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クリスマスにはあなたにフルーツケーキを送りたい。

12月になりました。
もうすぐクリスマス。
fumiyooさんのお店のページを見ていたら 昔読んだ本を思い出しました。

手作りパンのモノポールのページはこちらです
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ここから お借りした写真。 おいしいシュトーレンを包んでいるfumiyooさんの姿を想像していたら このお話のことを思い出したのです。


トルーマン・カポーティ著 村上春樹訳 
「クリスマスの思い出」

主役の「僕」は 子供時代のトルーマン 両親が別れて親戚の家に住んでいた。
子供の心を持ったおばさんと一緒にすんでいる。
そのおばさんを 「僕」は 「親友」と呼んでいる。

石炭と薪をくべられた黒い料理用ストーブは灯をともしたカボチャのように赤々と光っている。泡立て器がぐるぐる回転し、 スプーンがバターと砂糖を入れたボウルをかきまわし、バニラが甘い香りを漂わせ、ジンジャーはそれをひきしめる。とろけるような、鼻がちくちくする匂いが台所に充満し、家の中に広がり、煙突からたちのぼる煙にのって、 外なる世界へと漂い出ていく。4日後に僕らの仕事は終わる。三十一個のフルーツケーキ。ウィスキーをふりかけられ、窓枠や棚の上にずらりと並べられている。
 それらのケーキはいったい誰のために焼かれるのだろう?
 友人たちのためだ。でも近隣に住む友人達のためだけではない。むしろ おそらくたった一度しか会ったことのない、あるいはただの一度も会ったことのない人に送られるものの方が多い。彼らは、僕らが気に入った人たちなのだ。 たとえばローズヴェルト大統領。たとえば牧師のルーシー夫妻。彼らはパブティストの宣教師としてボルネオに派遣されているのだが 昨年の冬に町を訪れて講演した。 それから年に二回町にやってくる小柄な包丁研ぎ。あるいはアブナー・パーカー。彼はモビール発六時着のバスの運転手で、・・・・・・・・・・



彼女と過ごす最後のクリスマス。
その時の彼女のことぱ。それは 風の吹く牧草地を見ながら はっとして ある発見をして話す。

「私はこれまでいつもこう思っていたんだよ。神様のお姿を見るには私たちはまず病気になって死ななくちゃならないんだってね。(中略)でもそれは正真正銘のおおまちがいだったんだよ。これは誓ってもいいけどね 最後の最後に私たちははっと悟るんだよ、神様は前々から私たちの前にそのお姿を現していらっしゃたんだということを。物事のあるがままの姿」―中略
「人がこれまでいつも目にしてきたもの、それか゛まさに神様のお姿だったんだよ。」


日常が静かに過ぎてゆく時 きっと どこかにたどり着くと信じて 私たちは流れにまかせながら余計なことは考えず ここにいるのだ と思います。
村上春樹を好きなのは 小説ももちろんですが なによりも この人は私と読書傾向が似ている。 小説を読みながら あなたはあの作品を読んだのね などと話しかけながら読んでしまう。
最近 グレート・ギャツビーの新訳を中央公論社から出版したそうですね。
読んでみたいものです。  


「クリスマスの思い出」は短編集誕生日の子ども達  トルーマン・カポーティ 村上春樹訳 文芸春秋社の中の一作です。
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Commented by operaholic at 2006-12-03 09:39
お久しぶりにお邪魔します!
私にとって村上春樹氏のイメージは学生時代付き合っていた人に直結しています。
彼は村上氏を崇拝していました(笑)新作が上梓されると真っ先に買い求め一晩で一気に読んだりしてました(笑)
私はカポーティーの訳も好きですがレイモンド・カ-バ-がお気に入りです。
ちなみに柴田元幸氏との共著もなかなか面白いです。
「翻訳夜話」
著:村上春樹・柴田元幸
文春新書  定価:740円+税
Commented by cazorla at 2006-12-03 10:12
operaholicさん こんにちは。
訳も 最初の頃と変わりましたね。
最初はすごく村上春樹風文章って 批判されていたけど。

