実は大したことじゃないんだと、私は思う。
差別だ、差別だと騒がずに、そう言う人たちはただの不躾な人なのだと思えばいい。

考えてみて。
息子は父親がスペイン人だし、スペイン国籍も持っている。
それでチノと呼ばれるのは辛いと思うよ。

あとね、中国が一人っ子政策をしていた頃、中国で不要とされてしまった女の子たちが養女できてる。
彼女たちはほとんどの場合、赤ちゃんの時に来てるから、家族に大事に育てられ自分が家族の一員だと思ってる。
そんな彼女たちが幼稚園に入った途端に「チナ」と呼ばれる。
それもやっぱり辛いと思うよ。

でもね、言ってる方は対して意味なんか考えてないんだ。
なんとなく口について出る。

娘が赤ちゃん時代、まだ東京に住んでいる時に、「可愛い」と叫んでくる女の子たちがたくさんいた。
娘は恐怖で、人嫌いになったし、コンプレックスを持った。
他の違う顔であることに。
可愛いって褒めてるんだからいいじゃんと思う人もいっぱいいる。
確かにチノよりマシかもしれない。
ただ、ここで共通なのは、言われる相手の人格を全く気にしてないと言うこと。

誰かが、スペイン人に「ドイツ人」って言ってもなんだって感じだろうけど
「モロッコ人」って言ったら不快に感じるんじゃないかなって書いてたけど
それはやっぱり違うと思う。
民族ってことがわかってない。
ドイツ人はゲルマン民族だし、モロッコ人はアラブ系。
民族が違う。
それはやっぱりちょっと違う。
違うし、そう言った人は少なからず日本の価値観で物を言ってる。
だって、スペインでは、モロッコ人だからって特に差別してない場合もあるし、
反対にドイツ人に対する差別は目を覆いたくなるほどひどいってことを実は日本人は知らない。

差別ってね、少なからずあることは事実。
でもね、なくならせようとしても無理なんじゃないかな?
じゃあ、我慢するのってあなたは訊くかもしれない
いや、我慢んするってことじゃなくて、差別があるってことを受け入れるんだ。
差別はある。ここにもあるしあっちにもあるし、どこにでもある。

そのことを全ての人が知ること。
チノって言ってる子、君がどこか他の地域に旅をすれば、そこにはちょっと気分の悪くなるようなことがあるかもしれないよって
そう言うことを知れば、少しは変わるかも知れない。

差別は空気みたいなもので、いつもそこにあると思う。
でも、差別だ、差別をしちゃいけないって大騒ぎしない。
だって空気みたいなものじゃないか。

チノって言われたら、言われた理由を考えることも大事だと思う。
私たちは知らないうちに人を不快にしていることだってある。
それを息子にも話した。
知らないうちに不快にされて、君のことを不快にしたいだけじゃないのって。

話が続いてどこにもいけない状態になってしまった。
ただ言いたいことは、差別だって大騒ぎしないで、ちょっと立ち止まって見ることも必要だよってこと。
できれば、不快な気分にされたら相手に不快だよって言ってみよう。
もしかしたら気づいてないかもしれない。

ここに1人の人間がいて、魂があることに。

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末っ子です。
末っ子は、ほぼいじめには合っていません。
兄の存在が大きいからかも。

人付き合いがいいと言うのも原因かも。
アルバロという名で、赤ちゃんの時から「あーちゃん」と呼んでいました。
そのため自分のことをあーちゃんと言っていました。

幼稚園に入る前日、長男が「アルバロ、ちゃんと自分の名前をアルバロって言うんだよ。あーちゃんなんて言ったら、中国人だと思っていじめられるからな」とアドバイスしていました。
その時、長男は4歳。
ちょっと泣けてきました。

それでも、私は言います。
スペインに、差別はありません。



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Commented by mink330 at 2019-02-06 16:05
南米では必ずチナと呼ばれます。
最初はノーハポネサと反論してましたが、チナと呼ばれて嫌なのは自分だと気がつきました。
Commented by cazorla at 2019-02-07 19:05
> mink330さん

コメントありがとうございます。

基本的にそうなんですよね。
意外と素朴な人たちかもしれません。
60年代に外人だって言ってた日本人のように。
Commented by あのにま at 2019-02-07 20:04 x
私はチナ、チニータって呼ばれても、そんなに気にならなかったかな?
だって喋らなければ私だって区別つかないもん、と思ってました。

逆にインテリ層というか、自分をインテリとみなしてるというか、そういうスペイン人が
中国人と日本人は明らかに違う、私は区別できる、なんていうのがおかしかったりして。

>チノと呼ばれて怒るのは、私たちの心の中に中国人に対する差別意識があるからではないですか?

