スペインの養子縁組
2006年 10月 15日
以前 ファニータと出産の話をしたことがある。
ファニータは四日間苦しんだ。
苦しんだあげくに産まれた子供を 胸に抱いた時のこと。
でも 肺に異常があったこと。
ファニータには四人のお嬢さんがいる。
だから 私は最後の出産 末っ子を産んだ時のことだと思ったのだ。
でも注意深く耳を澄ませば その赤ちゃんのことを表すのに形容詞は男性形だったのに気づいたはずだ。
その子は死んで ファニータは赤ちゃんが産めなくなった。
その後夫婦2人の生活が続いたが 従姉妹夫婦が 四人の女の子を残して死んでしまった。
親族が集まって 一人だったら育てられる 二人だったら・・・と言う人はいたが 四人の子供をいきなり引き取りたいという人はいなかった。
ファニータは四人とも引き取ることにした。
その時一番小さい人が三歳 一番大きい人が11才だった。
スペインでは女の子はお金がかかる 男の子より遙かに。
結婚式だって娘の家が全額払うのだから。
「それは一つの爆弾だった。 でも素敵な爆弾。 家が破裂したのよ。 毎日 笑い声が絶えなくなって。 家中ものがあふれて。 」
そして現在では 孫がいる。
47才にして 2歳児の祖母だ。
カソルラには 中国の女の子を養子にしている夫婦が5組いる。
この片田舎 八千人の村で5人の中国人の女の子が養子としてきているのはすごいことだ。
一番 年上の女の子はうちの長女と同じ 小学校五年生だ。
お母さんは 毎日彼女の髪をとかすのが人生の最大の喜びだという。
ほかの国からも養子は来るが 中国からの女の子が一番 人気があるらしい。
理由としてはやはり国同士の取り決めによる所が大きい。
まずヘーグ条約を受け入れていること。
スペイン国内の法と同じで 養親をほんとうの親とする 産みの親は権利を持たない。
それから 手続きが簡単。 約10日から14日の滞在で 手続きができる。
そういうと その簡単さで中国の女の子を選ぶのは モノを買うようなものではないか と非難する方もいるかもしれない。 しかし たとえばカソルラのような田舎に住んで マドリッドさえ行ったことのない人が 中国に2週間滞在するのは 月に行くか 少なくともアマゾンの奥地を探検するくらい覚悟がいるということを理解して頂きたいと思う。
ほかの国の場合 何度 往復してきちんと養子縁組ができるか 保証がないのだから。
夫婦で行くことが前提となるのだから 夫婦で休暇をとらなければならない。
それから 小さな幼児が来る可能性が高い。
やはり 小さいうちに養子にした方が 親子の絆は深め安いだろうし ふにゃふにゃぷくぷくの幼児を抱きたいと言う気持ちはだれにでも 特に女性にはあると思う。
それから もう一つの理由は 多くの国は 普通の夫婦にのみ養子縁組を希望するが 中国はどういう形のカップルでも(養育するにふさわしい環境を提供できれば)受け入れる からです。
これは 同性愛の夫婦にも適用。 同性愛夫婦の養子縁組には 賛否両論あるし まだ反対する人のほうが多いが。
それから 一人っ子政策の結果としての 養子縁組なので 子供達の健康状態がよいということ。
ほかに実子のいる家庭であっても 養子縁組できることを中国政府が認めていること。
五年前までほとんどいなかった中国からの養子が現在では 合衆国 カナダについで三位。
二千組以上のカップルが 申し込んで待機している。
参考 Reportaje.org
マドリッドの友人宅では ロシア人の子供を二人養子にしている。
二人とも 七歳の時にやって来た。
週に二回 ロシア語の先生に来てもらってロシア語を忘れないように 自分のアイデンティティを大切にするように育てている。 金髪で いかにもロシア人顔。 しかし もうすでに 話し方もリアクションも そして 顔の歪ませ方も すっかり スペインの普通の男の子だ。
こちらのページでは 養子縁組した子供達の写真を見ることができます。
中には 実子と一緒の写真も。
子供がいても その子の弟もしくは妹として養子をしている人も多いです。
LOS TESOROS DE FAMUR
この記事はmikiさんの「答えは出ないのだけれど・・・」に触発されて書いたものです。
向井亜紀さんのことは知らなかったので。 ただ 代理母について 否定しているものではありません。 もう少し若かったら批判もしたかもしれないが 年を取ると 人生は 短いな と感じるので こうであるべき とは言い切れなくなっている。 ただ スペインの養子縁組した夫婦たちの笑顔は 本当に幸せそうです。それは事実です。
満月さんの記事も興味深かったので こちらに紹介させて頂きます。 満月喜怒哀楽
養子縁組の話、今ハリウッドで『流行り』になっていて有名人はみな養子を取っています。今日もマドンナが養子を得たというニュースがありました。家族としてはありがたいでしょう。貧しい国で子供が大人になるまで育てられるかわからないんです。でも私も私もみたいにどんどん増えているのは、売名行為に見えてしまいます。心から育てたいという気持ちを持っているならいいんですが…。
私のグアテマラから来た友達は養子としてデンマークに来ました。
親が悪かったのかどうかわかりませんが、とても荒れています。受け入れておいて、気に入らないから暴力で押さえつけ、かわいがってもらえなかった子なので親になるのなら最後まで面倒を見て欲しいなと思います。犬じゃないんだから嫌なら捨てようみたいになって欲しくないなと友達を見て思いました。
向井亜紀さんの問題は細かいことは知らないのですが 常に産んだ母親でなければ というのではなく この流れが養子も実子と同じ権利 という法律の方向に行けばいいな と思います。
