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どこまでもむすばれているのだ

りろさんのコメントを読んでふと思い出した詩があるので紹介したいと思います。
永遠に永遠に繋がっていくイメージ。
私たちは シンメトリーなものを見て 美しいと思う。
それは 私たちが シンメトリーな形を基本に成立しているからかもしれない。
繋がっていくイメージは 私たちのもつDNAの形でもある。
いつまでも繋がっていく。
それは未来であり 過去であり。 私たちは 宇宙に向かっている。
愛ということばが 日本語の中になかったのは 一つにはエゴという思想がなかったことにあると思う。 愛はエゴから生まれる。 幸せという観念もそうだと思う。
エゴは一つの点に集約されながら 無限に開いて行かなくてはならないものだと思う。
それを ほんとうの意味での「自由」と解釈している。

        谷川俊太郎

いつまでも
そんなにいつまでも
むすばれているのだどこまでも
そんなにどこまでもむすばれているのだ
弱いもののために
愛し合いながらもたちきられているもの
ひとりで生きているもののために
いつまでも
そんなにいつまでも終わらない歌が要るのだ
天と地とをあらそわせぬために
たちきられたものをもとのつながりに戻すため
ひとりの心をひとびとの心に
塹壕を古い村々に
空を無知な鳥たちに
お伽話を小さな子らに
蜜を勤勉な蜂たちに
世界を名づけられぬものにかえすため
どこまでも
そんなにどこまでもむすばれている
まるで自ら終わろうとしているように
まるで自ら全い(まったい)ものになろうとするように
神の設計図のようにどこまでも
そんなにいつまでも完成しようとしている
すべてをむすぷために
たちきられているものはひとつもないように
すべてがひとつの名のもとに生き続けられるように
樹がきこりと
少女が血と
窓が恋と
歌がもうひとつの歌と
あらそうことのないように
生きるのに不要なもののひとつもないように
そんなに豊かに
そんなにいつまでもひろがっていゆくイマージュがある
世界に自らを真似させようと
やさしい目差でさし招くイマージュがある

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Commented by seilonbenkei at 2007-01-19 17:41 x
テーマが難しすぎて仕事の合間にできるコメじゃ(^^;)
Commented by りろ at 2007-01-20 01:58 x
cazorlaさん、本当に、エゴというものをきちんと確立できなければ、人格の統合性というものは生まれないし、その確立されたエゴの固い殻(容易には犯されない個々の人格のテリトリーの境界線)というものがあるからこそ、それをみずから無限の宇宙へと開いていく、ということもできるのですよね。
Commented by りろ at 2007-01-20 01:59 x
エゴというのは、つまり人格の輪郭みたいなもので、エゴが確立されている人同士というのは、言いたいことを言い合おうとすると、お互いのエゴの殻がコツンとぶつかるからこそ、そこでコミュニケーションが始まるし、信頼関係も生まれるのだけれど、例えば幼児期に親の対応が常に一貫していなかったがために一貫性のあるエゴの境界線を形成できなかった人は、自他の自我領域を浸潤し合う「自我の纏綿(てんめん)状態(emmeshed ego)」というのになりやすく、これはもう、共依存の症状なわけです。つまり、やたら他人に干渉したり、ベタベタしたり、顔色をうかがったり、余計なお世話を焼いたり、それでいてものすごく寂しがりやで、ちょっと「うるさい」と言われるとひがんだりして、適切な他人との距離の取り方ができない人、そして、言うべき時に「自分の考えはこうだ」と言えない人、ノーが言えない人ね。
だから、ノーが言える人こそが、逆にそのエゴを手放して、広大無辺の光の世界に自分を投げ出す、ということもできるのですよね。
Commented by りろ at 2007-01-20 02:07 x
あ、何にでもノーを言う人、というのは、また別ですけどね、もちろん。ちゃんと、あるがままの人間界の中で生きていく苦痛というのを肯定的に受け止められる、というのも、また、エゴが確立されている人の証ですから。
そして、目先の現実的な利害や悲惨さやこの世でのあり方の表面的な差異を越えて、すべてが美しくつながっている、すべてが「お互い様」の関係の中で活かされている、だから、すべてに感謝しすべてを祝福するしかない、というところへ至ることができるのですよね。
Commented by りろ at 2007-01-20 02:13 x
つまり、すべては宇宙という海のひとしずくである、というか。
ええと、こういう感じ方って、タオイズム(老子の思想)っぽいですね。私、老子が大好きなんです。
Commented by pfgia at 2007-01-20 02:19
素敵な絵ですね、こういう絵、すごく好きです。皆さん、なんだか難しい言葉をいろいろと使ってらっしゃいますね。谷川さんの氏、読んでると体中にすーっと彼の言葉がイメージとして広がって、果てしなく果てしなく広がっていくのを感じるんですけど、それが好きですね。
Commented by eaglei at 2007-01-20 06:40
愛ってエゴから出でるイメージを持つから、この詩から違和感を感じます。
この詩からは、宇宙に広がっていくイメージを僕は持てません。
「世界に自らを真似させようと」って、書いていることがわかりません。
シンメトリーと言っていることからすると相手は、神の設計図ってことでしょうか?