そうでしょうね。
そしてそれは、日本人の西洋人コンプレックスみたいなのかも?

私が初めて行った頃のスペインて、イギリスなんかに比べると外国人が少なくて
見られる事が苦痛でノイローゼみたいになった日本人の奥さんが居たけれど、
当時の日本人が日本で外国人を見かけたら、やっぱり見ちゃうか、逆に引いちゃうか。

スペイン人の方が多分 espontaneo に接すると思うから、
スペイン人に差別はないというの、何となく分かる気がします。

お兄ちゃんのアドバイス、さすがですね!

鼻血、大変でしたね。健康にはお互い気をつけましょう!
でもノイローゼや健康オタクみたいにならない程度に!!

Commented by cazorla at 2019-02-07 21:53
> あのにまさん

いや、区別できるみたいですよ。うちの夫、間違えないもん。
手の置き方が違うんです。だそうです。
で、一回間違えて、中国人を日本人だと思ったんですが、履歴を見ると日本生まれ、日本育ちだった。
育った環境なんですね、手の置き方。

お土産やさんのインド人は確固とした意志を持って入ってくるのが中国人、
空を見ながら、何か買いたい、なんかわかんないけどなんか買いたいと
意味不明に入ってくるのが日本人だって。

まあ、わかる気がします。
日本人って昔、(今もかもしれませんが)名誉白人になんか選ばれて喜んでたじゃないですか?
名誉白人なんて、クソってたたき返せばいいのに。
名誉白人なんて、結局、白人が上、でも金持ってるから特に名誉白人にしてあげる
って差別そのものですよね。

日本人の奥さん、
わかります。私も知り合いました。
結局、夫を置いて日本に帰り、月一回掃除洗濯に通うという生活を始めました。
すべてのスペイン人がみんな、誘惑してくるんです!
って本気で言っていた。
いえ、絶対誘惑されるタイプではなかったんです。

スペイン、差別まではいかないっていうのが正確な言い方かな。
そりゃ、誰でも排他的になる場合もあります。
マドリードの方がオープン。
田舎は排他的。でも差別ではなく、なんかいや、それだけ。
時間が解決すると思うし。
なんか嫌っていうのは、外国人に対してだけじゃなく、
スペイン国内の他の地域の人に対してもある、典型的山の生活の排他性。
そういうのはありますね。
Commented by あのにま at 2019-02-08 00:17 x
手の置き方! なるほど! 日本人と中国人じゃ顔の洗い方が違うって話もあるもんね。

動かず喋らず、同じような服着てたら、私は中国人、韓国人、日本人の区別はつかないかも。
でも以前テレビで、ヨーロッパの6ヶ国だかの女性を見分けるというのをやってて(写真で)、
ヨーロッパ人は間違えないんだけど、日本人は間違える。
で私は全部分かったんですよ、不思議だなぁ…
スペインに行ったばかりの頃は、スペイン人の若い女の子たち、みんな同じような顔に
見えたのにね。当時は髪型や服装も今ほどバリエーションがなかったのもあると思うけど。

90年代の後半かな、ガリシアの山の中にあるようなレストランに行った時、テラスで食事してたら
店の人たちが入れ替わり立ち代り私達のテーブルにやって来るの。
あれは日本人が珍しくて見に来るんだなって、一緒に居たスペイン人達と笑いました。

80年代の初めに語学学校の友達(だからみんなスペイン人にとっては外国人)と旅行してて、
アンダルシアの寒村で子供たちに囲まれ、内ひとりに「日本人だ」って言ったら、
数分後に近所中の子供達を連れて来て「ほら、あれが日本人だよ」(笑)

