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ダリと十字架

先日 「ダリの愛したミレーの絵 晩鐘」を書いて なんとなく納得したことがある。
ダリがなぜフランコを支持したか。
ダリは 金を儲けたいからフランコを支持する と言った。
でも まったくそれだけではないのだ。
共産党を支持した ピカソやロルカ。
ピカソもロルカも裕福な家の子だったし クラスでも 輝いている子供だった。
ダリは 普通の家の子だったし 弱虫でいじめられっ子だった。
そんな彼が実はキリスト教の信者であっても おかしくはないだろう。
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これも ミレーの晩鐘をモチーフにしているのは 一目瞭然。

ピカソのゲルニカの絵の強烈なイメージが強く
フランコは 悪い独裁者というイメージがある。
ヘミングウエイも 誰がために鐘は鳴る を書いている。

でも あの当時 フランコはイベリア半島にいなかった。
共和制が始まった時 フランコは遠く カナリアに押しやられていた。
その時 混乱が始まった。

当時 フランコを支持していたのは カディスと彼の出身地のガリシアのみ。
そしてフランコの下にいる軍隊はモロッコにいた。
だから条件としては 半島にもどるのは かなり絶望的。

その上 フランコは大きな船をもたなかった。
だから 少しずつ小分けにして 少しずつ半島に入っていった。
それでも 気付かないくらい 半島の中は混乱していたのだ。

全ての人々は平等であるというスローガンのもと 全ての人に銃はわたされ
そして 持てるものたちを襲い始める。

小作人が貴族を襲うのは まだいいとして 
もし あなたや私のような ささやかな家の所有者が襲われていたとしたら?

共産主義に神はいらない。だから教会も壊された。
何千という教会が壊される。

その時 アラゴンの普通の人たちは立ち上がる。
アラゴンには 大地主が少なく 普通の生活するにほぼちょうど良い程度の土地をもつ 農家が多い。 彼らは 信心深い。 多くの昔からのどこの国のお百姓さんと同じように。
彼らにはマルクスが何者かはわからなかった。
ただ 毎週行く教会が壊されたことだけ。
それなら フランコを支持しようと。

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私のブログをよく読んでくださっている方は 気付いてらっしゃると思うが
私の書いてるテーマは どうしても宗教になってしまう。
うちの子供達は宗教の時間(というのが スペインにはあるのです)を取っていないが
宗教の存在そのものを否定しているわけではない。
私はしずかに 信仰を持って 生きている人たちが好きだ。
そういうささやかな営みは人間本来のものだと思う。
わたし自身 密かに信じてるものはある。
大切なものは ふみにじってはいけない。


フランコもふみにじってしまったものがあるだろう。
それでも あのとき 教会が壊されるに任せていてよかったのか。
良かったとも悪かったとも 言えないと思う。

フランコを手伝ったのがヒットラーだったから なおさら イメージがわるい。
しかし 人民軍にかかわっていたのは スターリンだったことは 語られない。
そして 負けた人民軍は スペインにあった金を全てもって スターリンの元に行く。
貧しいスペインの時代が始まる。

フランコはテレビの好きなただの軍人だった。
ダリも 妻を愛していた普通の男だった。


下のイランの記事にも戻るけれど
私の住んでいる村は カトリック信者がほとんどの古典的村です。
だから かえって イスラム教の人たちが普通にイスラム教徒として生きていても違和感がないのです。
それは 人の宗教をふみにじってはいけない という暗黙の了解があるからだと思います。

理想主義は 時に残酷になる。
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Tracked from イスラミック・ブルー at 2007-09-05 23:52
タイトル : コルドバ〜メスキータを平和の象徴に
 コルドバといえば誰もがまず思い浮かべるのはメスキータであろう。メスキータの存在は、その栄華を極めた頃、コルドバを欧州のメッカと呼ばせた。レコンキスタの後、モスクをカトリック教会にしたことで知られている。  メスキータは8世紀、後ウマイヤ朝に立てられ、その後3度の修復により世界最大級のモスクになった。13世紀にキリスト教国軍の手に落ち征服され、カテドラルに改造される。  光を多く取り込んだ、明るいモスクの入り口は一つを残して全て塞がれた。真っ暗な中でゆれるランプと宗教画。丸天井には天使が戯れ、鳩が翼を...... more
Commented by aoi at 2007-09-05 13:23 x
私も、宗教をものすごく意識している訳ではないのに、自然と話はそちらの方へ行ってしまいます。
それが、生活と密着しているからではないでしょうか。
>フランコはテレビの好きなただの軍人だった。
>ダリも 妻を愛していた普通の男だった。
そうなんです、不思議なことに、普通だとか当たり前を押し通そうとすると、それが奇異になってしまうことがあります。
独裁者はとかく悪く言われがちですが、その素顔を少しでも知る必要があると思います。独裁者ほど、元は普通の人と言うことが少なくありません。だからこそ、共感を得るのかも知れませんね。
Commented by honn623 at 2007-09-05 14:01
今日、札幌でのダリ展に行ってきました。
ダリがカトリックに帰依したのは、戦後なんですね。
常に何かを模索して生きているひとは、自分の中で信じられるたしかなものが必要なんだろうと思いました。
それがダリにとっては信仰とガラだったのかな、と。
でも晩年、しっかりガラ以外の女性に心奪われているんですよね。
Commented by cazorla at 2007-09-05 14:13
aoiさん 宗教は やはり 意識するしないにかかわらず かなり 考え方や生活様式に入っていますね。
独裁者を批判するだけ というのが今 スペインで
フランコはそれでも水の問題は 解決していたのに
フランコがやった方法全てを否定しようとしている。
いいこともあるし悪いこともある。
やはり 冷静な目で見ることは大事だと思います。
Commented by cazorla at 2007-09-05 14:19
honn623さん ダリ 普通の人なので たぶん生まれた時から カトリックの洗礼は受けていたと思います。ただ 本格的に というのは戦後かもしれません。 スペインは カトリックであるって すごく 普通のことでたぶん あの年齢なら全員 生まれてすぐ 洗礼があったと思います。

