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母とシャルル ボワイエ

夫は 子供たちを ハエンのコンセルバトリーに連れて行ったときに 図書館で 母のために日本映画を借りてきてくれる。 羅生門 安寿と図師王 乱 さんまの味など 黒沢 溝口 小津の作品 あたらしいものでは 北野武の作品もある。 週末に一本 母と 一緒に 映画を見る。

懐かしい顔を見て この人 ○って俳優ね などと話して ぼけ対策でもある。

ある日 母が 静かな疑問をなげかけた。


『エンリケさん 優しいわね。 

でも どうして いつもいつも 日本映画ばっかり借りてくるのかしら?』


絶句。


そりゃ あーた ママが日本人だからじゃない と いうことばが出ない。

出てくる前に 母が もう一言 付け加える。


『わたし シャルル ボワィエが 好きなんだけど。。。』


帰宅して夫に報告する。


『ママ シャルル ボワイエの映画が見たいんだって』

『君のママって 思うに かなりわがままだよ。

第一 シャルル ボワイエの映画が 図書館にあるかどうか。。。

スペイン語の題名がわからないと さがすのだって 難しいし。。。』


と 言いながらも 次の週は シャルル ボワイエの映画を借りて来てくれた。

一本一本見て 探したそうです。

で 図書館で 唯一の シャルル ボワイエ。

めぐりあい


さっそく 母の家に行き 一緒に見る。

音声は オリジナルの英語で 字幕はスペイン語。

だいたいのあらすじがわかっているので 母は だいたい理解できる。

『シャルル ボワイエって 奥さんが亡くなったあと 後を追って自殺したんだって。

いいわね。 こんなハンサムな人に後追いしてもらえて。』


87歳の母は 今でも 少女のように夢を見ます。


『ねえ この字幕 フランス語?』

『ううん スペイン語よ』

『そう スペイン語なの。 でもシャルル ボワイエにスペイン語はあわないわね。

フランス語のほうが あうわね。』

『ママ 日本で買ったら 字幕は日本語でしょ?

ロシアで買ったら ロシア語。 

スペインのなんだから スペインの人がわかるように スペイン語よ』

『なるほどねぇ』


しばらく じっと見ていたが


『でも やっぱり フランス語のほうがあうわ』




母はそうやって マイペースでゆったりのんびり生活してます。


by cazorla | 2014-09-25 09:26 | スペイン年金生活 | Trackback | Comments(4)

雨が好き

雨が好き という小説がありました。

雨   好きですか。

あの時代 とくに雨が好きだったわけではないけど

雨を好きかどうかという

というか好きか嫌いかという対象であるというのが ものすごく新鮮な感じがしたのです。

高橋洋子さんという女優の書いた小説。

あの 少し つかれたような しっとりした感じが好きで

映画も見に行きました。

でも 田村亮のおなかの贅肉がいやだった。

別にふとっていてもいいのだけど それは 二十歳の贅肉と三十の贅肉 そして四十の贅肉は違うのだもの。

て 脱線してしまいました。

なぜ 突然 雨が好き を思い出したかというと

すてきな映画を貸していただいたから。

言の葉の庭。

雨が主役とも言える映画。


スペインの夏はほとんど雨が降らない。

乾燥して 山は黄色になっている。

秋になると 雨が降って 草がはえてきて 緑になる。

緑がむしろ秋をあらわす色である不思議。

だから比喩は 難しいのだと思う。


そう そんなスペインに住んで

言の葉の庭を見た。

切ない気分が とてもなつかしく 胸をゆさぶる。


ある夜のことを思い出す。

あの夜もたしか雨が降っていた。

私は 大好きな男の子の運転する赤いジープに乗っていた。

東京の舗装された道路にも水たまりができる。

水がばしゃっと 立ち上がり窓を濡らす。

その感覚が いつも私のからだに残っていて 雨は 幸せな気分にしてくれる。


雨が好きですか?


皮膚が 雨をほしがっている。




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by cazorla | 2014-08-26 06:03 | お気に入りのもの | Trackback | Comments(2)

突然炎のごとく

トリュフォーの突然炎の如く 見ましたか。
真夜中にいろんな映画を見たけど あんまり覚えていないのに この映画の最後の場面は
とてもとても 切実に覚えています。
頭の中にしこりのように 残っている。
ジャンヌ・モロー 演じる カトリーヌがにこにこと微笑みながら 車が落ちていく場面。
今 ググって ウィッキーの解説を読んだら 私の解釈とは ちょっとずれがあるけれど。

ウィッキー 突然炎のごとく






このYouTubeの 2分30秒くらいのところが 車が落ちていく場面。
彼女のすがすがしく美しい笑顔が忘れられない。
この映画は復讐のものがたりだと思う。
優しい男達へ。
あなたは なぜ そんなにもやさしく 私を大事にしてくれるのでしょう。


Tu m’as dit “je t’aime”
Je t’ai dit “attends”
J’allais dir “prends-moi”
tu m’as dit “va-t-en”

You said, "I love you,"
I said, "Wait."
I was going to say, "Take me,"
you said, "Go away."