珍しいものは珍しいんだから、しょうがないというか当たり前って、私は思っちゃう。
差別って、差別語の問題もそうだけど、それが差別だと感じる人の意識の問題である事も
多いですよね。

そう言えば昔、うちの祖母が「黒人て真っ黒で、でも手の平は白くて気持ち悪い」と言って
学校で差別はいけないと教えられてた子供の私は、それって差別で良くないんじゃないかと
ちょっと祖母に失望したような… 部落民なんていうのにも差別感のあった祖母だけど、
彼女は自分が育った環境に従って、それを正直に口に出してただけという気もする。
口に出さない人は差別してない訳ではなくて、只の偽善者だったりもするし。

マドリッドのバス停でバスを待ってたら、しばらくして隣に居た中年男がこっち向いて
いきなり「フィリピーナ?」と、一言それだけ。
バス停には他に人が居なくて、それまで別に私の事をジロジロ見てた訳でもなく、
ただ突然こっち向いて、単語ひとつだけ放ったの。あれはなんだったんだろう?(笑)
で私も「ノー」と一言だけ答えました。


Commented by cazorla at 2019-02-08 00:28
> あのにまさん

90年に旅してた時も、いきなり靴のサイズを子供に訊かれました。きっと、なんか話したかったんだろうなって。

あの頃ほどではないけど、今でも子供たちが集まってくることがあります。日本みたいなチューローな国からなんでこんな国に来てるの?とか聞くの
で、スペイン人と結婚して子供もいるよっていうと、子供は半分スペイン人?って聞くから、そうだよっていうと、半分ってどこからどこまで?右左? そんな全く半分じゃなくて適当に混じってるんだよっていうとなんか安心してたり。

そのくらい、よくわかんないんですよね、彼らは。で初めて見るとなんかじっと見たり。
それをね、汚いものを見るように見る的に感じるのは、被害者妄想だと思う。
ですよね?

で、私たちにできることは、なるたけ機会があれば話をして、お互いちょっと違うところもあるけど
同じ人間だよねってわかりあうことかなと思います。

最後のフィリピーナ?っていうのはフィリピーナに会ったとあとで自慢するための確認?


Commented by あのにま at 2019-02-09 18:59 x
そっかー、フィリピーナって見破ったぞって自慢したかったのかもね。
東洋人ぽいけど中華料理屋のチノたちとはなんとなく違うような…ってグルグル頭の中で考えてて、
そうだ、フィリピンだ、フィリピン人に違いないって?(笑)

2000年頃にカディスの港町を歩いてた時も、道端に座ってた子供に時間聞かれた。
用事はないけど話してみたいって、バス停のオジサンも、そんな感じだったかもね。

被害妄想って、意識だけではどうにもならない時もあるのかも。
前述の日本人の奥さん、容姿も並み以上で、西洋人に劣等感抱く必要なんてなかった、
むしろ可愛い、魅力的と見られてたのかもしれないのに、ただ見られてる、その事自体が気になって、
どうしようもなかったのかもしれません。
最後は事故か何かで実際に健康を害してしまったと聞きました。
そういうのは悲しいですね。
Commented by cazorla at 2019-02-09 22:10
> あのにまさん

そういえば、ツイッターでスペインは外国人住みにくくありませんかって言ってた子も可愛かったです。なんかチナって言ってゲラゲラ笑ったとか言ってたけど、見た目おっさんでもスペインの子ってティーンエイジャーだったりするんで気をひく方法を知らなかっただけかもしれませんね。

なんとなく、コンプレックスあるから笑われてるって感じて心が閉じちゃうとちゃんと現実が見えなくなるのかなって思います。

東洋でスペインが支配して委託にってことでフィリピーナって好っったのかも。
もしかしてその頃ってフリオイグレシアスが結婚した頃?
フリオの奥さん今バルガスリョサとカップルですよね。
魅力的なフィリピーナだと思って声かけたのかもしれないですね。
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by cazorla | 2019-02-06 04:37 | スペイン 文化 言葉 | Trackback | Comments(8)