谷川俊太郎はもしかして、クリスチャン?
Commented by cazorla at 2007-01-20 08:36
セイロンベンケイさん 仕事してくらはい。
Commented by cazorla at 2007-01-20 08:39
りろさん 確かにタオイズムってこんな感じかもしれません。
エゴということぱか゛即 エゴイズムに結びつきやすいので
りろさんのように考えていくことって大事だと思います。
このクレーの絵も 少しタオイズム的だと思いませんか。
Commented by cazorla at 2007-01-20 08:41
pfgiaさん クレーは 音楽と絵をまなんでいるんですよね。
抽象のようで抽象ではない。
そこには詩のことばがあるような。
谷川俊太郎 私も大好きな詩人です。
Commented by cazorla at 2007-01-20 08:44
eagleiさん エゴから出ているから(理由)→違和感 の関連がよくわかりません。
世界に のところDNAをイメージするとわかりやすいかもしれません。

で あきらかにクリスチャンではないです。
彼は詩人です。
詩人は 詩を書かなくても 詩人という存在が詩人なのだ(阿部岩夫)
Commented by ぺけ at 2007-01-20 12:38 x
「愛」って cazorla さんも書いておられるように、本来の日本語にはなかった概念ですよね。江戸時代の日本人は「愛してる」なんて多分言わなかったし、「自然への愛」なんていう使い方もしなかったかも…

でもそれが「エゴ」がなかったから…という風には言い切れない気もします。エゴという思想はなかったかもしれないけど、エゴ自体はあったかもしれないし…

英語の love の訳として中国語(漢字)の愛を当てはめた? そして「愛」「愛する」という日本語が広まったのって、ごく最近の事って気がします。

で、古い人間のせいか(笑)、「愛する」っていう感覚、実はよく分かりません。「好き」とか「恋」とか、或いは「思いやり」とか「優しさ」とか、更には「守ってあげたい」とか…そういったモロモロの感情とどう違うのが「愛」なのか?

テレビ・ドラマなどで「愛してる」なんて言うのを聞くと、なんか空々しいような気もするし(笑)

スペイン語でも amar っていうとちょっと感じが違って、普通は querer を使う事が多いですよね?  querer は欲しいということなので、むしろ「好き」に近いという気がするんだけど…
Commented by cazorla at 2007-01-20 19:16
ペケさん エゴがあるから他者認識があって他者認識があるから 相手を愛しているという表現があるのではないかと思います。もちろん エゴはあるけど エゴという思想がなかったということを言いたかったの。
中国語で 愛人airenは 妻のことなのに日本語では違うっていうのがおもしろいですね。 

quererは やっぱり言う時は覚悟がいるんで 
フランス語の場合は amarよりさらに強い言い回しです。 君がほしい って。
スペイン語の場合は 家族に使いますが それは 日常的になったために意味がうすれたこと。 

基本的には愛 というイデアを書きたかっただけで愛してる ということばは これは 書き言葉であって 話し言葉ではないと思う。te quiero.ていうのは こんにちはと同じくらいの意味であえて訳してしまった文学者の責任。 ていうか 翻訳文学によってくずれていった日本語は多い と思います。



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by cazorla | 2007-01-19 06:43 | おすすめのもの | Trackback | Comments(13)