ガラは ほんとうに奔放な人であったようですね。
ダリより十歳上だったのに それでももっと若い恋人をどんどん作って。
ある意味 病だったのかもしれません。
それでもダリは 寄り添おうとしたから 晩年 ガラの死後 恋人ができても 許してあげよう(笑)
Commented by fumiyoo at 2007-09-05 15:21 x
殆ど知らない事ばかり・・無知というか、他国の事なのか、ニュアンスが上手く理解できてないかもしれませんが、

そういうささやかな営みは人間本来のものだと思う。
わたし自身 密かに信じてるものはある。
大切なものは ふみにじってはいけない

この言葉の意味を深く考えようとは思いません。タダ単に同感!ですと言いたい。

土着の信仰はしらぬまに肌についていて、日常の中にある。
Commented by bcnkahosumi at 2007-09-05 17:49
いつも cazorlaさんの書かれる記事でスペインを知ります。 きちんをスペイン史の本を読んだりしていないので、部分部分の聞きかじり、読みかじりばかりなので cazorlaさんの書かれる内容はほんと勉強になるし、考えさせられます。 

自らの宗教・文化に深い思い入れや愛情があるから、他のものに対しても尊重できるのですね・・・ 気持ちが分かるんですよね・・・

ダリにもですが、悪く言われることの多い、フランコという"人”にも興味が出てきました。
Commented by syenronbenkei at 2007-09-05 18:43
fumiyooさんのコメ読んでほっとしてる僕だった。
ダリってだり?の世界。

宗教ってのは理屈で考えて理解するもの。
信仰ってのは考えなくても理解できるもの。
僕的にはそんな風に思ってるんだけどね。
で、宗教と信仰とは別物じゃないかと僕は思ってます。

って、せっかく書かれてるダリやフランコの話がぜんぜんないコメ(笑)
Commented by ジャイママ at 2007-09-06 01:00 x
私も、最近良く宗教について考えます。宗教自体、私は人の心の拠り所、生きる指針としてとても良い物だと思っています。ただ、それを『利用』して自己主張をお押し付けたり、人を押さえつけたりする、そういう行為が嫌いなのです。
自分の心に宗教を持ち、心豊かに生きる。それが宗教の基本的な姿なんだと思うのだけれど、人間は『欲』が有るから、宗教を捻じ曲げ利用して歴史を作ってきたような気がします。

共産主義、皆が平等って言う考えは素晴らしいけど、意味が違うと思う。頑張った人が頑張った分だけの利益を得る、それも平等だと思います。平等の意味を履き違えちゃった上に、それを利用した人が居たから共産主義は敗退したのだろうな。大きな代償を払って・・・。

ダリの絵、昔から何か心惹かれる絵でした。独特の世界、でも彼の心の主張とか叫びとかが聞こえてきそうで、でもそれが気のせいのような気もする。とても不支持な感情が湧き上がる彼の作品が私は結構好きです。
彼自身の生涯についてはあまり知らないのだけれど、とても興味が有ります。また、ダリについて学んでみよう・・・♪
Commented by mcherry0929 at 2007-09-06 20:24
cazorlaさんて、ヨーロッパの歴史とか美術とかにすごく造詣が深いですね。いつも感心してしまいます。でも・・難しくてコメントできない時もあります。m(_ _)m

日本は宗教に関しては、ある意味特殊な環境ですよね。生まれた時に洗礼を受ける人もいないし、でも「家」には多くは仏教の宗派があったり・・。
日本社会の中で育った私は密かに信仰を持つ・・というのが一番自然な気がします。「信仰」とも言えないものですが・・。「神さま」は私の心の中にいるけど、それが既存の宗教と結びついてはいません。