愛してると言う。ときとして それは ひとりよがりのことばでしかない。
愛してると言う。 そして かれは ものすごくやさしい。
やさしいから拒絶できない。
愛が終わってしまってるのに 関係を終えようとしない男がいる。
終わってしまったということを受け入れられないのは
過去のとてもすてきな日々につながった今日がほしいから。
今日を変えてしまったら 美しい過去も捨てなければならない そう思ってる。
対象である人間を愛しているのか 自分の美しい過去を もしくは 自分自身を愛していて
自分の一部である 過去を愛しているのか 区別できない。


カトリーヌは ジュールの目の前でジムと死ぬことで ジュールに一生忘れられないようにしてしまう。
これは 復讐の物語だと思う。
ジュールは 結局のところ 自分のことしか愛せなかったのではないか 
そのことが カトリーヌは耐えられなかったのではないか
そういうふうに 二十数年前の私は感じました。
ずっと見ていないので 私の記憶の中でかなり変形しているかもしれませんが。


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リアリティに対する考え方の違いかもしれない。
それとも ヨーロッパの男達のやさしさが 下地に男尊女卑的に意味合いを持っているのか。
それは 日本の優しい男達の優しさの時代が西洋化とともにやってきたと言う意味でも。
男が女をなぐることと 同様に 
大事にして やさしくすることも また 優しさという 檻に閉じこめてしまおうとする意味合いでは
同様に マチズモなんだと思います。
下地にあるリアリティは同じでも 文化の匂いの違いでジュール的な男はたぶんスペインにはいないかもしれないけど。
でも それは 形が違うだけで やはり 存在しうる。 たぶん。







なぜ この映画のことを思い出したかというと 
この記事を読んだからです。

人生は過ぎてゆく。
ぷちこわしたいって 気持ちを抑えつけていれば ね。


“Keep passing the open windows.” ― John Irving, The Hotel New Hampshire
ホテルニューハンプシャーの このことばをよく思い出します。
開いてる窓の前を通り過ぎなくていけない。 
飛び降りないかぎり 人生は すぎてゆく。
by cazorla | 2013-08-26 10:07 | お気に入りのもの | Trackback | Comments(7)

誕生日のものがたりで紹介した ムーア人。 ビデオを見つけたので。 
30分以下の短いビデオです。

小説 とても美しいお話なんで是非 読んでくださいね。本のほうがずっとすてきです。

http://www.imdb.com/video/wab/vi1205600537/
by cazorla | 2012-08-16 07:48 | お気に入りのもの | Trackback | Comments(9)

オーケストラ

おはようございます。
日曜日の朝です。
グラナダに住む友達から メールが届きました。
たぶん 日本では すでに上映されているのだと思いますが
映画館のない田舎に住んでいると
こういうの送ってくれる友達の存在はとてもうれしいです。


フランス映画 コンサート 邦題はオーケストラ


わたしのオーケストラのクラスも二月八日にコンサートします。
ロセッティのシンフォニーをひきます。
なぜか真ん前の列にすわらせられているので 間違えると露骨にわかるので緊張。
で お隣に座っているのが この映画のバイオリン奏者くらいきれいなフリアちゃん 十七歳
なので 美的意味でも おばさん的には 緊張します。
でも 指揮者ってほんとにすごいなと つくづく思います。
やっぱりいい指揮者がいると なんとなく しっかりひけちゃうんですよね。
by cazorla | 2012-01-15 20:14 | お気に入りのもの | Trackback | Comments(4)

おくりびと

以前 「11月1日」という記事で書いたのだが 長男の同級生の女の子が今年の夏 死んだ。

その 埋葬に立ち会った。

埋葬は 亡くなって 2日後。

お墓は 個人の地面に埋めるタイプと マンション型のコインロッカーみたいな感じで扉が
飾り窓になっていて そこに 思い出の品々を飾るようになったタイプがあります。
彼女のは 後者。
お墓には 何度か 行ってるので お墓の感じは 知っていたのですが 今回 埋葬は初めての経験でした。
お墓は 奥行きが 長く そこに棺を 直接いれます。
扉に れんがを積み セメントをのせ れんがを積み
その 繰り返しを見ていると 封じ込められてしまうように感じて
気を失ってしまいました。

棺の中で ほろんで行く からだのことを 思って。

村上春樹の「ダンス ダンス ダンス」の中で
骨は清潔だ
ということぱがありますが
火葬を日常にしているわたしには この埋葬は とてつもなくショックでした。

プラグマチズムの始まりから 少しずつ 無駄だと思えることの省略みたいなものがあったりして
儀式は 無駄なものという 感じがしていました。
成人式も結婚式もしなかったわたしですが 最近 儀式というのは 大事なものなのだ
と思うようになりました。
ひとつひとつの儀式が わたしたちを もう一つの段階に連れて行ってくれる。
白い骨を拾うときに 自分の中に もう一度 死者を連れ戻してくる。
ここに 自分の中に 永遠を見いだしていく。