翻訳夜話ね 読みたいとは思っていたのですよ~
あんまりすすめないで~ 買いに帰国したくなってしまう!
次回 必ず買います。 お勧め ありがとう。
Commented by transitroom at 2006-12-03 11:39
もうクリスマス・シーズンなんですよねぇ♪
雑誌の特集も、いろんなお店のクリスマス・ケーキだったりと、
ダイエット中の身には厳しい季節です(^^ゞ
日本ぐらいなのかな?クリスマス・ケーキを”お店で買う”ってのは?
Commented by seilonbenkei at 2006-12-03 13:08 x
「そうだよ、あれが私だったのだよ」と主人公に語りかけるのが靴屋のマルチン。
神様のことについてはこれ以上はやめておきましょう(笑)
村上春樹は好きですが、訳は一冊も読んだことがありません。でもcazorlaさんが読んでいるなら、読んでみたいと思います。あなたが読んだ本なのですね、、、とか思いながら。
スペインは12月に入ったのでクリスマス一色なのでしょうね。年明けまで続くのだとか。
Commented by honn623 at 2006-12-03 14:24
行事がらみの日常の風景や匂いって、好きです。
ひな祭りの桜餅を作るときの、さくら葉の匂いがどうしても嗅ぎたくて、面倒だと思いつつも、大量に作ってお裾分け。
cazorlaさんのところは、物知りになれますね。
脳細胞に刻まれるかは別として。(最近、よくファイルしたはずが、紛失してます・・・)
Commented at 2006-12-03 17:32
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by fumiyoo at 2006-12-03 18:17 x
それらのケーキはいったい誰のために焼かれるのだろう?・・・・おそらくたった一度しか会ったことのない、あるいはただの一度も会ったことのない人に送られるものの方が多い。
 そう、一度も会った事のない人の為に、そして友人に、見知らぬ老人に、今年で最後かと思いながら焼き上げる。そこにはモノを創るという思いが、あなたへの思いと重なる、だから特に「友」にみてもらいたい、食べてもらいたい。でも私には金銭でやり取りする生活がある。、最も解ってほしいのに、久方ぶりに会う「友」へは言い出しにくかった。今年も彼女達には、知られていな私の人生が詰まったケーキを手渡せなかった。
 なんだか、淋しくてひとりで帰りました。そんなものでしょう・・人生ながーく歩いていると。
 私も読んでみたくなりました。村上春樹さん。
Commented by cazorla at 2006-12-04 00:09
トランジットルームさん スペインもクリスマスのケーキはお店に予約 ですよ。
1月6日に ロスコン・デ・レジェス 食べます。
中にマスコットが入ってるんだけどそれが当たると・・・
Commented by cazorla at 2006-12-04 00:12
セイロンベンケイさん カソルラは田舎なので まだまだクリスマスではないです。
田舎って信仰心強いから商業には関係なく クリスマスはクリスマスなんです。
12月二十四日から1月6日までが クリスマス (ナビダッ)です。
一応 もうプレゼントは用意していますが。
子供達のプレゼントは 学校が終わる前に用意しとかないと 買いに行けないので。
Commented by cazorla at 2006-12-04 00:13
honnさん 物知りになれるかどうか・・嘘も多いかも(笑)
でも 好きなものをすぐ人に言いたくなってしまう。
好きなものを好きな人に教えてもらうとすぐほしくなっちゃう。
Commented by cazorla at 2006-12-04 00:14
鍵コメさん ありがとうございます。
私はスペイン時間に生きておりますので~
楽しみにしています。 待っている間ってたのしいです。
Commented by cazorla at 2006-12-04 00:16
fumiyooさん が包んでるのは きっと 旦那様の愛情 。
それは たったひとりのために 商売ではあるけど商売でもない。
だれかの気持ちが だれかのところへ
その気持ちのなかに 愛の魔法を 付け加える。
素敵なお仕事だと思います。
私もいつかほんとうに食べに行きたいとおもいます。
Commented by Sanae at 2006-12-04 06:07 x
村上春樹さんの訳したもの好きです。どちらかというと、本人の小説より、翻訳の方を中心に読んでいたような・・・。カポーティのシリーズと空飛び猫が一番好きです。カポーティのは山本容子さんの絵も素敵ですよね。
Commented by eaglei at 2006-12-04 06:22
村上春樹って、なぜか読後の印象が残っていません。
何冊か読んでいるのですが、書名すら覚えていなくて・・・。

「華麗なるギャツビー」も同じなんです。
どうしてでしょう?
好きになれなかったからでしょうね。
Commented by cazorla at 2006-12-04 08:26
さなえさん 山本容子の絵の本 素敵なんでほしかったんですが 私が買ったのは 全部一冊になったものです。 やはり重いのとたくさん買いたかったので。
村上春樹の訳 は わかりやすいと思います。
でも 訳しているせいか最近 彼の日本語が少し 英語的になったような気も・・・
Commented by cazorla at 2006-12-04 08:29
eagleiさん 現実から遠いからでしょうか。
eagleiさんは 強い人なんだと思います。
フィッツジェラルドも 弱い人間の典型だし
書いてるものもそうですね。
私はそういう所にひかれるのですが。
夫もだめだと言ってました。 ふたりとも理系だからでしょうか。
Commented by nukleopatra_07 at 2006-12-05 03:07
"クリスマスの思い出"、私も、大好きです。何度も、読みました。そして最後ではいつも、泣いてしまいます。美しいのだけれど、最後は、悲しい。
"華麗なるギャッピー"も、好きです。
Commented by cazorla at 2006-12-05 07:28
nukleopatraさん こんにちは 美しいですよね。
そう言う風に というかそう言う言葉を心から 言ってみたいです。
アメリカ文学って美しくて切ない・・・ものが゜多いと思う。 て あんまりアメリカ的ではなかったりするような・・・
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by cazorla | 2006-12-03 09:23 | おすすめのもの | Trackback | Comments(18)