皆それぞれ、心の中に自分の信じるものがあって・・そしてお互いそれを尊重できて平和に暮らしていけたら良いですね。
cazorlaさんの村はそれができていて、きっと平和で静かな所なんですね。
Commented by cazorla at 2007-09-07 05:58
ふみよさん そうですね。日本だと 誰がために鐘がなる とか好きだった人か スペイン関係のものが好きな人くらいですよね。

それぞれが大事にしてるものを尊重するのは どういう状況でもだいじですよね。 信仰も 生活の中で無意識に しみついてると思います。
それが゜信仰とまで呼ばれないようなことでも 
たとえば 食べ物を大切にするとか
ね。
Commented by cazorla at 2007-09-07 06:01
セイロンベンケイさん 信仰と宗教は ちがう。
確かに ある意味ちがうけど
宗教があって 信仰があるような気も・・・
宗教学というのはまた違うかもしれないし
組織にいることをまず大事にしている場合は 信仰と呼ばれないかもしれないし 
むずかしいです。

その一方で そういうことはわかっているのに私生活は また別って言う人もいるしね。 哲学者とか そういう人のことを言っているのですが。
Commented by cazorla at 2007-09-07 06:03
ジャイママさん 共産主義は 特にそういう傾向が強かったと思います。
マルクス自身は貧しく ほんとうに 美しい心で本を書き続けた人だと思う。
でも 現実的ではなかったのかもしれませんね。
今は 保守とか革新ということばも消えてしまって
それもさびしい感じがしますが。
共産主義になったらよかったとは思いませんが
あの時代が 世界のバランスをとりながら すすんでいたとも思います。
Commented by cazorla at 2007-09-07 06:05
cherryさん 私の小さい時 若い時は日本って イスラム教徒の人に親切だったし ある意味 尊敬もしていたと思う。
どの宗教の人にもある種の敬意を払っていた
それが日本の良い所だったのに
少し変わったような。
それでも 日本人は どの宗教のこともよく勉強しているし
色んな宗教がある というのが いいな と思います。
Commented by fumiyoo at 2007-09-07 14:22
誰がため鐘がなる・・という映画は姉が好きで幼い頃に見たような気がします。ダリもピカソも画家としては知ってますが、(もと美術部としては)
その人に思想とかまでは知らなくて、全ての絵画に宗教色やその人の思想があるのだろうとは想像が付きますが、カソルラさんほど系統立てて知らないという意味です。ボンヤリ絵を見てきましたので、ボンヤリしか把握できてないのです。

ムンクもゴッホも面白いですね・・・そんな程度です。
Commented by celori20 at 2007-09-08 10:57
この絵、とっても不思議ですね。。
ミレーの『晩鐘』をモチーフにしながらも、どこか寂しく切ない。
世界平和、宗教戦争の無い世界があれば、世の中がもっとうまくいく、というのは無謀な夢なんでしょうかね。この世界の6割くらいの人達は、食べるものもろくになく、きちんとした教育を受けられていません。価値観、宗教の違い、人権、などをわずかの数の先進国の人間達が語っても、彼らには伝わらない、理解できないという、なんともやりきれない想いです。

Commented by celori20 at 2007-09-08 11:02
今の大学には、プールがないんですよ!ここに来た時、がっかりしました。私立なんですけどね・・・・ 前回、イリノイ州の大学には、バッチリありましたよ、新築の室内プール。こちらは州立でしたが。。。いつ行ってもガラガラでしたね。気持ちよかったです。

電池のいらないカメラ、まさに感動です!
Commented by cazorla at 2007-09-08 21:31
ふみよさん つまり フランコとか市民戦争のことを と言いたかったのです。 ふみよさん 美術部だったんですね。
だから お店の雰囲気がおしゃれなんだわん (よいしょっ)
そういえばお仕事もデザイン関係でしたよね。

Commented by cazorla at 2007-09-08 21:36
セロリさん 6割もの人たちが 耐えているんですね。
ほんとうは できるけど 先進国はしたくない というところもあるのではないか そんな気がします。 潅漑施設をちょっと置くだけでも すごく変わると思うの。 スペインのアルメリアって 砂漠地帯だったので
ほんの少し前まで スペインで一番貧乏な地域だったんです。
でも スペイン国内だから 潅漑施設をおいて 農業が発達したのね。
で もともと 農業をしていないから 土が豊饒で 今では最高の農業地域 一番高価な トマトを輸出したりしています。
そういうことが アフリカにしてあげられないのだろうか ・・・って考えるのですよ。

今の大学 プールないんですか? 残念ですね。
プールって やっばりリラックスできますよね。
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by cazorla | 2007-09-05 07:48 | スペイン 文化 言葉 | Trackback(1) | Comments(18)