おくりびと 見ました。

四才から スペインに住んでる娘は なんで 焼いてしまうのに 化粧するの
なんて 訊いていたのに 最後では ぼろぼろ 大泣きしていました。

おくりびと を 送ってくださった ミミズさんに 感謝をこめて
by cazorla | 2010-02-13 01:42 | お気に入りのもの | Trackback | Comments(10)

スペインの良き時代を感じさせてくれる映画 Bienvenido Mister Marshall  ウエルカム ミスター マーシャル です。
ある小さな村に アメリカ人のマーシャル大佐がやってくるというので
大騒ぎして  お出迎えの用意をしたのだけど
結局 車が来て さーっと 過ぎていっただけ・・・・と言う話。


五十以上の人に訊くと この映画 かならずベスト3に入れます。
フランコの時代の映画ですが フランコのアメリカより政策を皮肉ったもの。
それでも 独裁者は製作許可を出してるんですね。
共産党員のファナは 「フランコは この映画の意味なんてわからなかったのよ」と 鼻で笑うのだけど いえいえ フランコは チャーチルさえも うならせる 知性の人だったことは 周知の事実。 こういう映画で 実生活を皮肉って笑って 毒を出す。
そのくらいのことは考えていたはずです。

時として 不満や愚痴は 出した方が良い。
そして げらげら笑う。
それが大事なんですね。

スペイン語学習者の皆様へ おまけのこのビデオの歌詞です。 一緒に歌ってください。
by cazorla | 2008-08-28 01:12 | スペイン 文化 言葉 | Trackback | Comments(8)

夫は 50ccバイクに乗っている。
大学時代は 友人に借りたバイクで コンブルテンセに通った。
妹を水泳大会に連れて行った。
彼の夢は バイクを持つこと。
マドリッドに住んでいる時 仕事場に通うためにこの小さなバイクを買った。
でも ほんとは もっとちゃんとしたバイクがほしい。

今時のインスティトート(ハイスクール 12才から16才 義務教育)の生徒達は みんなこれかそれ以上のバイクを持っている。
卒業祝いに BMWを贈る。

だから 私たちは ハイスクールの恋人みたいに
バイクに乗る。
今日は 子供達と別行動。 子供達は 母のアパートへ。 夏の友達グループで遊ぶ。
私たちは 市営プールへ。
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夫は 寝そべって読書三昧。
私は 泳ぎまくりました。








モーターサイクル・ダイアリーズ (角川文庫)
エルネスト・チェ ゲバラ / / 角川書店

昔の大学生 七十年代 八十年代前半の大学生は こんなふうに旅に出ていたよね。


熊を放つ〈上〉 (中公文庫)
ジョン アーヴィング /村上春樹訳 / 中央公論社

熊を放つ〈下〉 (中公文庫)
ジョン アーヴィング / 村上春樹訳 / 中央公論社

夫も こんなふうに友達と旅に出た。
そして 国内だけでは ものたりなくなって
インドに行き タイに行き 放浪の末 日本に来た。

でも もう一度 旅に出たがっている。


オートバイ (白水Uブックス (54))
A.ピエール・ド・マンディアルグ / / 白水社
オートバイも フランス人が書くと
こんなにエロティックになるなー という本。
そういえば 私 武蔵野夫人と二本立てで 「オートバイ」という日活ポルノ見たことあるな。
日本とフランスは ある部分とても似ている。
by cazorla | 2008-08-26 07:42 | おすすめのもの | Trackback | Comments(20)

ジャン・レノ 近況

ジャン・レノ氏 カリブ海で心臓発作。
ジャン・レノ 大好きなので 心配 です。
ニキータ以降の映画は見ていないのですが。

みんなで一緒に見た グランブルー なつかしいな。



履歴によると モロッコ・カサブランカ出身のスペイン人で
市民戦争の時 12才で フランスへ亡命。
フランスのかっこいい人って 外国人が多いような気がする。
ジャン・ポール・ベルモンド イブ・シモン ・・・(古っ)
生粋のフランス人で頭に浮かぶのは サルトルくらい?



ところで ウィッキーの日本語版 ジャン・レノのところ
民族 スペイン系アンダルシア人 になってるんですが・・・
アンダルシア人という民族はないぞ。
本名 Don Juan Moreno y Jederique Jimenezになってますが
Juan Moreno Herrera Jiménezの間違いです。
と 思ってフランス語版見たら この名前ではないか。
だって Donって敬称よ。 フランス語名は 敬称付き にしたのか!
疑問だ。
by cazorla | 2008-08-23 02:51 | スペインの新聞から | Trackback | Comments(12)

マイケル・ムーア 減量

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13㌔ 痩せたそうです。
あんまりよくわかんないけど・・
でも コレステロール値も正常になって よく眠れるそうです。
1日 1000歩 歩いてる。

万歩計っていいよね。
宇野千代さんも使ってたね。
私も買おうかなー。 ところで万歩計ってスペイン語でなんて言うんだろう。
(なんとなく スペイン人が使う所は想像できないから 売ってないような気がする)
by cazorla | 2007-06-06 08:01 | スペインの新聞から | Trackback | Comments(20)