私の拙い記事を取り上げてくださって、そこに奥深い問題点があることを教えていただきました。さきほど入れたコメントを削除させていただきましたが、自分の大切にしている『感謝』と『謙虚』について、もう一度考えてみたいと思います。ありがとうございました。
我が家ではアフリカの子への里親基金に参加しています。これはその子が義務教育を終えるまで続けるものです。
養子と里親基金は同列に語れるものではありませんが、一人で生きていかなければならない環境の子どもに何かできることをという観点では共通項があります。向井さんが使ったお金。それがあれば、何人の子ども達が、、、と思う私は、女性を敵に回してしまうかもしれませんね。
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seilonbenkeiさんのご意見、わからないわけでもないですが、向井さんは癌患者の身で夫の子供を作る事を優先したんですし、養子で治まる問題じゃないと思います。自分の子供と里親が必要な10人のどっちを取るかと言われても、やはりみんな自分の子供が一番大切だと思うのです。それが出来てから、他人の子供に目が行くと思います。cazorlaさん、ズレてすみません。4人も一気に育てるって金銭的に余裕がないと厳しそうと思ってしまいました。デンでは日本と同じく基本的に子供2人です。いくら授業料が無料でもやっぱり2人いると生活きつきつだって言っていました。
そしてそういった自然な感覚が 世界を守っていると 思います。
向井さんの場合は卵子は自分のを使いましたが 卵子も買う場合 また大きな問題が残ります。 なぜ夫の遺伝子を残したいのか。
それは なんだか所有欲の裏返しにしか見えないのです。
2人で相談して離婚せずに出来る事をやってみようという事だったはずです。どこまでが真実かわかりません、脚色もどこかにあるかも。私の母も不妊で病院に通いやっと子供2人を産んだので、子供が欲しい人の真剣さは計り知れないものがあるのではないかと思います。自然に出来た人、子供に興味のない人にはそこまでして欲しいのか?と思うかもしれませんね。
でも私も夫の遺伝子残したいと思いますよ。というか、自分の子供を抱いてみたい。欲しくもないのに子供が出来てしまって中絶する人を見ると神様って不公平、欲しい人のところには与えてくれないのねっていつも思います。
でも、それでお互いが幸せになるのなら本当に良いことだと思います。
お友達の4人のお子さんをいっぺんに養子縁組した話、大変なことだと思うけれど、子供達から得る幸せも大きいのでしょうね。
私はつい、イライラして子供に当たってしまうこともありますが、反省反省。。。
息子のホッケー友達のお母さんが赤ん坊のころから養子縁組でスウェーデンに着てスウェーデン人として育っているけれど、誰が生みの親かわからないけれど、自分の生まれたタイという国を訪問してみたいというのが一緒に養子縁組されたお兄さんと彼女の大きな夢だそうです。もちろん育ての親は本当の親と同じに思っているけれど、自分のルーツを見てみたいとしみじみ話していました。
うちは 夫が生物学学んだんで遺伝子という考え方も ちょっと違うんです。 遺伝子って 夫から直接くるものなんてわずかですよね。 いろんな組み合わせがあってこれはどこから・・ていうのもあります。
私は向井さんの問題はやはり子供を殺してしまったことへの罪悪感と喪失感だと思います。 それは やっぱりつらいと思う。 色々あると思いますが夫がそれをどこまできちんと理解したのか そのあたりが全然記事の中で見えてこないですね。
自分の血を分けた子だから愛しているのではなく 一緒に人生を共にしているからではないかと。 出産も昔みたいに自分でちゃんとできるならまた感情もちがうけど おまかせで出産していると はらを痛めた子という感情は薄い と 私は思います。 もちろん 遺伝子はおもしろいですが。
うちの子供達 私の母に似ている所 義父に似てる所 そういうのを見るのは確かに面白いことかもしれませんが・・
cazorlaさんの記事を拝見してなるほどと思いました。
とても大切に育てられているように感じました。
それにしてもスペインの人達はとても偉いと感心してしまします。
日本では経済的にも大変だし、自分達二人の生活を大事にしたいという最近の若者達、子供を持たないカップルが増えていますよね。
我が家も子供はいませんし、養子縁組してまで育てたいとは希望しなかったのですから人の事は言えませんが、、、、、
スペインの人たちは自分の子供達だけではなく、子供達を本当に大事にしていると思います。
公的なことに関しても子供に関することは まず大切た゜といって 助産婦さんは ヨーロッパで最高の数と水準だといっていました。
よそのお子さんのことも大切にしてます ほんとうに。
anthonbergさん。コメント拝読しました。他人様のブログ上であることと、一部にだけ反応するという形になるので言葉足らずになると思いますがご了承願います。
「自分の子供と ー中略ー 大切だと思うのです」とのことですが、私は「みんな」とは思いません。つい最近、ペットは溺愛しながら我が子を殺してしまうなんて事件もあったように思います。
カミさんともこの話をしたのですが、カミさんは養子を選ぶと言っています。人によって、愛情の対象は様々だと思うのです。
とても難しい問題で、コメント欄で結論の出せるようなことではありませんし、結論を出していいこととも思えません。ただ、向井さんの決断を第三者が非難したりする方向に行かないようにとは願っています。
なんかね 腹は借り物 って言っていた時代を思い出すのです。
自分の命のために 子供を中絶したつらさは ほんとうに 苦しいと思います。 魂の救済が 必要だったんだな というのも。